心理学科

心理学科の内容

心理学科

みなさんは「心理学」ってどんな学問だと思っているでしょうか。まず、大学で学ぶのは「学問」であり、心理ゲームや占いのようなことをやっているわけではありません。「こころ」という目に見えない・触れることのできないものを明らかにするために、科学的な方法(実験、観察、調査、検査、面接など)を用いて、客観的なデータを収集し、分析するのが「心理学」なのです。

法政大学文学部心理学科の第一の理念は、人の「こころ」のメカニズムを理解することにあります。我々が外界を認識し、適切に行動するためのしくみを明らかにするのが、認知系の分野です。

第二の理念は「こころ」の発達過程を探求することです。発達過程を知ることは、我々が自分自身を理解することにつながります。これが発達系の分野になります。

第三の理念は、「こころ」について理解を深めることで、みなさん自身の人生を豊かに意義深いものにするための方策を模索することです。心理学は「心の病」を持った人にだけ役立つのではなく、社会全体の健康な人がよりよい人生を送れるようなヒントをもたらすものなのです。

また、心理学は認知科学の一領域です。本学科では、脳科学や言語学、哲学、情報科学と連携を取れるようなカリキュラムを実現しています。ぜひ学際的に学んでください。

卒業後の進路や職業

大学で心理学を学んだら、どんな仕事に就けるのでしょうか?

心理学科を卒業した学生さんの進路は多種多様です。ほとんどの職業は何らかの形で人と関わります。ですから、人に関する専門的な知識を心理学として習得すれば、ほとんどすべての職業でこの専門性を活かすことができます。

ここでは心理学科の前身である教育学科心理コースを卒業した二人の先輩と、学部を卒業してさらに大学院に進学する二人の先輩の声を載せました。本学科で心理学の基礎を学び、卒業後、それをさらに展開し、発展させていこうとしている卒業生の方々です。心理学科への入学を考えている皆さんにとっては、将来を思い浮かべる参考になることでしょう。

自閉症の子どもたちと働く

小片 亜衣さん 2002年教育学科心理学コース卒業
コロロETセンター:療育指導員

私が本大学を受験した動機は「心理学が学びたい」という一心からでした。実際に、心理学を学んでみると、想像と異なる部分もありましたが、心理学の科学的な側面に惹かれ、「もっと勉強したい」と思い大学院に進みました。本大学の教育学科では、心理学の様々な分野を学ぶことができたので、自分がどのようなことに興味があるのかということをじっくりと考えることができました。そのような中で、私は子供の心理を研究する発達心理学に興味を抱き、自閉症の方に関わる仕事がしたいと考えるようになっていきました。現在は、自分の希望する仕事に就いていますが、日々の仕事の中でも自閉症を科学的に見るという大学時代に培った視点が役立っています。

専門家として病院で働く

北野 明宏さん 2003年教育学科心理学コース卒業
日向台病院:ソーシャルワーカー・精神保健福祉士

私は現在、精神科病院のデイケアでソーシャルワーカーとして勤務しています。法政大学卒業、1年間養成校へ通い、精神保健福祉士の国家試験に合格して、現在の仕事に就いています。精神障害者の方のデイケアを中心に日常生活問題や就労等に関する相談に応じ、社会復帰等に向けた支援をしています。大学では、心理学にとどまらず生理学や脳科学等の多様な分野を学ぶことができ、卒論で行った脳波の測定などは、今の仕事に大いに役立っています。

基礎系の大学院へ進む

田丸 勇祐さん 2007年心理学科卒業
法政大学人間社会研究科臨床心理学専攻へ進学

大学とはどういった場所なのか。どんな学部・学科を選択するにせよ入学する前にみなさんが一度は考える事だと思います。大学は非常に自由で、本人次第で多くの貴重な経験を得ることができる場所です。また心理学科は客観的に自分を見つめ直す機会が多いため、大学生活を送っている間に自分が興味を持っていること、将来にやりたいこと等が変わってくるかと思います。私もその1人で、多摩にある人間社会研究科の臨床心理学専攻に進学することとなりました。法政大学の心理学科は認知・発達・生理など心理学の数多くある分野を幅広く学ぶことができるのが最大の特長で、様々な進路先で役に立つスキルを身につけられるだけでなく、将来心理学の特定の分野を研究したいと考えている人にも良い土台となるはずです。大学4年間で自分の興味のある分野を見つけ、焦らず自分のペースで将来について考えてみてほしいと思います。

基礎系の大学院へ進む

五十嵐 拓也さん 2007年心理学科卒業
法政大学人文科学研究科心理学専攻へ進学

私が心理学科に入学した理由は「心理学って面白そう」という単純なものでした。そのため、初めの頃は心理学なのに統計の授業があることや、心理学の領域の幅広さなど、意外なことばかりで、戸惑ながらのスタートでした。本学科では心理学の基礎から応用までの様々な領域を学び、音声の分析や脳波を測定するという経験もできました。また、物の考え方や人間関係など、心理学以外の事もいろいろ勉強になりました。そうしていろいろなことを学んでいくうちに、心理学をもっと勉強したいと考えるようになり、大学院に進むことを決めました。大学院では今まで心理学科で学んだことを深め、卒業論文のテーマであった読書についてさらに研究していくつもりです。そして、大学院で学んだことをこれからの人生で活かしていけたらよいと思っています。

卒業論文

  • 大学生における逸脱行為実行意図と承認欲求の関連性 ―「嫌われたくない」という視点から―
  • 指尖光電式容積脈波を用いた虚偽検出における自我関与度の影響
  • 小説によって喚起された感情の変化が感動の強さに及ぼす影響
  • お笑いビデオ鑑賞中の大学生の笑い反応に及ぼす禁止の影響
  • Heavy Metalが怒り感情に及ぼす影響 ―カタルシス効果は生じるのか―
  • スマートフォンの位置が作動記憶と注意機能に与える影響
  • 複雑な感情の認知 ―言語内容・表情・音声の影響力の比較―
  • 試合で最高のパフォーマンスを発揮するアスリートとは?
  • 課題遂行時のストレスが間食摂取態度に及ぼす影響