日本文学科

日本文学科の特徴

日本文学科

少人数教育で本物の国語力を

日本人全体の国語力の低下が叫ばれています。情報を正しく受け止めて、自分なりに思考し、結論を的確に表現する―これが大学で要求される「国語力」です。日本文学科では1年次に少人数制の国語力養成講座「大学での国語力」を開講し、〈読む〉〈聞く〉〈書く〉〈話す〉力を養います。また、この科目では高校までとは異なる大学での〈学び〉をマスターすることも目指します。2年次からはゼミナールがスタートし、専門分野の研究を深めていきます。ここでは調査・研究能力のほか、プレゼンテーションの力を磨きます。

授業の様子

個性豊かな3つのコースと20以上のゼミナール

日本文学科のカリキュラムは高い専門性を身につけるため、2年次より〈文学〉〈言語〉〈文芸〉の3つのコースに分かれます。学生はこのうちの1つのコースに籍を置き、そのコースに設置されているゼミナールに所属します。各ゼミは20名以下の少人数制をとっており、4年次には卒業論文・卒業制作に取り組みます。優秀な論文・作品は、法政大学国文学会の学会誌『日本文學誌要』や文芸誌『法政文芸』に掲載されるほか、専門誌(『三田文学』など)に発表されることもあります。ゼミでは合宿や研修旅行などが企画され、教室以外での交流も大切にされています。

文学コース

日本の文学作品を読むことにより、作家の精神、時代の思想、文化の諸相など、幅広いテーマを探求するのが文学コースです。
ここでは上代から近世にいたる古典文学をはじめ、近・現代の文学の特徴を基礎から学びます。また、中国文学、児童文学、沖縄文芸、ジェンダー論、能楽、演劇、日本音楽史など、日本文学を考えるうえで関係深い分野も研究することができます。「文学」という小さな殻に閉じこもらず、「文化」という広い視野で日本の文学をとらえるところが、文学コースの最大の特徴です。なお、文学コースには10以上のゼミが設けられ、時代やジャンルごとに作品を読む力、時代や文化を洞察する力を養います。

言語コース

日本語の歴史、現代日本語が抱える諸問題、外国語の視点から見た日本語など、「言語」の複雑さ、面白さを様々な角度から研究するのが言語コースです。
『古事記』や『万葉集』などからうかがえる古代の日本語や、『おもろさうし』からうかがえる沖縄の古語など、各時代・各地域における言葉の変遷を探る古典語研究。若者ことばやネット語など、いま私たちが使っている日本語を冷静な立場から調査・分析する現代語研究。英語や中国語といった外国語との比較を通じて日本語の特性について考える比較言語研究。4つのゼミではこれらの分野から各自で研究テーマを設定し、日本語を客観的かつ論理的に分析するとともに、日本語の魅力について改めて見つめ直します。

文芸コース

作品を解釈・鑑賞するだけではなく、自ら作品をつくりあげたいという学生のために設けられたのが、文芸コースです。
文芸コースには5つのゼミがあり、第一線で活躍している作家や文芸評論家が指導にあたっています。ここでは小説を中心に、文章の流れや表現の方法を学んだうえで、実際に作品を書き、読者の心を動かすための生きた言葉を身につけていきます。書き上げた作品は教員・学生間で自由に批評しあい、作品を見極める力も養います。多くのゼミでは毎年ゼミ誌を発行しており、卒業制作では小説・詩・戯曲などに取り組みます。

広がる授業の選択肢、専門科目を夜時間帯にも設置

昼時間帯の中だけで卒業に必要な科目をすべて履修することもできますが、夜時間帯においても数多くの科目が開講されており、日本文学科の学生は1~7限に設置された科目を自由に履修することができます。

社会で活躍する卒業生

あやゆる情報を集めて読解する。その研究姿勢が仕事のベースに

学生時代に力を入れていたのは、オープンキャンパススタッフの活動。法政大学の魅力を高校生に伝える経験を通じて、「大好きな演劇を魅力的に伝える仕事をしたい」と考えるようになり、株式会社明治座への入社を決めました。現在は舞台を宣伝する仕事を担当しています。
大学では、江戸時代後期の文学作品を研究。時代背景や作者の置かれていた状況、これまでの研究(成果)など、読解に必要な情報を集める作業は、今も場面を問わず仕事の現場で活きています。また、江戸時代の文学作品は演劇との結びつきが強いので、研究で得た知識は、現在の仕事をする上でも大いに役立っています。
大学で教授や友人たちと過ごした時間のすべてが今を生きる糧になっていると感じています。

2017年卒業
株式会社 明治座
S.O さん

日本文学科で取得できる資格

中学校教諭一種免許状(国語)、高等学校教諭一種免許状(国語)、図書館司書、学校図書館司書教諭、博物館学芸員、社会教育主事