ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

人事管理に絶対的な正解はない!自分の頭で考える力が重要になる(経営学部 佐野嘉秀准教授ゼミ)

  • 2010年11月20日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

現場の生の情報に基づいた調査・研究を進める

前列左から酒井亜津沙さん(経営戦略学科3年)、佐野嘉秀准教授、永山恵美さん(市場経営学科3年)、後列左から吉岡雄平さん(経営学科3年)、阿部雅人さん(経営学科3年)、東ちひろさん(経営戦略学科3年)

前列左から酒井亜津沙さん(経営戦略学科3年)、佐野嘉秀准教授、永山恵美さん(市場経営学科3年)、後列左から吉岡雄平さん(経営学科3年)、阿部雅人さん(経営学科3年)、東ちひろさん(経営戦略学科3年)

佐野ゼミのテーマは人的資源管理論。企業の経営資源の一つであるヒトの問題について考察しています。

「どうすれば働く人の意欲、能力を生かすことができるかを考えていきます。この問題が難しいのは、働く人はそれぞれ多様な価値観を持っていますし、企業によって置かれた環境も異なること。どの方法を選択しても、必ずプラス、マイナス両面があり、絶対的な正解はありえません。それでも企業の現場では、何らかの方法を選択する必要があります。このゼミでは、目の前に置かれた状況の中で、どうするのがいいのかを自分の頭で考え、行動できる力を養いたいと考えています」(佐野准教授)。

学生たちは「就職活動にも、将来企業で働く上でも大切なことが学べると思いました」(東ちひろさん)、「バイトで責任者の立場にありますが、周囲が皆年上で、どう接すればいいのか人間関係に悩んだことから、人事管理に興味を持ちました」(吉岡雄平さん)など、さまざまな目的でこのゼミを選んでいます。

考えるプロセスを重視するゼミですから、一般論を学ぶだけでなくディスカッションなどを通して考えを深める機会も豊富に設けられています。「3~4人のグループに分かれて、興味を持ったテーマを設定。調べてまとめたものを皆の前でプレゼンテーションしています。現在、私のグループは、働く人がやりがいを感じられるような取り組みを行っている企業を調査中です」(酒井亜津沙さん)、「大卒後三年以内まで新卒扱いすることになった場合のメリット、デメリットを企業にインタビューしてまとめたいと思っています」(永山恵美さん)など、アクティブな姿勢を見せています。「議論する際に、あらかじめ先生から正解が示されることはありません。自分なりに考えようとする力が身に付いたとともに、ゼミ生同士で意見を交換することで、自分とは異なる考え方に触れて、視野が広がった気がします」(阿部雅人さん)。

そのほか、ゼミに企業の人事担当者や労働組合関係者などが講師に招かれることもあります。「マスコミ報道などは必ずしも実態を反映していないことが少なくありません。現場の人に話を聞くなど、できるだけ加工されていない生の情報に基づいた調査・研究を進めてほしい」と佐野准教授は語ります。

開講三年目の新しいゼミですが、すでに強い先輩後輩の絆が築かれている点も魅力です。「四年生が、私たちのために就職活動の体験談を語る会を開き、内定獲得に成功したエントリーシートのコピーも配布してくれました。OBの社会人から就職後の様子を聞く会もあり、とても参考になっています」(阿部雅人さん)。

(雑誌「法政」2010年11月号より)

那須高原のゼミ合宿での集合写真
那須高原のゼミ合宿での集合写真

佐野ゼミ集合写真
佐野ゼミ集合写真