ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

国際法の研究を通じて多角的な視点を養い国際平和の在り方を追究する(人間環境学部人間環境学科 岡松暁子准教授ゼミナール)

  • 2012年09月11日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

他者の意見も尊重しながら自らの研究テーマを深める

左から、小林哲大さん(3年)、申珂さん(4年)、東耀子さん(4年)、岡松准教授、坂本絵里香さん(3年)、山﨑峻さん(4年)

左から、小林哲大さん(3年)、申珂さん(4年)、東耀子さん(4年)、岡松准教授、坂本絵里香さん(3年)、山﨑峻さん(4年)

岡松ゼミでは国際法を研究し、国際平和について理解を深めます。ただし、戦争や紛争だけを扱うわけではありません。「利害関係が複雑に絡む国際社会の調和をはかる手段として確立されたのが国際法です。そのため国際法が扱うテーマは、戦争はもちろん人権問題や国境をまたぐ環境問題など、多岐にわたります」と岡松准教授は語ります。

その研究領域の広さに興味を持って岡松ゼミを選ぶ学生が多く、オゾン層の破壊に興味を持ち人間環境学部を選んだ小林哲大さんもその一人。「岡松先生の授業を受けて国際環境法というものがあることを知りました。現在は当初興味を持っていた環境問題に対する考えを発展させて、ベトナム戦争時の枯れ葉剤による環境破壊の再発などを国際環境法によって食い止めることはできないか、といったテーマを研究しています」と語ります。坂本絵里香さんも岡松先生から大きな影響を受けて、岡松ゼミを志望。「岡松先生の『“戦争がない=平和”というわけではない』という言葉にショックを受けたのを覚えています。ゼミに入ってからは、発展途上国内にある生物資源を先進国と上手に配分する方法などを研究しました」。

岡松ゼミでは、多様な価値観に目を向けながら、客観的な根拠に基づき「論理的に考える」ということにも力を入れており、夏の合宿では通常のゼミでは扱わないような幅広い分野からテーマを選んで議論をしています。その意義について山﨑峻さんは「俯瞰的な視野を修得できる」と話します。「私は高校時代まで、国際問題に関するニュースを見ても感情論で考えていました。しかし、ディベートなどを経験して自分と反対の意見を持つ人の主張にも耳を傾けることの大切さを知り、物事の全体像を冷静に把握した上で自分の意見を論理的に主張できるようになりました」。

コミュニケーション能力の向上については、東耀子さんも同意見です。「ゼミの授業を通して、いろいろな事情を抱えた国同士が一つのゴールに向かってプロセスを重ねていくことの難しさと大切さを学べました。この経験は、将来企業に勤めて異なる部署の人と意見を交わす上でも、大きなプラスになると思います」。

岡松ゼミでは海外からの留学生も受け入れており、中国人の申珂(しんか)さんもその一人です。「日本に来たのは、母国に対して外の世界から目を向けてみたいと考えたからです。岡松ゼミで国際法を学んだことにより、京都議定書をきっかけに興味を持った環境問題についても、以前よりも客観的な理解を深めることができました。将来は、日本で学んだことを両国のために生かしていくことが目標です」。

OBも出席しての「研究会修了論文発表会」にて、3年間のゼミ活動の集大成を披露

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