ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

ゼミサークル(経済学部 靎(つる)見誠良ゼミ)

  • 2009年10月05日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

2009.10.05
仲間と議論する楽しさ

靎見ゼミでは国内・国際金融やファイナンスの基礎について幅広く学んでいます。「学生たちが楽しく勉強できる居場所であってほしいという思いを込め、『ゼミサークル』を目指しています」と靎見教授。モットーは「厳しく、楽しく」で、ゼミ活動はゼミ生が主体的に行うプロジェクト方式で運営されています。毎週のゼミ授業以外にも、自主共同論文作成のためのサブゼミや、各自1万円を出資しミニ株を実際に売買する株式投資、ウォールストリート・ジャーナルの輪読、論文の作成、春・夏の合宿など、盛りだくさんです。

「学生に強く求めるのは“意欲”です。2年生から4年生、上級生が下級生と共同して活動するなかで、エコノミストとして、また市民として基本的な素養を身に付けてもらいたい」と続けます。そんな先生を、ゼミ生たちは親しみと尊敬の念を込めて“教授”と呼びます。「穏やかで、どんな相談にも親身に乗ってくださる教授は、まさに教育者といった感じです。ゼミは議論の場。その議論の楽しさが靎見ゼミの特徴です」と神原大樹さん(3年)は話します。

7月末のゼミ授業では、2年?4年生の約30人が共同研究の今後の方向性についてディスカッションを行いました。テーマは、欧州諸国における世界金融危機の影響です。EU加盟・非加盟、ユーロ採用・非採用などの違いにより欧州各国にどのような影響があるか、について活発な討議がなされました。IMFの国際金融統計などデータ収集法や解析法、方向性などについてもヒートアップ。ゼミにはスロバキアからの留学生もおり、多彩な着眼点、アイデアが提出されました。

「投資にしても共同研究にしても、答えの決まっていないことを、思うままに仲間と議論するから熱中できるのではないでしょうか」と田崎洋平さん(3年)は結束力の強いゼミの魅力を語ってくれました。

  • 夏合宿で記念撮影
  • 活発に議論するゼミ授業

急かさず個性を伸ばす

盛大だった2008年の「靎見会」

盛大だった2008年の「靎見会」

ゼミは現在の2年生で第37期を迎えました。教授を慕うOB・OGたちは多く、毎年「靎見会」という集いを開催しています。親子ほども年の違う歴代のゼミ出身者と現役ゼミ生たちが教授を囲んで盛り上がる恒例行事です。きずなの強さや年齢差を超えたコミュニケーションは現役ゼミ生たちの糧となっています。

昨年度、ゼミ長とサブゼミ長として活躍した4年生の北原拓也さんと樽川裕紀さんは、ともに金融関係に就職を決めています。「二人とも入ゼミ前は金融関係に就職することは考えていませんでした。教授の教えやゼミからの学びが金融に深い興味を持つきっかけになりました」と話すのは樽川さんです。一方、北原さんは「個性豊かなみんなをまとめる苦労も時にはありましたが、とてもいい仲間に恵まれました。2、3年生も頑張っているので安心です」と、次代のゼミを担っていく下級生に期待します。

それぞれの進度にあったきめ細かい指導がゼミの方針です。論文作成に慣れるための2年生の個人論文(約6000字)、懸賞論文応募も意識した3年生の個人論文(約1万字程度)や4年生の卒業論文(約2万8000字程度)も数度の草案提出や中間報告で煮詰めていきます。また、毎年5月に年間の個人計画目標を作成し、年度末に自己評価も行っています。得手不得手を確認し自己修正することで、目標も定まり、自然と自己管理能力をアップさせています。

「目標を自覚すれば、学生は大いに伸びます。奨学留学などにもどんどんチャレンジしてもらいたい」と靎見教授。長年変わらぬ優しい眼差しで、ゼミ生たちの成長を見つめています。