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1986年以来全世界で発見例なし 沖縄の生物多様性解明に繫がる成果
フランスで発見された新種ダニを約30年ぶりに沖縄で再発見

2018年03月29日

ダイダイカタツムリダニ

ダイダイカタツムリダニ

1986年にフランスで発見されて以来、全世界で発見記録がなかった新種のダニ「ダイダイカタツムリダニ」が沖縄に生息していたことが、島野 智之(法政大学国際文化学部・自然科学センター教授)、脇 司(目黒寄生虫館研究員)、浅見 崇比呂(信州大学教授)、佐々木健志(琉球大学博物館学芸員)の研究チームによる調査で明らかとなりました。

ダイダイカタツムリダニは島野教授の研究プロジェクト「日本産ダニ類の多様性の解明」および脇研究員が中心の研究プロジェクト「カタツムリの寄生虫の研究」の一環で発見されました。研究チームは2017年、沖縄本島在来のカタツムリ類から寄生性のカタツムリダニを発見。フランスから当時の標本を取り寄せ、形態から詳細に検討した結果、このダニが1986年にフランスのカタツムリより発見されて以来まったく記録のなかった「ダイダイカタツムリダニ」であることが判明しました。今回の発見は、最初の発見から30年以上ぶりの再発見で、カタツムリダニの種レベルの同定報告としては日本初となります。

フランスでしか生息が確認できていないダニがなぜ沖縄で再発見されたのかについて、島野教授は「交通インフラの発達による人畜の往来など、人的な理由で沖縄に渡ってきたことは考えにくく、宿主であるカタツムリでさえもまだ詳しい研究が進んでいないため、なぜ遠く離れた2カ所でしか生息が確認できていないかはわからないが、身近な自然からまだまだ未知の生物が見つかる可能性があることが示唆された」と話します。なおダイダイカタツムリダニは、カタツムリ以外の寄主宿主からは見つかっていません。

ダイダイカタツムリダニは大きさ0.5ミリほどで、カタツムリの体表や肺の中を素早く動きますが、寄生を受けたカタツムリへの影響はまだ分かっていません。脇研究員は「沖縄もふくめ、日本ではカタツムリの寄生虫の研究が遅れている。その多様性を明らかにしていきたい」と展望を語っています。

なおダイダイカタツムリダニの発見時期は2017年11月で、研究結果は3月31日発行『沖縄生物学会誌56号』にて公開されます。

法政大学 国際文化学部 / 自然科学センター 教授 島野 智之

TEL:03-3264-4142(自然科学センター)

E-Mail: sim@hosei.ac.jp