ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

やる気を引き出す効果的な外国語の教授法を目指して理論と実践の両面から研究(GIS(グローバル教養学部)小堀真知子准教授ゼミ)

  • 2010年12月20日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

指導案と教材を自作し小学生に英語を指導

前列左から渡邉美奈子さん、小堀真知子准教授、山岸春佳さん。後列左から鈴木貴大さん、福永貴之さん、片岡愛さん、石渡喜彬さん(学生は全員3年生)。

前列左から渡邉美奈子さん、小堀真知子准教授、山岸春佳さん。後列左から鈴木貴大さん、福永貴之さん、片岡愛さん、石渡喜彬さん(学生は全員3年生)。

小堀准教授はウクライナで英語教員を勤めるなど、ユニークな経歴の持ち主。英語の教員を目指す片岡愛さんは「日本で英語を学び、非英語圏の国で教えていた先生のエピソードはとても刺激的」と話します。

ゼミでは「どんな動機から外国語への興味が芽生えるのか」「どうしたら生徒のやる気を引き出して効果的な外国語の授業ができるのか」などについて理論と実践の両面から考えています。理論の研究は学生が自分自身の体験を振り返る新たな視点をも提供します。アメリカの高校に留学した福永貴之さんは「その高校では外国語としてスペイン語を勉強するのですが、皆、上達が速くて驚きました。当時は生徒の積極性の違いだと思っていたのですが、ゼミの勉強を通して指導方法にも理由があったことに気づきました」と語ります。また、アルバイトで塾講師をしている渡邉美奈子さんは「受験指導は生徒のやる気を引き出すのが難しいと感じていたのですが、そうした問題にもゼミで学ぶ理論や事例は役立ちます」と話しています。

町田市内の小学校で9月に初等英語教育研修を実施。

町田市内の小学校で9月に初等英語教育研修を実施。

ゼミ生は教員志望者ばかりではありません。「人の興味や意欲を引き出す方法は、社会のさまざまな場面に応用できます。僕はゼミで学んだことを教材開発や人材育成などの分野で生かしたい」(鈴木貴大さん)という学生もいます。

さて、実践研究も重視する小堀ゼミでは、9月に小学校で英語を教える研修に挑戦しました。小学校では来年度から「外国語活動」が5・6年生の必修となることが決まっていて、すでにさまざまな先行的な試みが行われています。研修は体験を通して、初等英語教育の課題を理解するために計画されました。

研修授業では、小学生に楽しみながら英語に触れてもらうために、日・洋のおとぎ話を題材にし、英語の寸劇を演じてもらうことにしました。ゼミ生たちは各自指導案を練り、夏休みに小道具やお面などを手作りして準備。努力の甲斐があって本番では「指導計画のすべてが消化できたわけではありませんが、子どもたちも一生懸命やってくれて、全体としては良くできたと思います」(山岸春佳さん)とのこと。

このほかゼミ生たちは学外の学会などにも参加しています。小学校英語の研究会に参加した石渡喜彬さんは「導入にはさまざまな課題があることが分かりました。一方、現場で試行錯誤している先生の発表からは、指導にかける熱意が伝わってきて感動しました。参加した収穫は大きかったですね」と話しています。

ゼミでは今、台湾の小学校で英語を教える研修を計画しています。母語の日本語が通じない環境で、どうやって英語を教えるか、指導案作りにも熱が入ります。

(雑誌「法政」2010年12月号より)