法政フォトジャーナル(2010年度)

第15回講演会「イノベーションの地域偏在性 ―産業クラスターとオープンイノベーション―」を開催【イノベーション・マネジメント研究センター】

  • 2010年12月28日
法政フォトジャーナル(2010年度)

イノベーション・マネジメント研究センターでは、12月9日(木)に、市ケ谷キャンパスのボアソナード・タワー25階イノベーション・マネジメント研究センターセミナー室で、第15回講演会「イノベーションの地域偏在性 ―産業クラスターとオープンイノベーション―」を開催し、受講者40名を含め、講師・関係者など計43名が参加しました。

イノベーションは、いかにして惹き起こされるのか。この問題について、社会科学は驚くほど少数の知見しか持ち合わせていません。技術の組み合わせによってイノベーションが生まれる場合があること、大企業による巨額の研究開発投資によって組織的・計画的に惹き起こされる場合があること、研究開発投資が成功した商品になるプロセスではユーザーからの情報や要望が重要であること、大企業とは異なって、ベンチャー企業によって市場の空隙を埋めるような商品・サービスが提供されて普遍化する場合があること、ベンチャー企業を立ち上げる企業家は群生する傾向があること、社会制度や組織の制度化の変化がイノベーションと時間的な同時性を持つこと、こうした知見が20世紀の100年間を通じて積み上げられてきました。科学技術の目覚しい発展に比較すれば、社会科学の知見は、乏しく、矛盾し、実践的なガイドラインとしての機能に乏しいと言えます。

本講演では、コメンテーターの洞口治夫教授(経営学部)の司会のもと、講師の吉川智教氏(早稲田大学ビジネススクール、経営専門職大学院 (MOT)、早稲田大学大学院商学研究科教授)が、従来の知見に加えて、「地域偏在性」という視点からの社会科学的分析の可能性について講演され、質疑応答では参加者と活発な議論が交わされました。

  • 吉川智教氏
  • 洞口治夫教授
  • 講演の様子
  • 質疑応答