ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

夢追うものは夢をもつかむ!自己開発力で夢を現実に(法学部 後藤一美教授ゼミ)

  • 2008年06月20日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

教室は発表の場、溜めと栄養は教室以外の場で

ゼミ中のディスカッション風景。「意見は1分以内で端的に」「ポイントは3つに絞って」など、先生の厳しい要求に応えながら、学生たちは活発に発言していく。

ゼミ中のディスカッション風景。「意見は1分以内で端的に」「ポイントは3つに絞って」など、先生の厳しい要求に応えながら、学生たちは活発に発言していく。

国際開発協力を専門とする後藤一美教授ゼミの授業は、プレゼンテーションとディスカッションが中心。取材日は、ウガンダの開発援助がテーマ。それも、事前の予告なしに与えられたテーマ。起業家になったつもりで、自分が現地の村で何をしたいのか発表した上で実情を記録したビデオを見て、チームごとの戦略と計画を練り直すというもの。何の準備もしていないはずなのに、学生たちに怯む様子はみえない。「要点を1分で」「英語でやれ」「アフリカに行った君はスワヒリ語で」などの先生の指示に話者が即座に応えると、周囲の学生も負けじと応酬。教室は次第にヒートアップ。

ゼミは発表という真剣勝負の場。文献講読などの学習は各自ゼミ以外の時間でやれというのが後藤ゼミのルール。「開発や援助について教えてもらえると思って入ったのに、びっくり」「先輩についていくのは厳しい。レベルが違いすぎる」と、入ゼミ半年の2年生。「それは誰もが通ってきた道。私も最初は、先輩が雲上人みたいに見えた」と3年生。

ゼミ中のディスカッション風景。

ゼミ中のディスカッション風景。

そうしたゼミ生を大きく成長させるのが、学生自主企画の夏季海外研修旅行。「かわいい子には旅をさせよ」という指導方針のもと、指導教授に引率されることなく、現地の援助プロジェクト視察や国際機関訪問などを学生自身で企画・実施する。帰国後編さんした『海外研修旅行エッセイ集』をお世話になった関係機関に配布。また、年度末には、4年生の卒業論文も収録した『国際開発協力論集』を刊行。ゼミ在籍2年間で計4冊のアウトプットを目に見える形で生み出す。

後藤教授とゼミ生たち

後藤教授とゼミ生たち

こうした精力的なゼミ活動を支える強力なツールが、Eメールでの「バーチャル・セミナー」。ここでは、現役生のみならず、実社会で活躍するOB・OGも、全員公開で参加。課題提示(本年度は5月末ですでに100個)はいうまでもなく、恋愛・失恋報告や就活アドバイスなども含め、24時間・365日メールが乱れ飛ぶ。これに加えて、OB・OG会、クリスマスパーティー、ゼミ合宿、他大学交流などのイベントで、1年間のゼミ活動は怒濤の寄り身のごとく展開される。

長年、国際協力の第一線で活躍してきた後藤教授曰く「夢実現のために、自己開発力を持て」と。自己開発力とは、自分が伸びる資質を自分で伸ばしていく力。「これなしに他人を助けたいなどとほざくな」というのが先生の持論。『夢追うものは夢をもつかむ!』。これが、後藤ゼミの掲げるモットー。ある3年生は「思いやる心と冷静な頭脳に加えて、実践的ツールを教えてくれるゼミです」と自己紹介してくれました。

(雑誌「法政」2008年6月号より)