ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

メディアを分析することで現代の社会の考え方や価値観をあぶり出す(社会学部 津田正太郎准教授ゼミ)

  • 2009年06月20日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

社会学部の公式パンフレット「社会学部への招待」を制作

前列左から宮下東久さん(3年)、津田正太郎准教授、野中由里絵さん(3年)、後列左から都筑香那さん(3年)、田中隆造さん(3年)、和田紘希さん(2年)。

前列左から宮下東久さん(3年)、津田正太郎准教授、野中由里絵さん(3年)、後列左から都筑香那さん(3年)、田中隆造さん(3年)、和田紘希さん(2年)。

何を記事にするか、どう記事を書くかなどを含め、メディアから発信されるコンテンツには、その社会を構成する人々の考え方や感じ方が反映されています。そこで、メディアの分析を通して、現在の社会の価値観を明らかにしようというのが、津田ゼミのテーマです。「そのためには、社会に対する広い視座を養う必要があります。ですから2年次の段階で、社会問題に関するインタビューを行って記事にまとめる経験を積んだ上で、3年次以降でメディア分析に入っていくようにしています」と津田正太郎准教授は語っています

今年からは、社会学部の公式パンフレット『社会学部への招待』の制作を請け負うことになり、情報を発信する側の作業が増えました。「取材を通してさまざまな立場の人に出会い、普段できない経験をすることで、“社会の中の自分”を意識するようになり、考えが広がりました」と都筑香那さん。田中隆造さんも「取材で敬語を使うことが増え、人間関係に大きく影響する敬語をちゃんと使えるようになりたいと実感しています」と話すように、社会との関係を考える上で、メディアに関わる経験が大きなプラスになっています。
ただ、実際の制作作業に関わり出すと、現場の論理に流されることが多くなります。津田准教授はそれも織り込み済みだといいます。「流されている自分を冷静に見つめられる姿勢を保つことが大切。それをぜひ学んでほしいと思います。その姿勢がゼミの文化や集団知のような形で蓄積していけばと願っています」

現在、ゼミのメンバーは50人超。ゼミ代表の宮下東久さんは「いざとなると集中力はありますが、いかにそのやる気を引き出すかが、僕の課題です。活字媒体への興味からこのゼミを選んだのですが、現在は、コミュニケーションを活性化させたり、人の力を集結させたりするような能力開発の分野にも魅力を感じるようになってきました」といいます。和田紘希さんも「以前は報道などをそのまま受け取っていましたが、今では情報をナナメから見るようになり、一人で考える時間が増えました。メディアの好き嫌いも含めて、いろんな考え方を持った人が集まっている点がこのゼミの特色です。今後も垣根を感じずに、このゼミに来てほしいですね」と語っています。

毎年、那須高原で行われる夏合宿以外にも、冬のスノボ合宿など非公式の活動が盛りだくさん。「先生がカワイイというのも大きな特長ですね。頼りになる先輩という感じが、ゼミの雰囲気を自由で居心地のよいものにしてくれています」という副代表の野中由里絵さんの言葉に、ゼミの魅力が象徴されているようです。

(雑誌「法政」2009年6月号より)