ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

三冠を目指せ!!(人間環境学部 永野秀雄ゼミ)

  • 2008年07月14日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

2008.07.14
飛び交う多彩な質問のジャブ

永野教授のゼミでは、環境監査法務の基本として米国環境法と日本の環境監査法を学んでいます。前期は、日本語と英語の2つのテキストを読み込みます。日本語のテキストは、企業のCSRについての書籍を取り上げ、英語テキストは、米国総合化学企業のサステイナビリティ・リポートが対象となっています。

ゼミでは、発表者が準備したレジュメを読み上げ、討論する一般的な進め方ですが、その背景や社会的影響、方法論にまで言及されます。他のゼミ生が繰り出す質問は、環境や法務的な見方だけでなく社会・経済・歴史などの多彩なジャブが繰り出され、批判的精神に満ちています。

発表者が質問に答え切れない場合は、次回のゼミまで再び調べてくることになります。「先輩たちの深い質問で自分のモチベーションも上がります。ゼミは気付きの空間です」と話すのは露無松太郎さん(2年)。総括をする永野教授は学問的には手を緩めず、歯に衣着せません。ゼミ生は必死で喰らいつきます。

春合宿(2泊3日)と夏合宿(3泊4日)は、英語力やディベート力の強化等、すべて勉強で埋め尽くされます。これに加え、OB・OGによる就職活動に向けた模擬面接なども行われています。また、法政大学がスイス連邦工科大学チューリッヒ校と共同で行っている環境教育YESプログラム(スイス開催、日本開催とも)や、企業主催の外部のディベート・プログラムにも意欲高いゼミ生を送り出しています。YESに参加した一人、河合聡史さん(3年)は「(欧米の大学院生など)レベルの高い参加者にもまれ、さらにやる気になりました」と振り返ります。

  • 春合宿で記念撮影
  • 批判的精神に満ちた討議の様子

日々の課題と達成感が、意識を高める

合宿での英語の特訓。厳しさの中に楽しみがあります

合宿での英語の特訓。厳しさの中に楽しみがあります

ゼミの合言葉は、「目指せ三冠達成」です。永野ゼミで言う三冠とは、“英検準一級”“公害防止管理者(水質関係第1種)”の資格取得と“懸賞論文”(法政大学懸賞論文または学外論文コンクール)での入賞です。基本的な英語力を付け、環境科学の基本を理解し、論理的な日本語力を身に付けるためのバロメーターとして、卒業までに段階的に取得することを目指しています。三冠を取るための努力と、身に付いた実力は「社会に出てから、海外の優れた人材や、理系出身者と対話しながら第一線で仕事をしていくときに、必ずや大きな自信となるはず」と永野教授は強調します。

この三冠を歴代で初めて3年次に達成したのが茂木彩佳さん(4年)。「目の前にある日々の課題にとりあえず、ついていった結果です」と微笑みながら謙虚に答えますが、日々の課題の中身は実に濃厚です。永野ゼミでは通常の授業(90分)のほかに、学生だけが集まってサブゼミも実施。サブゼミでは、個々が毎日取り組む(1)英字新聞一面の読解と単語の記憶(1週間分)、(2)日本経済新聞の「きょうのことば」(1週間分)の暗記、(3)NHKの実践ビジネス英語の全スキット暗誦、(4)米国の公共放送のシャドーイングなどの復習を、上級生が下級生をサポートしつつ、時に励ましながら進めています。

このほかに通常授業では、前述した専門文献などの要約や英語テキストの日本語訳があるわけです。まさに、毎日がトレーニング。“熱いうちに叩かれて”、ゼミ生たちは意識を高めます。「2年次には『次々に課題が降ってくる』と受け身でしたが目標ができて前向きになりました」と話す藤沼豊さん(3年)はエアラインパイロットを目指しています。

勉強だけではありません。例えば、就職が内定した4年生の課題であるカラオケ。日本の歌だけでなく、英語やアジア言語をも振り付きで計50曲を完全暗記して熱唱できるようにすることを目指します。いわばスポーツ感覚で、何事にも真摯に取り組むのが永野ゼミの特徴です。