ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

一生の付き合い(経済学部 竹口圭輔研究室)

  • 2010年12月13日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

2010.12.13
財務・戦略分析から企業を考察

ストック・オプション会計をはじめ財務会計を専門としている竹口教授。ゼミでは財務諸表(決算書)などの数字データや、企業評価、戦略分析などの各種アプローチを通じて企業を分析・考察しています。

年間のゼミ活動は、大きく分けて3シーズン制。前期、夏休み、後期のそれぞれで異なるテーマを取り上げ、基礎学習から分析、報告への一連の流れを徹底的に反復しています。その方法もグループワークと個人研究を織り交ぜ、バランス良くスキルアップを目指すのが特徴です。「思考力はもちろんですが、コミュニケーション力や表現力など、社会で通じる基礎力もゼミで培ってもらいたいと思っています」と話す竹口教授は本学経営学部出身。「私にとっても学生時代のゼミでの学びと出会いは人生のターニングポイントでした。潜在能力を持った学生たちの背中を押してあげるのが今の役目。学生とは一生付き合える関係を築きたいと考えています」と優しく続けます。

11月下旬の授業では、3グループがパワーポイント資料を使って企業分析の報告プレゼンンテーションを行いました。“帝国ホテル”を取り上げ、大胆な経営戦略案も交え発表したグループの一人、羽原沙織さん(3年)は「グループワークでは皆で討論することで融合した意見が作れます。より頑張れますし、思ってもいなかったさまざまなアイデアが生まれてくることに驚かされます」と話します。議論や資料作成は、週に数度集まるサブゼミで時に数時間かけ取り組むのだそうです。発表後は、分析や論点のみならず、話し方などプレゼンテーション・スキルについても聞き役を務めた仲間たちから厳しい指摘がありますが、オンオフはしっかり切り替えます。休み時間には楽しそうに談笑する輪が教室内に広がっていました。

  • 竹口教授と一生の仲間たち 
  • プレゼンテーション風景。大教室を使い場慣れを図ります

グループワークで切磋琢磨

福島・Jヴィレッジでの夏合宿で

福島・Jヴィレッジでの夏合宿で

「表面的な数字から、企業の真の情報を読み取るには“想像力”が必要です」と竹口教授。複雑なデータを読み解く力は、一朝一夕には身につきません。地道なトレーニングを続けるしっかりとした意識や、学術論文や時事ニュースなどにも目を配る好奇心が、ゼミ生たちを成長させます。

ゼミに入りたての2年次前期の勉強は特に大切。会計学の入門的なテキストを用いながら、貸借対照表や損益計算書をはじめとした企業情報の基本的な読み方を身につけていきます。「就職してからも役に立つのが会計学の知識。ゼミは、刺激し合い切磋琢磨する雰囲気で、先生とも近い距離で学べます」とゼミ活動に目を輝かすのは新島翔太さん(2年)。ラクロス部で活動するアクティブさと持ち前の明るさで積極的に学んでいます。

ゼミの方針として、授業内でのグループワーク発表などにも常に優劣をつけるのだそうです。よりよい成果を導こうという向上心や努力、競争心が学生たちの励みにもなります。経済学部では近年、インナー活動に力を入れており、ディベート大会や、学生研究報告大会、プレゼンテーション大会などを充実させています。ゼミ内の選考を勝ち抜いたグループ研究が、他ゼミとの他流試合である、それらの場で報告されるのです。

10月の学生研究報告会で自らの就職内定先である企業の、顧客を重視した展開による業績回復を考察した研究を報告したのが斉藤拓真さん(4年)。「私にとってゼミは、大学で地に足をつけて向き合えたレベルの高い場所です。メリハリがついたグループワークで、自らを高めることができました」と話します。学生生活の集大成である卒業論文にも力を注いでいます。