ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

臨床家の先生が活躍する病院の見学も恒例行事(現代福祉学部 久保田幹子准教授ゼミ)

  • 2008年11月20日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

自分から働きかけることでゼミの成長を実感

前列左から中時綾子さん、久保田幹子准教授、藤山良さん、後列左から沼田奏恵さん、斎木優作さん、平岩一馬さん、堀内奈緒さん

前列左から中時綾子さん、久保田幹子准教授、藤山良さん、後列左から沼田奏恵さん、斎木優作さん、平岩一馬さん、堀内奈緒さん

臨床心理学を学ぶ久保田ゼミは現在42人。今年、2年生から4年生までの全学年がそろいました。「新しいゼミなので、自分たちで作っているという手応えがあります」と3年生の斎木優作さん。授業には、各自の卒業研究にまつわるテーマを発表してディスカッションする3・4年生合同のクラスと、基礎的な項目や心理療法家としての心構えなどを学ぶ2年生のクラスがあります。「4年生は卒業研究を抱えているので、毎回出席することはできませんが、自主的に出席日を決めて出てきてくれます。議論に参加して盛り上げてもらえるのでありがたいですね」(3年・中時綾子さん)。

夏合宿は恒例のイベントで、2年生が企画・運営のすべてを担当し、全学年が参加します。「今年は1泊2日で日光に行きました。初日は課題図書についてのディスカッション、翌日は東照宮で観光をしました。楽しかったので春にもやろう、という機運が盛り上がっています」と2年生の堀内奈緒さん。課題図書は児童虐待と育児放棄について書かれたレポートで、学生たちは事前に読んで合宿に臨みました。最初のうちは感想を述べあうだけでしたが、症例を踏まえた先生の解説に触発され、上級生の発言も活発化しディスカッションは白熱しました。

病院見学も恒例の活動となりつつあります。3年生の藤山良さんは「私たちは、2年次の学年末に森田療法という心理療法を行っている病院を見学しました。現場を見ることで森田療法の考え方や治療方法を具体的に理解することができ、貴重な体験でした」と話しています。

こうしたことが可能なのも、久保田准教授が森田療法の現場で活躍中のセラピストだから。症例を踏まえた指導は、ゼミ生たちにとって大きな魅力です。「摂食障害や虐待、ひきこもりなど、心の問題の現状は、本で読んでいるだけではピンときませんでした。でも、先生から現場の話を聞かせてもらって、問題を深く理解できるようになりました」(2年生・沼田奏恵さん)。

そして3年生の平岩一馬さんは、「ゼミでは臨床心理学全般の理論や方法論について学びますが、先生は扱うどのテーマに関しても、現実の症例に基づいた解説をしてくれます。ただし、それは僕らが興味をもって問いかけた場合。“一”を聞いたら“十”が返ってくる、という感じです。でも、自分から積極的にかかわっていかなければ、何も始まりません。これも、このゼミの重要なポイントです。だから、自分たちでゼミを作り上げているという実感がもてるのです」と話しています。

(雑誌「法政」2008年11月号より)