2008.05.19
ネット社会で自己表現する
大嶋教授ゼミでは、ネットワークが発達し、情報(IT)化、マルチメディア化が急速に進む現代社会における、自己表現方法を大きなテーマに掲げています。さまざまな観点から“文化情報学”の研究に取り組んでいる国際文化学部のなかでも特に情報学の立場からネット社会の文化を研究しています。
情報知識・技術のみならず、メディア作品(画像、音楽、CG、Webなど)を作成するのが大嶋ゼミの特徴。
音楽や写真に造詣の深い大嶋教授の下、クリエーター志向のゼミ生たちも少なくありません。「Webデザインに興味がある」と話す伊藤直樹さん(4年)も一眼レフのカメラを持ち歩く意欲派です。4月からゼミに入った田鍋理枝さん(3年)は「画像、動画、ネットワークなど学びたいことがいっぱいです」、小村泰貴さん(3年)も「まずはゼミのホームページ作りに携わりたい」とゼミ活動に興味津々です。ゼミ生たちは研究室のさまざまなプロジェクト運営に関わりつつ、個人でもそれぞれ作品制作(表現作品のみならずプログラムなども含む)やゼミ論文に取り組んでゆきます。
個々のテーマを考えるのも学生自身。「頭でっかちで手が動かない人間は世の中で通用しない。コンピュータやネットワークは文化の道具。これらを創造的に使いこなして欲しい。手探りで学んでいくやり方は、必ずしも効率的ではありませんが、試行錯誤しながらゼミで流した汗は、将来必ず役に立つ。」と大嶋教授。
この日の授業では、キャンパスネットワークや研究室サーバーの詳細な説明など実習の手ほどきを受ける一方で、デザイン論の講義では、タイポグラフィを学びました。長い歴史がある書籍など紙媒体のデザインと違って、Webデザインは日々、進化中。フォントの形や大きさ、組み合わせで、イメージもがらりと変わります。テンポよく分かりやすい大嶋教授の講義に、学生たちは真剣な表情でメモを取っていました。
ゼミ生たちは講演会の裏方として活躍しました
大嶋教授は、講義の中で「ゼミはチーム」とよく口にします。近年、ネット環境などが整備され、かつてと比べ興味を抱いたこともある程度独学で学べる環境にはなっていますが、「互いに高め競いあう気迫を持ちつつも、補い合って協力するゼミ活動で学ぶことは大きい」と考えるからです。ゼミではあえて、ゼミ長は決めてはいません。年間のさまざまな活動の中で、誰もが何らかのリーダー役を務めるのです。「気さくな先生の下、皆で話し合いながらゼミを運営しています」と杉山竜太さん(4年)は胸を張ります。
個別指導を受けながらマンツーマンで進めるテーマ研究を別にしても、ゼミの年間スケジュールは情報・メディア関係の輪講、グループ単位の実習、学会への参加、年2回の合宿など盛りだくさんです。また英語の研究書や、Web関連の技術文書を読み込む英語力も実践で磨きます。
「卒業して社会に出て行く時に、情報と語学力を武器に、チャンスをものにしてほしい」と大嶋教授。Proactive(先を見越し能動的)なゼミ活動によって、ビジネスシーンで積極的に活躍できる知的基礎体力と柔軟性を身につけてくれることを願っています。
ゼミの卒業生には、大手企業でブルーレイディスク(BD)の編集を担当していたり、映像配給の仕事をしている先輩もいます。そんなつながりから、大嶋ゼミが中心となって5月9日に市ケ谷キャンパス内で新作ドキュメンタリー映画「サルサとチャンプルー」(制作・監督 波多野哲朗)の試写・講演会を行いました。会場設営から、上映作業、講演会の運営までゼミ生たちが大活躍しました。