ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

結合と創造(キャリアデザイン学部 福田敏彦ゼミ)

  • 2009年02月16日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

2009.02.16
さまざまな流行りと廃りを見つめて

福田教授ゼミでは、キャリアデザインという大きな概念を意識しながら、「文化」「マーケティング」「広告」「メディア」などを幅広く考察しています。福田教授は大手広告会社である電通の出身。「一見異なるけれど実はつながるものを解読し結合してみよう。何かあたらしいものが生まれるかも知れない」と“知の融合”に誘います。「学生には、『人間とは?』『文化とは?』などの根源的な問いに関心を持ちながら、同時に変化するものを見つめて研究・考察を深めることを勧めています」とも付け加えます。

ゼミ活動では自主性が尊重され、年間行事やグループワークなどは学生たちが企画を考え運営を進めています。
「先生は例えてみれば(選手の個性を活かす手法をとった)ジーコ監督のようです。自由にさせてくれるからこそ、頑張らなければいけないと強く思っています」とゼミ長の村岡和也さん(3年)は話します。今後は、意見をぶつけ合うグループワークやサブゼミの機会をより増やしていきたいと意気込みます。

活動の一部を紹介すると今年度は、前期に3年生が中心になって幾つかの『廃れていくもの』を取り上げ、ディスカッションしました。栄枯盛衰といわれるように物事には流行り、廃りがあり、人生にも好不調のサイクルがあります。今年度最後となった1月初旬の授業では、福田教授はある演歌歌手を例に挙げ、「不遇、低迷の時期に培ったものが、その後の魅力や芸にもつながっていく」と、概説しました。

一方、9月に山中湖で行ったゼミ合宿では6班に分かれ、菓子と飲料の商品開発の企画を出し合い、活発に討論、プレゼンテーションしました。「合宿では勉強だけでなく体を動かし、感性を活かそうと、陶器の絵付け体験なども盛り込みました」と石橋由起さん(3年)。仲間と過ごした有意義な体験はゼミ生たちの宝物となっています。

  • 夏合宿での討論・プレゼン風景
  • ゼミ生の意識を高める福田教授のレクチャー風景

自然体で意見を交わしあう

創造のキーナンバー「3」のポーズで

創造のキーナンバー「3」のポーズで

4年生と3年生がともに学ぶゼミ。学生にとっても就職活動や進学、卒業論文作成などライフサイクルの節目と重なる時期だけに、「1年ってすぐに過ぎてしまう…」といった印象を持つ学生も少なくありません。そんな貴重な時期に、互いに自然体で率直に意見を交わしあえるのが福田ゼミの良さです。ほんわかとした温かい雰囲気は、「口下手だから」と、はにかんでいた学生をも能弁にします。また、年に数回の外部講師を招いたゲスト講義や見学会も、学生たちの好奇心を大いに触発しています。「学生たちはセンス、クリエイティビティの面で良いものを持っている。成長ぶりはなかなかのもの」と福田教授はさらなる積極的な活動を勧めます。

岡田友希さん(4年)は、「福田先生は包容力があり話しやすいのが特徴。扱える研究分野の幅も広く、ゼミで学び新しい考えが広がりました」とゼミ生活を振り返ります。4年生にとってゼミ活動の総仕上げとなるのが卒業論文。まだ新しいキャリアデザインという学問分野で、それぞれ「ライフスタイルとスポーツ」、「ファッションと自己形成」「茶人のキャリアヒストリー」「携帯電話による新しいコミュニケーション文化」「エコツアーという仕事」「中国の広告事情」「日韓の比較にみるweb社会と人々の関わり」「電子マネーの現状」など多種多様なテーマに取り組みました。

4年生は今春卒業していきますが、次年度からは現2年生がゼミに加わります。ゼミ員募集を兼ねた昨秋の公開授業では、3、4年生に見学に訪れた2年生も交えて、ユーモラスさで人気のソフトバンクモバイルCMの企画案を考え大いに盛り上がりました。「まとまりもよく、先生や先輩も魅力たっぷり。このゼミに入って良かった」と話す伊藤瑞紗さん(3年)も新ゼミ員たちの合流を楽しみにしています。