ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

地域社会とコミュニティ(法学部 名和田是彦ゼミ)

  • 2011年01月11日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

2011.1.11
フィールドワークで積極的に地域に入っていく

名和田教授ゼミでは地域社会・コミュニティの研究を大きなテーマに掲げています。「学生には、能動的かつ積極さを持ってフィールド調査することを求めています。出来るだけ定期的に通い、多くの関係者に話を聞きながら、“地域に入っていく”感覚を培ってほしいと思っています」と名和田教授は話します。

12月中旬の授業では、個人研究の中間発表が行われました。稲垣拓也さん(2年)の研究テーマは「横浜市の市民活動支援・推進政策」。旭区にある市民活動支援センター「みなくる」や横浜市主催の「地域デビュー応援フェア」(11月下旬開催)にも足を運びました。自ら実態を見て調査することで、立地や運営、行政と利用者のあり方などについても、さまざまな思いを巡らせたのだそうです。率直な感想を交えた発表の後には、ゼミ生と熱く討論しました。「個人的には、協働理念に大きな興味を持っています。今後は、横浜市市民局の方に市民活動支援・推進政策の大枠などの話も伺って、ゼミ論文の方向性をしっかり定めていきたい」と意欲を語ります。

一方、西岡京介さん(2年)は昨年まで住んでいた武蔵野市の町づくり、をテーマに掲げています。武蔵野市には町内会や自治会がなく、市から管理運営を委託されたコミュニティセンター協議会が運営するコミュニティセンター(略称:コミセン、分館含め市内に20館設置)がその役割を担っています。西岡さんは、そのうちの関前コミセンで調査を行い中間報告しました。「他の自治体との比較も今後の課題の一つ。まずはできるだけ多くの市内のコミセンを訪ね、話を聞きたいと思っています。もちろん活動にも積極的に参加したい」と話します。社交ダンスが得意だという西岡さん、12月下旬に開催されるコミセンのダンスパーティーで地域住民の方と交流することを楽しみにしていました。

  • 議論の質を高める名和田教授の総括
  • 個人発表後のディスカッション風景

地域社会との絆を体感する

積極的な名和田ゼミの学生たち

積極的な名和田ゼミの学生たち

ゼミ活動は各々の個人研究が主体ですが、年に数度、全員で近郊の自治体のコミュニティ担当部署や地域組織を訪問する共同調査も実施しています。今年は、7月に目黒区を訪問。数グループに分かれて、小学校の通学区域を基本に設定された“住区”という独自の行政単位に関してフィールドワークを行いました。また長期休暇を利用して、名和田教授のフィールド調査地である神戸市などを訪問することもあるそうです。ゼミ授業中には折々にテーマを設定し随時ディベートも行い、論理的思考や表現力を高めます。

「優しく、自主性を尊重してくださる」と慕われる名和田教授ですが、「研究の話をする時は熱い気迫を感じます」と、ゼミ生は話します。授業中に補足する各種理論や制度、歴史背景などに関するコメントも学生たちの興味を膨らませます。横浜市の行政の委員としての活動や、2005年にオープンした地域交流拠点「港南台タウンカフェ」の運営に注力する名和田教授の背中を見つつ、学生たちは学んでいます。

その港南台を調査地としているのが前ゼミ長の江上敦雄さん(3年)。「先生の活動を直に見たいと選びました。汗を流しながらの調査や活動を通じ、地域の大切さを改めて感じています。企画立案などにも精力的に携わっていきたい」と張り切っています。一方、「小さい頃は、地域とも密接な関わりがありましたが、成長するにつれ、そのつながりが薄れているような気がします」と話す副ゼミ長の西村沙恵さん(2年)が研究対象としているのは、相模原市の民間の交番「さがみはら安全安心ステーション」。地域住民と市や警察が協働し、ボランティアがパトロールを実施するなど活動を調査し、地域と住民の絆の大切さを改めて感じているそうです。