法政フォトジャーナル(2012年度)

教職課程センター開設記念シンポジウムを開催。

  • 2012年08月07日
法政フォトジャーナル(2012年度)

法政大学教職課程センターの開設記念シンポジウムが7月21日、市ケ谷キャンパスの薩埵ホールで開催されました。「現代の教師に求められるもの-私立大学における教員養成を考える」をテーマに、同センター長の尾木直樹教授、朝日新聞編集委員の氏岡真弓氏が講演。全国から集まった400名以上の参加者はメモをとるなどして、熱心に耳を傾けていました。

講演で尾木教授は、「日本の教師には余裕やゆとりがあまりない」として、教師を取り巻く厳しい現実に言及。「教師が子どもの心を理解したりいじめを見抜いたりするためには、日頃の信頼関係の構築が非常に大事」としたうえで、教育予算の増加や教員・学校評価制度の転換のほか、教師の教育実践の自由度の向上や、生徒と保護者の学校運営への参画の促進の大切さを訴えました。

氏岡氏は、自身が取材してきた教師の話を交えながら、教師が置かれている現状を紹介しました。学校現場で若手とベテラン、正規と非正規の教師の間で断層が生まれていることを指摘し、「断層を生むものは、やりがいという名の多忙」と強調。その一方で、全国で断層を埋める動きが教員の間で広まりつつある事例に触れ、「学校は『希望』であってほしい。卒業後もずっと教え子を励まし続ける、それが教師という仕事の、人を惹きつけてやまないゆえん。教師にはそれを忘れないでほしい」と力を込めて話していました。

講演後に行われた討論には、尾木教授と氏岡氏のほか、本学キャリアデザイン学部の佐貫浩教授、生命科学部の左巻健男教授、社会学部の平塚眞樹教授が参加。本学における教員養成の実践報告と教員養成をめぐる私立大学の役割について、活発な議論が交わされました。

同センターは今年4月、本学の教員養成体制の充実を目的に開設されました。市ケ谷キャンパスに教職課程センター、多摩と小金井の各キャンパスには同センター相談室を設置。学生の学習支援や進路相談のほか、教員採用試験対策講座(模擬面接や論文指導など)などにも力を入れています。

ユーモアを交えつつ熱く語る尾木教授

ユーモアを交えつつ熱く語る尾木教授

「学校に希望を探す取材をしていきたい」と言葉に力を込める氏岡氏

「学校に希望を探す取材をしていきたい」と言葉に力を込める氏岡氏

活発な議論を交わす本学教授陣と氏岡氏

活発な議論を交わす本学教授陣と氏岡氏

真剣な眼差しで講演に聴き入る参加者の方々

真剣な眼差しで講演に聴き入る参加者の方々