英文学科の内容

科目を大別すると、「英文学」、「米文学」、「英語学」、「言語学」、「英語力向上を目的とした科目(作文、会話、時事英語など)」に分けられます。これらの領域の中に個々の科目が配分されています。そのほか、他学科や他学部の設置科目からも興味に応じて選択することができます。 

文学系

イギリス文学の勉強とは?

イギリス文学は実に面白い。ガリヴァーも、アリスも、ドラキュラも、ハリー・ポッターもいる。どうしてこんなにも興味深い人物を創り出せたのでしょう。原作を一緒に読み、その秘密に迫ってみましょう。個性がそれぞれあるように、読後感も人それぞれです。「え、そんな風に読んだの!」といった発言が繰り返されること必定。ここから研究が始まります。ライフワークになるかも知れません。わたしたち教員も、みなさんの興味をさらにくすぐって、度肝を抜いてみせましょう。

アメリカ文学とは何か?

アメリカ人が英語で書いた文学作品の総体がアメリカ文学ですが、その内容はまさに多様多彩です。アメリカは、歴史的にも、社会的にも、地理的にも、特異で異質なものが対立、競合、分裂、融合、融和を続けながら、統一を保とうとしてきた国です。そんなアメリカの文学はその現実を映し出してきた鏡のようなものです。関心さえあれば、どこから踏み込んでも新しい世界が開けてきます。

演劇とは何か?

あなたは「俳優」になりたいと思ったことはありませんか。実は、文学としての演劇を真に理解する最良の方法は、実際に「演じる」ことなのです。そもそも戯曲、演劇は、演じられることを前提に書かれています。実際にその場に飛びこみ、言語を発し、自ら葛藤する。このように演劇を学ぶことは大変エキサイティングな知的体験です。法政大学では「演じる文学」が展開されています。

アメリカ演劇とは何か?

たとえば、『セールスマンの死』というアーサー・ミラーの作品があります。くたびれはてたセールスマンの父親が、自分の期待通りに成長していない二人の息子を見てその原因は自分にあると思い至り、息子たちに保険金を残してやろうとして自殺する、という内容です。こうした肉親関係や社会環境は今日の日本の状況と似ていますが、その背景にはアメリカ社会が厳然として存在し、アメリカ演劇の特徴が見てとれます。

英語学系

英語史

英語は進化しつづける

英語ほど変化した言葉はないでしょう。5世紀半ばに「英語」が生まれたときには、今のドイツ語のように、男性、女性、中性名詞がありました。wifeは中性名詞、womanは男性名詞でした。複雑な語尾変化を区別する発音があいまいになり、ゼロになって単純化され、代わりに語順などで文法関係を表すようになりました。発音も、子音・母音ともに非常に変化し、つづり字との関係が複雑になりました。また、フランス語、ラテン語などの借用語が多いのも英語の特徴です。

言語学系

統語論とは何か?

  1. Ken wants to know whether she hates him.
  2. Who does Ken want to know whether she hates?
  3. 彼女が誰を嫌っているのか健は知りたいの?

1のhimをwhoにして疑問文を作ると2になるはずですが、2のような言い方は、なぜか英語では許されません。面白いことに、2の逐語訳のはずの日本語文3も、2とは違う意味になってしまいます。なぜなのでしょう? 統語論は、こんな疑問を考える学問です。

音韻論とは何か?

LとRは難しいなあ。“bag”を発音しようとするとなぜ“baggu”や“bakku”となるんだろう? このような悩みは、英語学習者の共通の悩みですよね。確かにLやRの発音は日本語を母語とする私達には難しいし、“bag”を「バック」と発音してしまう人もいるでしょう。その原因は、日本語と英語の「音のシステム」の違いにあります。外来語ではない日本語の言葉で「っ」の後に濁音が来ることはないのです。音韻論は、このような、ふだん意識せずに話している言語の「音のシステム」についての、学問です。

社会言語学

いつでも、どこでもフィールド・ワーク

電車の中で、高校生の会話に耳をそばだてる。雑誌を買って広告だけをスクラップする。同じ野球の試合を、テレビとラジオの両方で記録する。社会言語学者にとって、これらはみんな立派なフィールド・ワークです。それぞれ「若者言葉の特徴」、「広告コピーの言語」、「メディアによる言語表現のちがい」を分析しようとしているのです。社会言語学は、人間の言語活動を多面的に捉えようとする学問領域です。

第二言語習得とは何か?

子供の時に言葉を学ぶのと、大人になってから学ぶのとでは、違いがあります。小さい時、日本語を学んでいくのに「疑問文の作り方」や文法を学びませんよね。子供は無意識に文法を学ぶのに対し、大人は「意識」しながら学習します。第二言語習得とは、大人と子供の言語習得の違いについて、また、大人の言語習得とはなにかを追及する学問です。

実践英語系

英語表現演習とは何か?

英語にはリスニング、リーディングというインプットと、スピーキング、ライティングというアウトプットの二つの分野があります。「英語表現演習」では、ふだん行う機会の少ないアウトプットを中心に学びます。英語を使って自己表現できるようになることが、目標です。たとえば、自分の意見を説得力ある英文で書いたり、異なる二つの意見にわかれて討論するディベートなどを行います。こうした授業を通して、英語を使って、自分の意見を的確に表現し、相手を説得できる力を、養うのです。

卒業論文

(提出された卒業論文題目の一部です。)

  • Jane Eyre における結婚と自立
  • イェイツ演劇の内と外──The Countess Cathleen とCathleen ni Houlihan
  • 『嵐ヶ丘』におけるネリーの役割
  • 英文学と日本文学における高齢者の表象について──Gulliver's Travels, Part IIIを中心に
  • Robinson Crusoeにおける植民地状況とCrusoeの自我確立
  • 蜘蛛の巣としての社会と二人の聖女──Middlemarch を読む
  • The Life and Death of Willy Loman: The Contemporary Meaning of Death of a Salesman
  • Human Beings and Their Gods:The Failure of Religion in Peter Shaffer's Plays
  • From Hero to Villain: The Transformation of Othello
  • The Function of Songs in Shakespeare’s Twelfth Night
  • Wicked のWicked Witch of the Westが妹の靴よりも欲しかったもの
  • “Nineteen Fifty-Five”におけるAlice Walker の幸福感
  • A Lost Lady における視点についての考察
  • ジャズ詩人Kerouac のバップ性
  • 『ライ麦畑でつかまえて』──ホールデンの言葉と行動のズレ
  • 神と恩寵──フラナリー・オコナーからのメッセージ
  • The Virgin Suicides──ユージェニデスの世界、コッポラの世界
  • 子どもの「小さな世界」を壊すもの──The Member of the Wedding とOther Voices, Other Rooms における思春期
  • アメリカ黒人の社会に見る音楽の意味──黒人作家ボールドウィンと音楽とは
  • レイモンド・チャンドラー作品に見られるハードボイルドとそれを伝える方法について
  • 『Nana─ナナ─』の流行にみる魅力を引き出すメカニズム
  • 裁判における言語活動──傍聴データに基づく分析
  • 男女におけるコミュニケーションのすれ違いについて
  • 落語における笑いとGrice 理論の関連性
  • コールセンターでの言語活動
  • メガバンク3行と郵便局のCM比較
  • 日本語の早口言葉の特徴
  • オノマトペの日英比較
  • 幼児の音位転倒による言い間違いのメカニズム
  • 読みにくい単語──その原因と調音
  • 韓国語母語話者の日本語習得におけるエラー分析
  • 音響信号からの調音しぐさの知覚
  • English Education through Drama