ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

ベンチャー・中小企業の考察(経営学部 稲垣京輔ゼミ)

  • 2010年10月25日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

2010.10.25
組織や戦略、事業システムを分析する

9月下旬の授業、教室では、「価格競争」「高級化路線が招いた成功と失敗」「メニューの簡素化」「カフェ化」・・・など、昨今のハンバーガーチェーンの経営戦略についてのゼミ生たちの考察・討議が飛び交っていました。

稲垣教授ゼミでは“経営戦略論”や“経営組織論”の知識を深めながら、経営現象に対する分析能力などを養っています。特にベンチャーや中小企業など新しいアイデアと行動力で伸長している企業に着目し、事業システムなどを考察しています。この日の授業でゼミ生たちは、課題テキストで学んだ『ポジショニング・アプローチ』『資源アプローチ』『ゲームアプローチ』『学習アプローチ』の各グループに分かれ、『モスフードサービス』『アップル』『ユニクロ』の3企業をそれぞれのアプローチから考え、パワーポイント資料を用いて発表しました。

発表を聞きながら、稲垣教授はゼミ生たちに質問を投げかけたり「もっと情報を集めないと」など叱咤しながら討議の質を高めます。「学生たちには、自ら企画を立て議論する活発な活動を求めています。難しい課題でも、逃げずに向かえば必ず達成感は得られます」と稲垣教授。読書も推奨。関連図書なども随時、薦めています。

ゼミには、アメリカとフランスからの留学生もおり、両国のケースなどとの比較ディスカッションもしばしば行われます。母国語のフランス語をはじめ数カ国語を操るテユレ・カミーユさん(3年)は「稲垣先生は時に厳しいですが、期待されているからだと思うと勉強の励みになります」と積極的です。卒業後は、投資銀行に勤め、発展途上国の中小企業振興やフェアトレードに携わりたいという将来像を描いているそうです。

  • 集合写真
  • ゼミ授業の討議風景

ディベート、研修旅行、合同ゼミで意識を高める

2009年10月の研修旅行では貼箱制作を体験

2009年10月の研修旅行では貼箱制作を体験

ゼミでは折にふれ、ディベートも展開します。「私にとって、知的に論戦するディベートはとても勉強になります。ふだんの授業も活発で、自分の意見を主張できる一方で、皆のいろいろな意見に触発されます」と話すのは松橋佳澄さん(3年)。サークルの先輩を慕って入ゼミしたという松橋さんですが、稲垣教授や気さくな仲間とのゼミ授業を通じ、大学で専門分野を深く学ぶという意識が改めて高まったのだといいます。

9月中旬には2泊3日で夏合宿を行いました。伊豆のコテージに泊まり、昼はテキスト講読やディスカッション、ディベートなどに熱中。夜は花火などのレクリエーションで親睦を深めました。「ゼミは毎週刺激を受けられる場。同じ意識を持った仲間と出会えた意義は大きいです。合宿では先生にも思いっきり楽しんでいただけました」と松本龍一さん(3年)は笑顔を見せます。

現4年生たちは昨年10月、大阪への研修旅行を行いました。クリエイター支援施設であるメビック扇町や中小企業を見学。村上紙器工業所(大阪市西成区)では、「デザインとものづくりのコラボレーション」の話を伺うとともに、貼箱制作体験にも挑みました。独自の手加工ノウハウやさまざまな企業努力で、魅力的な企業となっている同社の姿から、学生たちは多くのことを学んだはずです。

「まだ2期目の新しいゼミですが、今年は学部内や早稲田大商学部のゼミとの合同ゼミ開催など活動の幅を広げています。いわゆる“ゼミ”の概念を壊すほどの主体的な活動を展開していきたいですね」と話す大嶋琢人さん(3年)はアメリカへのSA(スタディ・アブロード)留学した行動派のゼミ長。個性豊かなメンバーをまとめながら、稲垣教授と4年生たちが拓いたゼミ活動のさらなる充実に意気込んでいます。