法政フォトジャーナル(2018年度)

電通育英会助成事業~東京2020応援プログラム~「東北被災地ボランティアツアー」を実施しました

  • 2018年10月01日
法政フォトジャーナル(2018年度)

8月20日(火)~8月27日(月)、ボランティアセンターでは、岩手県遠野市を拠点にし、陸前高田市、大槌町、釜石市で通算34~37次隊となる「東北被災地ボランティアツアー」を実施し、総勢36名の学生が参加しました。

このプログラムは、ボランティア活動を通してメディアでは伝えきれていない被災地の現状や、少子高齢化などの地方自治体が抱える問題を学生たちに体感してもらい、今後の復興支援の在り方や、地方自治体の活性化やについて考えるきっかけを提供すること目的に実施しています。
現地では、認定NPO法人遠野山里暮らしネットワークのコーディネートの下、公営住宅での岩手弁かるた大会やボッチャ体験会、薪割り、避難道の整備、幼稚園やネギ畑の草むしりなどの様々なボランティア活動を実施するとともに、奇跡の一本松などの震災遺構の見学会を実施しました。

また、本プログラムはボランティアセンター学生スッタフであるチーム・オレンジが中心となり、参加者のためにボランティアの内容や注意事項について説明する事前研修会を実施し、帰着後にはこのプログラムで得られた成果を各々が発表する報告会を実施しました。また、彼らは、法政大学の被災地支援の取り組みをまとめた「チーオレ新聞」を作成し、ボランティアの先に配布したり、現地NPO法人とミーティングを重ね交流会やボランティアの内容を検討したりするなどして、大学の被災地支援の取り組みの活性化に大きく貢献してくれました。

今後もボランティアセンターでは学生と協働し被災地支援を実施していきます。

[企画学生の感想]

2011年3月11日当日とその後のことは今でも鮮明に覚えています。私は当時、卒業式を1週間前に控えた小学6年生でした。子供ながらに、何か大きな事が起こっているのはわかりましたし、テレビで見た津波の様子は底知れない恐怖を私に与えました。更に、帰ってきた父の様子が衝撃的でした。福島県会津若松市出身の父が、テレビの震災と津波の映像を見て泣いていたのです。それから私には、東北のために何かしなければという一種の使命感のようなものが生まれ、機会があれば東北支援の活動をしたいと考えました。しかし、中学生・高校生の6年間は機会に恵まれず、法政大への指定校推薦が決まった時、やっとそのチャンスを得ました。大学資料の中に、チーム・オレンジ取り組みが載っており、絶対に入って活動し、現地に行ってボランティア活動をしようと決めました。

このボランティアを通して学べたのは、被災地には、日本で起こっている問題が詰まっているということです。災害により更に進んだ少子高齢化、止まらない人口流出、産業の衰退とそれに伴う低賃金での生活環境など、これからの社会を見据え、考えていく上での実地勉強になりえます。また、交流会で震災や津波について学ぶと共に、初対面の参加者と話をし、協力し合うことで、コミュニケーション能力を高めることもできました。

今後もこのボランティアを続けていく上で、大切なことは主に2つあると考えます。1つは、復興の現状を学生に実際に見てもらうことで、メディアでは伝えられない事を知ってもらい、震災や復興のイメージを変えることです。2つ目は、学生は無力なようで、しかし持っている影響力は大きいということです。震災から7年経ち、東北ボランティアをする団体は減りつつあります。その現状において、「心の復興」や「コミュニティの形成」という現地の課題に対して、大学生は大きく貢献できるのです。

震災を知ってほしい・一緒にお話しをしたいという現地のニーズと、現地の現状を知りたい・現地の人とお話しをしたいという学生のニーズをつなげることをこれからも取り組んで行きたいです。

仮設住宅で岩田弁かるた大会

仮設住宅で岩田弁かるた大会

避難道を整備するため竹を運ぶ学生

避難道を整備するため竹を運ぶ学生

被災当時のお話を語り部さんから聞く学生

被災当時のお話を語り部さんから聞く学生

公営住宅でのボッチャ体験会

公営住宅でのボッチャ体験会

公営住宅の方々と集合写真

公営住宅の方々と集合写真

宿舎で一日の活動を振り返り

宿舎で一日の活動を振り返り