ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

海外合宿(社会学部 相田利雄ゼミ)

  • 2007年09月20日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

本音をぶつけ合える信頼感

相田ゼミは、テーマや年間計画、課題などをゼミ生が自主的に決め、運営しています。前期のテーマは「国際化の中のアジア経済」。使用するテキストはゼミ生が討論して決めました。

ゼミ授業の流れは「経済の現状学習」(毎回テーマを決めて発表・討論)―「テーマ学習」(アジア各国の経済、社会問題などグループ発表)―「ディスカッション」(特定のテーマについて班ごとに意見集約・発表)。“発表”と“討論”が盛り込まれています。時に議論は白熱しますが、この“熱さ”も本音をぶつけ合える仲間同士の信頼あってこそ。「相田ゼミは2、3年生が一緒に学びます。かけがえのない仲間と互いに高めあう雰囲気は代々の伝統」と前ゼミ長の光村芳仁さん(3年)。

この日(7月)の「テーマ学習」の対象国は、海外合宿の渡航先のベトナムでした。ベトナム戦争を中心に歴史を概観し、ドイモイ(I・II)政策と、同政策による経済・工業改革についてグループ発表が行われました。

発表を穏やかな面持ちで聞いていた相田教授が、一転厳しくなったのは、ゼミ生の誤った認識や、偏った文献引用を指摘したときです。「あいまいさを正し、学生の潜在能力を引き出すのが私の役目」と強調します。授業後の「アフター・セブン」で、またまた「大討論」
ドイモイによる農業改革のまとめを担当した平川佳奈子さん(3年)は「都市と格差があるというベトナムの農村を自分の目で見たうえで考察したい」と夏合宿に思いをはせました。

  • 熱のこもったディスカッション(中央後方が相田教授)
  • グループ発表の様子

事前学習と実地体験が成長を導く

海外合宿で記念撮影

海外合宿で記念撮影

相田教授の専門は「中小企業論」「アジアと日本産業」「産業構造・政策論」「労働関係論」。経営者や労働者に密着した現場からの意見を取り込み、また温かい人柄がゼミ生たちを魅きつけます。高校時代にカナダに留学していた渡辺大洋さん(2年)は「多くの教養をつけられるのがゼミの魅力。勉強以外にもさまざまな交流があります」と話します。

ゼミOB・OGも700人余を数え、社会で活躍している先輩がゼミを訪れ交流を図ったり、学内で講演してくださることも。カラオケ好きでマイクを離さないという快活な相田教授を中心とした輪は世代を越えています。

ベトナム・カンボジアへの夏合宿は9月初旬から11泊12日の日程で実施。経済成長著しく、世界貿易機関(WTO)に近年加盟し、さらなる工業化を進めているベトナムの工場や農村の見学、現地学生との交流などを行いました。

「自分の目、耳、口で体験できました。また(合宿で)異なった価値を感じた仲間と語り合い、それを共有し、新たな価値も見いだせました」と合宿係を務めた川上詩織さん(3年)。

見識を深めるだけでなく、海外合宿はゼミ生たちの絆を深めるものでした。毎夜遅くまで語り合い、前ゼミ長から新ゼミ長への恒例の引継ぎ式も行われました。知識と経験、そして信頼が学生を成長させます。