ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

『カタチの分析』を通して、建築や都市の多様性や特徴を探る(デザイン工学部 安藤直見教授研究室)

  • 2010年06月20日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

各自テーマを決めて建築や都市を主体的に研究

前列左から、島田康平さん、大石涼介さん(修士1年生)、安藤直見教授、島田朋さん(修士1年生)、種田元晴さん(博士3年)。後列左から、友澤雄さん、引地渉さん、徳永祥樹さん、石澤悠さん、関龍一さん、三浦遼介さん、田代ゆき子教員技術員。カッコ内に学年記入がない学生はすべて4年生。

前列左から、島田康平さん、大石涼介さん(修士1年生)、安藤直見教授、島田朋さん(修士1年生)、種田元晴さん(博士3年)。後列左から、友澤雄さん、引地渉さん、徳永祥樹さん、石澤悠さん、関龍一さん、三浦遼介さん、田代ゆき子教員技術員。カッコ内に学年記入がない学生はすべて4年生。

デザイン工学部建築学科の安藤直見教授の専門は、「カタチの分析」です。広場・街路・街区などの都市空間や、建築物の立面や平面などのカタチを数値化して分析し、そのカタチが都市や人間にどのような影響を与えているかを研究しています。

「建築学科では、4年生になると14の研究室のいずれかに所属して卒業論文と卒業設計に取り組まなければなりませんが、私の研究室では私の専門に関連したテーマを研究することを求めてはいません。学生たちが自由に研究テーマを決めて、建築の面白さや新しさを発見してくれればよいと考えています。指導教員としての私の役割は、各自の研究で分析の方法などをアドバイスすることだろうと思っています」と安藤教授。

しかし、研究室の学生の多くが安藤教授の研究に魅力を感じて入室してきただけに、教授の専門に関連する研究テーマを選んでいます。「安藤研究室は伝統的に駅前の高架歩行空間であるペデストリアンデッキの調査を行っていますが、僕もペデストリアンデッキの研究をしたくて安藤研究室に入室しました。さまざまなペデストリアンデッキのカタチを分析し、その多様性や魅力を卒業論文にまとめたいですね」(関龍一さん)。「僕はこの研究室でコンピュータを使った設計の技術をマスターしたいと思っています。安藤先生はカタチの分析にデジタルデザインの手法をしばしば使いますが、僕もデジタルデザインをマスターして、カタチの分析や新しい建築デザインの研究に取り組みたいですね」(石澤悠さん)。

また、安藤教授の授業を受講したことから、研究室に入室した学生も少なくありません。「1年次に建築と映画の関係についての講義を受けました。建築のことを知っていると、もっと映画が面白く観ることができる、という内容でしたが、映画も建築も大好きな僕にとってとても興味深い講義でした。研究室では、シネマコンプレックスの研究に取り組みたいと考えています」(友澤雄さん)。

「2年次の『建築構法』という授業で、安藤先生の自書『建築のしくみ』という教科書を使って大変分かりやすく解説していただきました。その時の印象から安藤先生の研究室に入室しました。自分の考えをカタチとして造れるのが、建築を学ぶ楽しさですね」(島田康平さん)

博士課程3年生で安藤教授との師弟関係も長い種田元晴さんは、「建築や都市に関わる幅広いモノ・コトについて研究できるのが安藤研究室の特色であり、面白さです。僕自身はカタチを考えることで、建築や都市の特徴が見えてくるところに研究の面白さを感じています」と、安藤研究室の魅力を語っています。

(雑誌「法政」2010年6月号より)