ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

Discuss(議論しよう!)(経済学部 永岡文庸ゼミ)

  • 2007年12月17日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

「教育は共育」

永岡ゼミでは企業を中心に「経営」や組織に関わる事象を幅広く学んでいます。産業界を幅広く取材してきた日本経済新聞の論説委員兼編集委員を経て、教育界に転じた永岡教授は現場主義がモットー。ゼミでは、通常の授業でテキスト講読やグループ・個人発表などを行う一方、日本銀行や東京証券取引所などの見学、企業の工場訪問などを頻繁に実施しています。また、先生の幅広い人脈を通じ、経済紙や全国紙の記者、官庁・企業の一線で活躍する方たちを招き随時、講演をしていただいています。

「変容し続ける社会に対し、常に問題意識を持ってもらいたい」と永岡教授。多様な現場を見て、そこで働き、生きている人たちと話し合うことで、社会性を自覚し、社会に貢献していく意識を培うのがゼミのひとつの目的です。そんな行動的なゼミの運営を支えるのが学生の自主性。ゼミを引っ張るゼミ長の植松弘太さん(3年)は「『教育』とは仲間と共に育っていく『共育』ではないかと思っています。特に後輩は可愛くて仕方がない」と話します。永岡教授も「最初は受け身の学生もいますが、ゼミの活動、ケーススタディを通じて、ぐんと実力が伸びて、どんどん積極的になっていくのがうれしい」と頬を緩めます。

今年9月のゼミ旅行では、青森の原発施設やプルサーマル施設、火力発電所などを視察しました。「宿では大プレゼンテーション大会を行いました」と永田好伸さん(2年)。各人が事前に下調べ、まとめていったレジュメを発表、討論しました。特に2年生は『環境』や『新エネルギー』を個別テーマに掲げている学生が多く、視察した印象や、改めて感じたことなどを交え、夜遅くまで賛否両論を戦わせました。

  • ゼミ旅行で記念撮影
  • 意見が飛び交うゼミ授業

論理的に考え、意見を言い合う

ディベートの立論発表の様子

ディベートの立論発表の様子

永岡ゼミの07年度の標語は「Discuss」(議論しよう!)。学習の場であるゼミ活動においては、「『沈黙は金』ではない」と、臆せず意見を言う意義を込めています。ゼミ生同士仲が良く、コミュニケーションがしっかり取れているため思ったことを言い合える雰囲気です。

11月には、経済学部の8ゼミが参加したインナーディベート大会にも参加しました。学生の自主的な団体である「ゼミナール連合(準備会)」が主催した初開催の大会です。ゼミ代表として1回戦に臨んだのは内田裕太さん(3年)、大辻祥さん、長谷川元さん、福永美穂さん(2年)。仲間たちが見守る中、『ワーキングプアは怠惰である』とのテーマで、抽選で決まった「否定側」(怠惰ではない)に立ち、宮崎憲治教授ゼミと対戦しました。

「事前に集まってずいぶん練習しました」と福永さん。調べ上げたデータの裏づけと分析、役割分担したチームワークで、相手の論述に的確に反論し、見事勝利しました。ただし大切なのは勝負ではなく論理的に考え討論すること。“ノーサイド”後にしっかり握手する両チームの姿が印象的でした。

一見強面な永岡教授ですが、「実はとても優しい先生です。企業の話など、とても勉強になります」と竹部直一郎さん(3年)。就職活動のシーズンなどには産業記者の経験を生かした、さまざまな観点からの企業の見極め方の話などでゼミが盛り上がるそうです。ゼミ生たちは夏休みなどのインターンシップ(任意参加)にも積極的にチャレンジしています。