法政フォトジャーナル(2019年度)

〈インクルーシブデザインワークショップ〉を実施しました(5/17)

  • 2019年05月29日
法政フォトジャーナル(2019年度)

東京2020応援プログラム「インクルーシブデザインワークショップ体験会」を5月17日(金)に市ケ谷ボランティアセンターで実施し、17名の学生が参加しました。

体験会では、冒頭に講師である株式会社インクルーシブデザイン・ソリューションズ 高山希氏から、インクルーシブデザインの概要の説明があり、そのあとに身近なインクルーシブデザインとして、日頃私たちが何気なく使用しているストローやZippoライター、リンスとシャンプーを見分けるためのボトルについている凹凸などが紹介され、学生たちは興味深く講義を聞いていました。
講義が終わると2人1組になりワークショップを行いました。1つ目のワークは財布を利用する際の感情をグラフ化するというワークです。普段何気なく使用している財布ですが細かく分析すると「ポイントカードが多すぎて見つからない」、「小銭が財布から落ちやすい」「いらないレシートで財布が膨らむ」等小さな不便や不快感が見られることが分かり健常者でも潜在的には今使われているモノに不便さを感じていること、その不便さが新たなニーズを生むことをワークを通して理解しました。

2つ目のワークは1人が盲目、片方の手が使えないなどのハンデを抱えている役をし、絆創膏を袋からとりだしケガしている部位に張る。もう一方の学生は、この一連の動作観察、不便だと思われる点を附箋に記録するワークを行いました。学生はいろいろなハンデの中で試行錯誤しながら絆創膏を張っていました。一方で記録する学生も熱心に一つ一つの動作を丁寧に記録し絆創膏の問題点を洗い出していました。今回の体験会を通して学生は普段の生活では気づかない視点、考え方を体験できたのではないかと思います。

今後も市ケ谷ボランティアセンターではこのように学生にとって学びがあるワークショップを実施していきます。

【参加学生の感想】

自分が生活の中で使っているものが身体的条件が少し違うと見え方も違うことを学びました。その上でどのように改良することが出来るかと考えることで既存の道具の使い方を見直したり新しい使い方や製品のアプローチについて考えることができました。
チームワークで他者の考え方も聞けてディスカッションできる形態で、相手の自分にはないアイデアをとても参考になりました。

経営学部経営学科3年 宇野 葉美

健常者である自分では今まで考えたことのないようなことがたくさんあった。今まで多くのことを見逃していたことがわかって、これからの日常も注意深く観察してみようと思えたいい機会となった。

文学部史学科2年 坪井 雄大

インクルーシブデザインというものがリードユーザーと共にデザインを進めるものだと知っていましたが、どのようなものがインクルーシブデザインなのかが分かっていなかったので、色々な例が知れて良かったです。Zippoのライターが昔からあるインクルーシブデザインなのに驚きました。財布のデザインでペアの方が「触覚で財布を知覚できるようにする」と言っていてなるほど、と思ったので、他の人とのアイデア共有が面白く、今後もこのような機会があれば参加したいです。

人間環境学部人間環境学科2年 東井 美奈

講師からインクルーシブデザインについて聞く

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リードユーザーを設定して相手の問題点を探す

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相手の不自由な点から商品開発にチャレンジ

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両手が使えない設定で絆創膏を使う

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