ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

CSR・経営思想・環境金融に関する実証分析(人間環境部人間環境学科 長谷川直哉教授ゼミ)

  • 2012年06月12日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)
5月8日(火)のゼミ風景

5月8日(火)のゼミ風景

日経STOCKリーグ初出場で入賞!企業価値を多面的に研究

2012年3月、ゼミ初年度にも関わらず「第12回日経STOCKリーグ」において初出場し、出場全国609チームの中から見事入賞という快挙を成し遂げた長谷川ゼミ。4年次での卒論研究に向け、2・3年生は主に前期は輪読を、後期は年初開催の日経STOCKリーグ参加へ向けた企業分析を行っています。

5月8日(火)のゼミでは、テキスト『企業分析力養成講座』(日本実業出版社)の総合不動産最大手企業に関する分析内容を参考に、不動産企業への投資価値について研究しました。進行は6人1チーム(全4チーム)に分かれ、その日の担当チームが研究内容を発表した後、各チームが事前に研究していた内容と比較検証の上、チーム間で見解をディスカッションするスタイル。担当チームの代表であり、ゼミ運営委員も務める水宮将文さん(3年)が過去5年間の売上高純利益率データや少子高齢化を踏まえた事業計画を根拠に業界2位企業への投資判断を示すと、他チーム代表で日経STOCKリーグ入賞者でもある渡部愛子さん(3年)は震災やグローバル化などの影響も考慮に含めて業界最大手企業の優位性を言明。議論はさらに欧州金融不安等からの円高傾向や地球環境の変化に展開し、それらによる不動産業界全体の収益構造への影響や事業内容の変革も検証されました。

「長谷川先生はフランクでフレンドリー、且つストリクト。社会の大先輩としても尊敬できる存在です」(ゼミ生)

「長谷川先生はフランクでフレンドリー、且つストリクト。社会の大先輩としても尊敬できる存在です」(ゼミ生)

「経済・経営だけに的を絞るのではなく、環境・政治・情報など幅広い分野の議論を交わせるので、多くの学びを得られます」と、人間環境学部で経営を学べる長谷川ゼミの特長を言い表す渡部さん。また、同じくSTOCKリーグ入賞者の坂本舞さん(3年)は「入賞できたのも、CSR等の観点を取り入れたからだと感じています」と秘訣を披露します。5月はじめに早くも百貨店最大手企業の内定を獲得した湯舟竜太郎さん(4年)は「長谷川先生が大手損害保険会社でCSR担当として長年、投資に携わっていらっしゃったからこそ実践的な研究ができるのだと思います」とコメント。金融機関で資産運用を目指している水宮さんは「株価は数値的要素だけでなく、環境への取り組みや人材の育成など様々な要素で左右されることをゼミに入って学びました。将来は株式投資を通じ、社会にとって真に価値のある企業を支援できるようになりたいと思っています」と近い未来の目標を語ります。

◆「日経主催「第12回日経STOCKリーグ」で人間環境学部の学生が入選を果たしました」
(2012年5月1日掲載フォトジャーナル)

知恵の汗をかけ

日経STOCKリーグ入賞者と、アンケートにご協力いただいた企業ご担当者

日経STOCKリーグ入賞者と、アンケートにご協力いただいた企業ご担当者

「大学時代に何かを成し遂げたいと思っている人には特に充実感を感じられるゼミだと思います。日経STOCKリーグは研究の成果を挑戦できる絶好の機会。リーグ参加までは“自分はダメな人間なんじゃないか”と思うほど落ち込むことも少なくないですが」と笑いながら話す湯舟さん。日経STOCKリーグ参加にあたっては情報収集・分析以外にも、ゼミ生自身が企画説明・協力依頼からすべてを行う“企業訪問”、突然与えられたテーマに対し自らの考えをプレゼンテーションする“3分間スピーチ”など、多様な取り組みを行っているのだと言います。

「客観性を身につけられた」という高橋理史さん(4年)をはじめ、「人としても成長できる」と日経STOCKリーグ参加について口を揃えるゼミ生たち。渡部さんはゼミ活動を通じて物事の見方や取り組み方自体が変わり、「メディア等で伝えられたことに対して原因や背景を考えたり調べたりするようになり、ゼミ仲間との間で“何を以て?”が一時期口癖になりました」と話します。「自分と異なる考え方の人がいても客観的な根拠を示してもらえるから納得感を持って理解できる」という坂本さんは、「異なる意見をぶつけ合わせて、そこからさらに新しい視点を得られるのが楽しい」とゼミならではの学びを享受しているようです。

「ゼミ生には常に“知恵の汗をかけ”と言っています。複雑化した社会においては隠れた課題をどう発掘するのか、発掘した後にどのような解決方法があり、解決のためにはどういったプロセスを踏めばいいのか、常識的な概念ではなく、多面的に物を捉える知恵が重要だと考えるからです。そのために文系理系の領域を越えた知識の習得や、社会という“人”との営みを豊かにするための教養が欠かせません。ゼミ生には知識を知恵に転換する力を身につけて法大生としての誇りを持ち、幅広く社会で活躍する人材になってほしいと思っています」(長谷川教授)