法政フォトジャーナル(2018年度)

ダイバーシティ推進シンポジウム「人材の多様性に大学はどう対応すべきか」を全学教職員向けに開催

  • 2018年10月23日
法政フォトジャーナル(2018年度)

法政大学では、ダイバーシティの推進を目指して、様々な取り組みを進めています。10月16日(火)には本学教職員を対象として大学の各キャンパス・付属校を遠隔会議システムで繋ぎ、教職員の理解と実践を深めるためのシンポジウム「人材の多様性に大学はどう対応すべきか~ユニバーサルマナーという考え方~」を開催。当日は100名を超えるの教職員が参加しました。

本学が2016年4月に制定した「法政大学憲章」では、本学が「多様な視点と先見性」を重視することを明示し、同年6月の「ダイバーシティ宣言」により、多様な学生・教職員を受け入れ、それぞれの個性的な成長と活躍の機会を保障するための取組を進めることを宣言しました。翌2017年には本学の長期ビジョン「HOSEI2030」アクションプランの一つとしてダイバーシティ宣言の理念を明確化させ学内外へ広く発信するため、学内にダイバーシティ推進委員会を設置し、ダイバーシティ推進にあたっての各部局の課題を抽出し、教職員の働き方改革や障がい学生支援、学生のLGBTなどに関連する事項への対応を推進しています。

今回のシンポジウムは、高齢者や障がい者、外国人など多様な方々と関わっていく際に必要となる「多様な方々と向き合うためのマインドとアクション=ユニバーサルマナー」をテーマに、本学の様々な取り組みの紹介と、外部講師による講演が行われました。
開会のあいさつで田中優子総長は「多様性は『なくすもの』ではなく『多様化していく』もの」と述べ、「ユニバーサルマナーはこれからも社会の中で増えていくものであり、教職員が意識改革しなければならない」と教職員に訴えました。
まず、横内正雄市ヶ谷学生相談・支援室長(経営学部教授)から、本学の障がい学生支援について本学学生相談・支援室の設置経緯や障がいをもつ受験生・在学生に対する支援の概要、また支援体制の強化やバリアフリー化の推進など、今後の課題について解説がありました。
続いて、本学職員の杉田治夫氏(おれんじ・ふぉれすと株式会社出向)から、本学の障がい者雇用の状況と特例子会社「おれんじ・ふぉれすと株式会社」による多摩キャンパスの環境整備事業を中心とした取り組みを紹介しました。
シンポジウムの後半は株式会社ミライロの薄葉幸恵氏による「ユニバーサルマナー」についての講演が行われました。薄葉氏ご自身も聴覚に障がいを持つ当事者講師として、高齢者や障がい者、外国人など多様な方々と向き合うために必要なマインドとアクションについて、ペアワークを行いながらレクチャーしていただきました。
講演終了後には、遠隔会議システムで繋がれた本学の3キャンパスや付属校の教職員から「障がいをもつ学生が気軽に事務窓口へ相談に来てもらうためにはどうしたらよいか」「(付属校の)中学生に『ユニバーサルマナー』について関心を持ってもらうためにはどのような工夫が必要か」「教職員が知識を持つことと同時に、学生・生徒への教育の必要性を感じる」などの声が聞かれました。

今後も本学ではダイバーシティの推進に向け、人材の多様性に対して理解を深めるためのシンポジウム、教職員に向けた研修などに取り組んでいく予定です。

シンポジウムは田中総長も積極的に参加した

シンポジウムは田中総長も積極的に参加した

本学の障がい学生支援について講演を行った横内学生相談・支援室長

本学の障がい学生支援について講演を行った横内学生相談・支援室長

障がい者雇用と特例子会社の取り組みを紹介したおれんじ・ふぉれすと㈱杉田氏

障がい者雇用と特例子会社の取り組みを紹介したおれんじ・ふぉれすと㈱杉田氏

「ユニバーサルマナー」について講演を行った㈱ミライロの薄葉氏

「ユニバーサルマナー」について講演を行った㈱ミライロの薄葉氏

体験ペアワーク「音声なしで意思の疎通をしてみよう」の様子

体験ペアワーク「音声なしで意思の疎通をしてみよう」の様子

聴覚障がい学生をサポートしているノートテイカー学生が薄葉氏の質疑応答を支援した

聴覚障がい学生をサポートしているノートテイカー学生が薄葉氏の質疑応答を支援した