「三週間という短い期間で、私たちは何をどれだけ学ぶことができるのか。」出発前、私の頭にはこの考えが常にありました。もちろん、アイルランドの名所や料理を楽しむことも目的の一つではありましたが、それ以上に「自分は三週間でどれだけ英語力を伸ばすことができるのか」に興味がありました。
私たちはUCDのEnglish as a foreign language という所謂、語学コースで英語を学びました。クラスは英語の修得度別に分かれていて、私は六クラス中真ん中のクラスでした。そこでは様々な国の人がいて、年齢の幅も広かったです。授業で私は一人のイタリア人女性と仲良くなりました。しかし彼女の英語はイタリア語の発音混じり(語尾が上がる)で、聞き取るのが大変でした。ある授業でペアと協力して、一人が英文を暗記しそれをもう一人に伝え、書き取るというゲームをしました。不安的中。彼女は何を言っているのかサッパリでした笑。絶間なく「ダータ、ダータ」と言うので「data」かと思いきや「that」でした…。しかし、二週間も隣にいると、流石に聞き取れるようになってきました。ある時夕食に友人とレストランに行ったのですが、そこの店員の英語がどうも語尾が上がるのです。一瞬でイタリア人だとわかり、訊ねてみると、やはりイタリア人でした笑。
この三週間の中でも最も印象的だったのが、ファミリーと少しもめたことです。日本人が大好きそうな英語TOP3「thank you,sorry,please」。
勿論私も沢山の場面で使いました。日本語に訳すと其々が礼儀正しい言葉です。しかし、夕食の時、これらを複数回使用したところ、ファミリーは彼ら同士目を合わせながら意味深に含み笑いをします。私は怒りを覚え、ハッキリと「これは日本では礼儀正しいことであり、笑われるのは大変不愉快だ!」と伝えました。すると、「これは文化の違いだ」と言われました。一度感謝を伝えた事柄に、何度も「thank」というのは奇妙になってしまうのだそうです。こうして互いの文化を知ることができ、本音を話すこともできました。英語というと、やはり幾らか抵抗があり、自分の思うことがうまく伝えられないと思います。しかし、そこを突破しなければ、いつまで経っても英語力の向上は望めないのではないのでしょうか。勿論、英語力も必要ですが、やはり度胸がものをいう世界です。私は複数回海外に行ったり、留学経験もありますが、「Are you shy?」と言われている日本人を割と見てきました。日本人はみなそうである、と言われないためにも、私たちが今身に付けるべきものは英語力以上に、自信と積極性なのではないでしょうか。
Kさん (当時1年生)