さいえんすかふぇ「えねるぎぃっ亭」十月営業
―もう一つの近代化 京都-琵琶湖疏水物語―

2017年10月13日

さいえんすかふぇ「えねるぎぃっ亭」十月営業

えねるぎぃっ亭10月営業
もう一つの近代化
京都‐琵琶湖疏水物語

 琵琶湖疏水というのを皆さんはご存知でしょうか?知らない人も京都に哲学の道があるのをご存知でしょう。哲学の道は琵琶湖疏水の一部なのです。
 明治初期都が東京に移されました。そのおかげで京都の人口が東京や大阪に流れ、京都は衰退していきました。現在全国の地方都市が、人口を東京などわずかな大都会に吸い取られ、衰退の危機を迎えていますが、京都は明治初期に同じ事態に陥っていたのです。
 京都市民は危機感を持ちました。それを何とかしようと立ち上がったのが、第三代京都府知事となった北垣国道という人です。
 北垣は京都に産業を興し、街を活性化しようと考えました。関係部局長などの同意を得たうえで、勧業諮問会なる委員会を開き、そこで琵琶湖疏水事業をぶち上げたのです。そして起工趣意書を表し、琵琶湖疏水の必要性を訴えました。その文章が琵琶湖疏水記念館に残っています。なかなかの名文です。
 北垣はまず千年歴史を持つ京都は、桓武天皇の時代から今のようであったのではない。長い年月で手を加えられ、今のようになったのだと歴史を説き起こします。そして起工趣意書で、琵琶湖疏水の七つの目的を挙げています。
 最初に置かれたのが、産業のための動力、つまりエネルギーでした。京都に産業革命を起こそうと言っているのです。そして附言をつけて、石炭を排除します。塵をまき散らす石炭は、ロンドンを見ても明らかに、使うべきではないというのです。だから京都の河川の水のエネルギーを試算したりします。そして琵琶湖から水を持ってくるのがいいというわけです。
 その後、北垣は水運、灌漑、上水、防火、衛生、脱穀について、疏水の利用を述べています。要は地域の自然エネルギーを最大限生かそうと、総合的なビジョンを打ち出したのです。
 東京中央政府はもちろん石炭を使って産業革命に邁進しました。先進国イギリスなどに倣ったのです。それに対して石炭(化石燃料)を排除した、自然エネルギーでの産業革命を一世紀半も前に主張し、実行したのが北垣国道なのです。すごいとは思いませんか?
 工事は北垣が任命した若き技術者田邊朔郎によって実行され、琵琶湖の水が京都中にはりめぐらされました。今でも疏水は鴨川白川など自然の流れに対して意外な方向に流れ、水が豊かな京都の魅力を作り出しています。また全国初の事業用水力発電がおこなわれ、京都に日本初の路面電車が走りました。
 これから自然エネルギーに支えられた社会を作るべきだと、えねるぎぃっ亭は主張していますが、そのような街のモデルとして、一世紀前の京都があるのです。これを全国の人に、いや全世界に知ってもらいたいと考えています。大都会に集中するのではなく、中小規模の街を地域の自然エネルギーが支える、それが化石燃料に頼る事のない、長期にわたる持続社会のイメージなのです。

 

会場 

法政大学 市ヶ谷キャンパス
ボアソナードタワー9階サイエンスルーム

日時

2017年10月28日(土)14:30~

主催・お問い合わせ 

法政大学自然科学センター

TEL:03-3264-4142
E-mail:koike@hosei.ac.jp

ホームページ:千年文化を考える会(「千年文化」で検索)

 

 

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