ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

微生物からコンピュータまで多様性に満ちたフィールドから興味適性に応じたテーマを発見(生命科学部 濱本宏教授研究室)

  • 2010年10月20日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

まずは手を動かして研究の面白さを体感

左から大崎英亮さん、濱本宏教授、檜森將宏さん、永島翔太郎さん

左から大崎英亮さん、濱本宏教授、檜森將宏さん、永島翔太郎さん

第1期生が3年次に達した生命科学部では、研究室活動も本格化しています。植物医科学専修の植物病抵抗性研究室もそのひとつ。同専修では3年次後期から研究室に所属することになっていて、ここでは10人の1期生が研究活動を始めています。研究の主テーマは、植物病の診断や治療・予防を行うための基盤技術の研究と開発。病因となる細菌やウイルスを分析するための新しい技術を開発したり、病気に強い植物を作りだすための技術開発などを行います。研究対象は菌類のように目に見える病原から、遺伝子といった分子レベルのものまで幅広く、また、分析手法も試薬を使う化学的なものや、コンピュータを使った解析など多様です。指導教員の濱本宏教授は「研究では、必要に応じて実験機器を改良することもあります。興味があれば、それをメインに取り組む学生がいてもいい。植物病だけにこだわらず、幅広い中から自分の興味適性に応じた何かを見つけてもらいたい」と話しています。

実際、学生の興味はさまざまで、「顕微鏡で菌類や細菌の形や動きを観察するのは楽しいです。色も形も面白く、現実に動く様子を見ていると不思議な感覚にとらわれます」(永島翔太郎さん)という声や、「環境問題に関連する授業で、植物病が食料問題に大きく影響していることを学びました。研究室では、地球環境や食料政策などの背景を意識しながら勉強していきたい」(大崎英亮さん)という声が聞かれました。また、「コンピュータ解析をやってみたくて、この研究室を選びました。就職活動でもアピールできるだけの実力を身に付けたいです」(檜森將宏さん)という学生もいます。

そんな学生たちに濱本教授は「まずは手を動かして技術を身に付けながら、適性に応じた興味を発見してもらいたい」と話します。そのために初期段階では、実験テーマも短期間で結果が得られるものが用意されています。植物学関連の実験は培養や栽培観察など、時間がかかるのが普通です。しかし、現在では技術の進歩によって、比較的短時間で結果を検証できる手法も多数開発されています。それらを駆使することで、インパクトのある入門体験を味わってもらおう、というわけです。

新しい研究室活動に学生の期待も膨らみます。「先生は講義でもユーモアたっぷりで魅力的ですね。だから研究室でも肩の力を抜いて勉強できるのではないかと思います。それだけに自分で道を切り開いていく姿勢も問われると思いますが」と永島さん。学生の間には1期生らしい気概が感じられました。

(雑誌「法政」2010年10月号より)