2010.06.14
本格的なイギリス舞台劇を、実際に英語で演じる
ブロウカリング教授ゼミでは、イギリス演劇を英語で演じることを通じて、イギリス文化や文学の奥深さを体感し、理解することを目指しています。6月初めに2班に分かれ、学生たちが演じたのはオスカー・ワイルド原作のイギリスの舞台劇The Importance of Being Earnest（邦題：『真面目が肝心』）。後期ヴィクトリア朝時代を舞台にした喜劇で、ウィットにあふれた、ドラマとしても文学としても巧みに作りこまれた傑作です。
「戯曲を深く理解するためには、演じることが重要。読むだけでは分からないことも、演じてみれば気が付くものです。英語の台詞回しや演技も1年を通じて経験することで、どんどんうまくなっていきます」とブロウカリング教授。演劇の博士号を持つ演出家ならではの的確な指導は学生たちの心に響きます。
Casting（配役）はブロウカリング教授が指定し、演じる際には、役柄に合わせた衣装を着込み、小道具や音響も活用します。その非日常さが、学生たちに心地よい緊張感を与え、演じた後の達成感を導きます。この日、Cecilyという娘役を演じた寺島梓さん（4年）は「コスチュームを着た瞬間に役者の気持ちになれました。私にとって、娘役は演じやすく、観客の前でいい演技ができました」と声を弾ませます。一方、嚴瑜玄（オム・ユヒョン）さん（4年）が演じたのは家庭教師Miss Prism。「授業で演じるのは5回目ですが、いつも楽しく感じています。今日も役柄になりきり、感情を込めて思いっきり演じられました」と笑顔をみせます。
ゼミでは、前期に2回に分けて、このThe Importance of Being Earnestを上演。後期には、An Inspector Calls（『夜の来訪者』）というサスペンス劇に取り組みます。毎週の授業やリハーサルはハードですが、パワフルでサービス精神旺盛なブロウカリング教授の下で、ゼミ生たちはしっかりと英語や、イギリス文化、演劇の奥深さを学んでいます。
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The Importance of Being Earnestの上演風景（2） -
The Importance of Being Earnestの上演風景（1）
演じることで深まる学生の学びと個性
舞台衣装で記念撮影
この日、もうひとつの班で、主人公の一人Jack役をダブルキャストで演じたのが、蛭田大策さん（3年）と石井淳也さん（3年）。ともに、ブロウカリング教授の「シェイクスピア講読」 を受講していたといいます。古典と現代コメディーで違いはあるものの、それがまた興味深く、夢中にさせると目を輝かせます。
蛭田さんは「受験生向けのパンフレットで、ブロウカリングゼミの記事を見たのが学部選びのきっかけでした」と話します。声優を目指していることもあり、メリハリをつけた口調や演技で観客を沸かせました。一方、石井さんは「田舎暮らしのJackは“真面目な男”という設定。その真面目さを表現するために、あえて台詞は淡々と話すことを心がけました」と話します。作品に対する個々の解釈や思い、アイデアを活かせるのも、演劇という舞台を用いた授業ならではです。
通常の授業は、すべて英語で行われ、4年次の卒業論文も5000ワード以上の英文でしっかりとまとめます。そのテーマは作品、劇作家、演劇を通した英語教育など、バリエーションに富んだものだそうです。
Prof. Brokering（ブロウカリング教授からのコメント）
My seminar is an utterly “low-tech” class.All we really need is a stage, a few simple costumes, and a passion for drama.Through acting out a play on stage, students not only gain profound insight into great works of English literature, they learn valuable communication and language skills as well.This is ever so important in an age where young people increasingly rely on high-tech means, suchas text messaging and social networking websites, forcommunicating with others.