基礎ゼミコンペとは、学生たち自らの関心や問題意識によって2〜5人程度のグループをつくり、グループ間で切磋琢磨しながら、課題解決のアイデアを競い合うものです。
私たちの周りにある様々な社会課題について、学生が主体的にフィールド・文献調査などによる情報収集と分析を行い、課題解決に向けた提案をします。約4ヶ月にわたる活動の中で、グループワークによる協調性とリーダーシップ、革新的かつ実現可能な提案の検討力、他者に説得力を持って説明するプレゼンテーションスキルを高めます。この経験を通じて、2 年時から始まる専門演習に必要な心構えや基本的な学びのあり方を身に付けることをねらいとしています。
基礎ゼミコンペのテーマは、「社会の課題を解決し、学部の理念であるWell-beingを実現するための方策と、それを高める人材・進める人材になっていくための提案」です。どのグループの発表も、「Well-being」という理念を意識したものになっており、現代福祉学部の理念を改めて教員・学生で共有する機会ともなっています。
基礎ゼミコンペ本選では、クラス内予選、時限予選を勝ち上がった6グループが発表を行いました。今年はゲスト評価員として、社会課題の解決に向けて多方面で活動をしているNPO法人の方に参加頂いて、講評をいただきました。教員の立場、学生の立場それぞれで各発表に対する評価・投票を行い、総合的に優れた発表グループに服部学部長からトロフィーが贈呈されました。また、本選に勝ち残った全グループに、学部から記念品が授与されました。
本選に残ったテーマは、フードロス削減、ウォーターサーバー設置、独居高齢者と若者との交流促進、大学構内の設備改善、不登校児童とひとり親家庭の支援、ヘルプマークの普及など、多岐にわたるものです。いずれのグループも身近な問題意識から課題抽出を行い、裏付けの調査と対策提案までの議論と検討を重ね、自信を持って発表に挑んでいることがうかがえました。
学生、教員、外部評価員からの評価はそれぞれ特徴が異なりましたが、最優秀チームには「ほかはあつ」が選ばれました。「ほかはあつ」が取り組んだのはヘルプマークの理解と認知を促す活動です。リサイクルのペットボトルキャップを用いてアートを作成し、法政大学多摩環境展に出展するなど精力的に活動を進めました。発表時に掲示された実物のペットボトルキャップアートはインパクトがあり、参加者の関心を集めたようです。ちなみに、ヘルプマークとは、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見からはわかりにくくても配慮や援助を必要とする方が、そのことを知らせることで援助を得やすくするために作成されたマークです。
そのほかのグループもそれぞれに工夫を凝らし、説得力のある提案を行いました。また、学生からの質問も活発に寄せられ、参加者が学び合いながら一体となって社会課題を考える機会となりました。
最優秀に輝いた「ほかはあつ」チーム