本学における教員養成の理念は、2016年4月に制定された「法政大学憲章」を踏まえ、教師として「自由を生き抜く実践知」の土台を形成することにあります。「法政大学憲章」が謳う、「地域から世界まで、あらゆる立場の人びとへの共感に基づく健全な批判精神をもち、社会の課題解決につながる『実践知』」をもった教師の育成を目指しています。
教育の仕事は、子どもの資質・能力の育成を通して、未来の創造に参加する営みです。それは、先に述べた「実践知」を子どもの発達や学校段階に応じて育成する営みということもできるでしょう。と同時に、教育という仕事の素晴らしさは、大きな可能性を持ちつつも傷つきやすい子どもに寄り添い共に生きることによって、かれらを支え、かれらの生きる意味と希望を豊かに紡ぎだしていくことのなかにもあります。
こうした大きな責務を担うための人間性や専門的力量は、教師として生涯研鑽して獲得すべきものですが、その基礎や土台は大学4年間の意識的で計画的な教職課程の履修、それに教職をめざす大学生としての日々の多様な学びや活動によって獲得すべきものといえます。