法政フォトジャーナル(2019年度)

【市ケ谷】 法政大学市ケ谷ボランティアセンターはユニバーサルマナー ~多様性の時代に~ を6月10日に実施し、7名の学生が参加しました

  • 2019年07月05日
法政フォトジャーナル(2019年度)

ユニバーサルマナーとは環境(ハード)ではなく、障がいがある方々に対してのこころづかい(ソフト)に焦点を置いたものです。今回は株式会社 ミライロからお越し頂いた田中 理子氏を講師に迎えました。
初めは講義形式で進み、途中から障がいがある方々はどのように社会を感じているのか、ということをワークショップ形式で体験しました。

まずユニバーサルマナーについての概要や心づかいについての具体的な内容を学びました。身近な例では、プレゼンテーションなどで背景を黒にして、文字を白くすることがあるそうなのですが、これは弱視の方への配慮であるそうです。またこの機能がスマホにも搭載されていることを知り、みんな驚きました。

次に実際に障がいがある方々の社会の感じ方を体験しました。
最初は2人ペアになり、1人がモニターに背を向けて、もう1人がモニターに映し出された文字を言葉に出さず、ジェスチャーのみで書かれている内容をもう一方に伝えるゲームです。これは聴覚に障がいがある方たちと同じ状況です。なかなか難しく、伝わらずに誤解を招いたりしていました。
今度はペアの逆の人間が後ろを向き、もう一方がモニター上の絵の内容を伝えます。最終的に後ろを見ていた人が絵と自分が想像していたものがどれぐらい合致しているか、というもので、視覚に障がいがある方と同じ状況です。どちらのゲームも伝えるのがとても難しく、「えーっ!全然違うじゃん!」「分かんないよー」といった声もありました。

最後に田中氏が、同僚の車いすの方に最近あった嬉しかったことについてお話しして下さいました。
ある日その人はラーメン屋を訪れたそうですが、その店は狭くまたカウンター席しかなく、背もたれつきの椅子がなかったそうです。諦めて帰ろうとすると、その店の大将が子供用の椅子を持ってきてくれ、「ここに座りなよ」と言ってくれたそうです。その人はその心づかいがとても嬉しかったそうです。「ハードではなく、ハートが大事だ」と仰っていました。それを聞き自分も少しの優しさがその人にとって大きな喜びに代わるのだと思いました。

ユニバーサルマナーは最初聞きなれない言葉でしたが、実際は私たちの身近に深く関わっていることが学べました。そして今回学び、体験したことが少しでもさまざまな方のお役に立てたらいいなと思いました。

                               法学部法律学科1年 清宮 幹太

[参加者の感想]

「“ハード”は変えられなくても、“ハート”は変えられる」正にこの言葉に尽きると思います。接する方法を知れば今この帰りからでも実践することは可能です。様々な事例や発想の転換など、気づきが多かったのは今日参加して良かったと思いました。当たり前に“普通”を過ごしている生活の中に困っている方がいるというのはすごく悲しいことですので、見かけたら声を掛けるという行動を大事ですが、何ができるか日頃から考えることもこれからしていきたいと感じました。貴重なお時間をありがとうございました。

文学部英文学科4年 小野 未来

 

「障がいは人にあるのではなく、環境にある」という概念を忘れないようにしたいです。「障がい者」という言葉があるとつい「人」にあると考えてしまいます。でも実際はそうではない。周りの物、人、つまり環境にあるのだということをもっと自覚しないといけないと思いました。人には五感があります。目が見えなくても耳が聞こえたり、物に触れられたりできます。必ずコミュニケーションはできます。身近で、目が不自由な方が電車に乗ってきたとき、座席に案内するなど、自分ができることをできる範囲で考え、行動できたらと思います。「ユニバーサルマナー」大切にしたいです。

法学部政治学科2年 髙橋 克典

 

思いの外、国際支援の考え方と通ずる点が多かったです。世界の見方が違うという点が一番の共通点でした。ユニバーサルマナーは、ユニバーサルデザインと同様に、すべての人が対象で、バリアがない人に対してユニバーサルマナーをもって接しても良いのかなと思いました。「違いより、同じを見つけるほうが難しい」という言葉は響きました。ありがとうございました。

法学部国際政治学科1年 高柳 茉佑

講師の田中氏のお話を聞く

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聴覚障がいの方に文章を伝える疑似体験

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視覚障がいの方に絵の内容を説明する疑似体験

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他人と違う部分を探し出すワーク

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