法政フォトジャーナル(2019年度)

ダイバーシティ推進シンポジウム「アンコンシャスバイアスとダイバーシティ・マネジメント」を開催しました

  • 2019年11月12日
法政フォトジャーナル(2019年度)

法政大学では、2016年に発表した「ダイバーシティ宣言」により、多様な学生・教職員を受け入れ、それぞれの個性的な成長と活躍の機会を保障するための取組を進めています。過去のダイバーシティシンポジウムでは「働き方改革~イクボスのすすめ」「LGBT/SOGIへの対応」「多様な方々と向き合うためのマインドとアクション=ユニバーサルマナー」について取り上げてきました。今回は「Think Out of the Box Thinking – アンコンシャスバイアスとダイバーシティ・マネジメント」と題し、UBSグループ・エグゼクティブディレクターの堀久美子氏を講師にお招きしました。

開会のあいさつで田中優子総長より「ダイバーシティ宣言で書かれている言葉は易しいが、実際の行動や心がけをどうすればよいかという問題はとても難しい。私たちは自分と向き合い、ただしていくためにも常に学び続けなければならない」とのメッセージをいただきました。

引き続き、堀氏の講演では、「無意識のバイアス」はどのように生じるのか、また、個々人がこうしたバイアスに気づき、より多様性を内包した豊かな組織へ成長していくにはどのようにしたらよいかを、様々なワークを交えて参加者とともに考えました。

まず「心地よい自身の箱の中から抜け出して、考えてみましょう」として、私たちの日常生活の中で起こり得る、無意識バイアスから生じる様々な事象について、豊富な気づきの事例が提示されました。堀氏からは「バイアスは誰にでもいつでも起こりうるものですが、お客様との関係や人事など仕事上の判断に重要な影響を及ぼしうるといわれています。無意識バイアスによる弊害を減らすためには、自身もバイアスによる判断をしうることを受け止め、フェアでインクルーシブな環境を創造していくことが重要です」とのお話をいただきました。また、「同じような人のチームと多様な人がいるチームでは、最初は前者のグループのパフォーマンスが高いかもしれないが、様々な人の能力が最大限生かしていけるチームが、時間がかかるかもしれないが、長期的には強いチームとなる。共創するチーム・組織を作っていくことが重要である」と結んでいただきました。

講演後、遠隔会議システムで繋がれた本学の3キャンパスや付属校の教職員から「女性に危険な作業や重労働をさせない、という考え方は無意識なバイアスといえるか」「多様な条件を抱える方々との日程調整や会議の進め方で良い方法はあるか」といったことについての質問や課題提起があり、堀氏と参加者との間で活発な意見交換が行われました。

今回のシンポジウムを通じて、私たちはまず「自らの中に無意識バイアスがありうることを自覚する」そして「インクルーシブな環境のための5つのステップ」を学びました。バイアスを否定するのではなく、むしろ向き合いながら、多様性を弱みから強みに活かしたよりよい組織・社会の創造に向けて、これからも学びを続けていきたいと思います。

今後も本学ではダイバーシティの推進に向け、組織における多様性のあり方について理解を深めるためのシンポジウムや教職員に向けた研修などに取り組んでいく予定です。

田中総長による開会挨拶

田中総長による開会挨拶

「無意識バイアス」について講演された堀久美子氏

「無意識バイアス」について講演された堀久美子氏

講演を熱心に聞き入る参加者

講演を熱心に聞き入る参加者

「無意識バイアス」を巡り,講演者と参加者の間で活発な意見交換が行われた

「無意識バイアス」を巡り,講演者と参加者の間で活発な意見交換が行われた