10月24日、キャリアデザイン学部主催の連続シンポジウムが開かれました。
テーマは、「高校と大学の学びをつなぐ」です。 近年、高校と大学が連携して、高校生の進路プログラムに関わっていく取り組みが増えていますが、それらは本当に有機的に機能しているのでしょうか。
高校・大学双方に価値あるプログラムを提供するために、課題についてもう一度確認しあい、解決策を見出したい、という意図のもとに、今回は実際の現場に関わっておられる3名の方をパネリストとしてお呼びし、事例の紹介や、議論をしていただきました。
来場者は、高校や大学の教職員だけでなく、教育産業に携わっている方々、それ以外にも、現役大学生や高校生、教育に興味を持つ卒業生も多く来ており、真剣に耳を傾けていました。
パネリストの報告の要点を簡単に紹介します。
私は大学生活の間ずっと、学外活動で高校生の進路や総合的な学習に関わっていました。そのため、先生や生徒さんと話すことも多く、このテーマに深い関心を持っています。私が大学に入学した当時は、まだ高大連携という言葉はあまり一般的でなく、高校生が大学について知る機会は、OB・OGと話す時やオープンキャンパスくらいのものでした。
今、法政大学は高大連携にとても力を入れていて、提携校の高校生が一定期間希望する授業を受講すると、入学後に単位に変換されるシステムがあるだけでなく、実際に大学生が高校を訪問する機会等があります。これは、受け入れ側の高校生にとってのみならず、参加する大学生にも大きな学びの場となっています。
高校生にとっては、普段会うことのない年上の先輩から、いろいろな刺激がもらえます。
興味の幅が広がったり、憧れる先輩に出会えたり。また、とても大人だと思っていた先輩の、自分との意外な共通点を発見して、安心することもあります。
一方、大学生にとっては、自分の考え方、生き方を再確認する機会になります。
教師や親ではないぶん、より相手に共感しながら、アドバイスができますし、その正直な反応を間近で見られるのですから。 もしかすると、高校生と大学生が同じ空間で同時に出会い、話をするということは、たとえ内容に深みがなくても、それだけで意味があるのかもしれません。
「学びをつなぐ」ときに理想的な関係とは、どちらかが一方的に教える・教えられるのではなく、互いの存在に刺激され、影響しあう関係のことを指すのではないでしょうか。
シンポジウム終了時間ぎりぎりまで行われていた活発な意見交換を聞きながら、今まで出会った多くの生徒さんの顔を思い出し、私はそう感じていました。
キャリアデザイン学部3年 岩野望美