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法政大学「第23回環境展」で福祉コミュニティ学科4年 吉永日向子(よしながひなこ)さんの作品が展示されました。

  • 2023年02月16日
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2022年11月末から12月上旬にかけて行われた法政大学「第23回環境展」で、吉永日向子さん(福祉コミュニティ学科4年、佐野竜平ゼミ)によるアップサイクルアート作品が展示されました。コロナ禍に入った2020年春以降も、様々な面で工夫しながらアップサイクルに関する活動を継続してきた結果です。

【作者コメント】
 アップサイクルでのものづくりをしてきた中で感じたことは、「アップサイクルには温かみや深みがある」ということです。それは、ゴミやシーグラスは一つとして同じものがなく、それぞれに物語や歴史が詰まっているからなのではないかと思います。一つ一つの材料がどんな景色をみてきたのか思いを馳せながら作品を作るのは本当にわくわくしますし、隅々まで愛着が湧きます。これからもアップサイクルを楽しんでいきたいです。

【作品概要】
◎作品の説明
 作品のモチーフは人魚と海に住む生き物たちだ。海洋生物は、実際にいるものと空想のものを描いた。岩場にはシーグラスを使用した。シーグラスとは、波に揉まれ角が取れて曇りガラスの様な状態になった物であり、海岸や湖の湖畔などで見つかる事が多い。時『人魚の涙』『浜辺の宝石』とも呼ばれる。環境問題を解決するには知識と想像力が必要なのではないかと思う。それを表現したいと思い、このような絵を描いた。

◎化粧品ロスの現状
 化粧品は、原材料や素材にプラスティックなどが多く利用されているが、大量生産・大量廃棄が日常的に行われており、過剰生産の状態にある。製造工場でのロスなどは、国内だけでも年間数千トン以上とも言われ、購入後に未使用、または使用途中で廃棄される化粧品ロスも加えると莫大な廃棄になっている。私自身、多色パレットのアイシャドウを買った場合、普段使いしない色は残ったまま捨てることが多々あった。

◎SminkArtについて
 化粧品ロスの現状を踏まえ化粧品をアップサイクルする方法を調べたところ、廃棄する化粧品を絵具として再利用する取り組みを行っているECサイト「SminkArt(スミンクアート)」を見つけた。SminkArtでは、自宅で使わなくなった粉モノの化粧品を絵具にするキットや、化粧品を原料にした絵具を販売している。粉モノの化粧品は通常、油でコーティングされているためそのままでは絵具にならないが、SminkArtはコーティングをはがす溶液を開発し、絵具として再利用できるようにした。溶液に界面活性剤は入っておらず、特許も取得しているという。

◎SminkArtキットを使用した作品作り
 SminkArtの商品をネットで購入した。購入品は「magic water 100ml」と「SminkArt ときめくペイント 16 色セット」だ。magic waterはアイシャドウやチーク等の粉末状化粧品を絵の具化できる液体で、SminkArt ときめくペイントはコスメを特殊処理し、水溶性絵の具にしたものである。さらに、使わなくなったアイシャドウを友人から譲ってもらうなどして材料を集め、作品作りを行った。実際に使用してみると、思ったよりも使いやすく非常に豊かな表現ができた。もとは化粧品であるため、一般的な絵具よりも細かい色彩を表現できるし、化粧品は基本的に光沢があったりラメが入っているため、独自性の高い表現ができると感じた。

 

法政大学「第23回環境展」に関する詳細はこちら
https://www.hosei.ac.jp/kankyoukenshou/info/article-20221110102142/?auth=9abbb458a78210eb174f4bdd385bcf54

 

吉永日向子さん作 法政大学「第23回環境展」展示作品