特色ある授業 フィールドスタディ入門

「健康で幸福な暮らし=Well-Being」の実現のために必要なことは何か?法政大学部現代福祉学部では、「福祉」「地域づくり」「臨床心理」という「3つの柱」を学ぶことにより、広い視野からWell-Beingを考えます。その視野形成のための第一歩、とも言うべき講義が、1年生後期に実施される「フィールドスタディ入門」です。

講義内容

講義内容

授業では「福祉」「地域づくり」「臨床心理」の3領域において、それぞれの現場で積極的に活動されている専門家を招き、講演形式の授業を行います。「福祉」分野では社会福祉協議会やNPO法人、福祉施設など、「地域づくり」分野では、市町村など自治体、NPO法人、社会的企業経営者など、「臨床心理」分野では臨床心理士、支援施設などで活躍されている方々です。
また、この科目は、2年次後期や3年次から始まるさまざまな実習のために必須な、先行履修科目でもあります。いわば、「フィールドスタディ入門」で紹介される様々な現場での実践は、学生一人一人が広い視点から学ぶための入口なのです。「フィールドスタディ入門」の授業でお話をしていただいた方々を紹介してみましょう。

●㈱いろどり社長・横石知二さん~葉っぱビジネスは福祉産業●

葉っぱビジネスは福祉産業

まず徳島県上勝町で株式会社「いろどり」を運営している横石知二社長も講義に来ていただきました。横石さんは人口2千人弱、高齢化率50%という過疎の町で、年間売上2億6千万円という新しいビジネスを立ち上げたのです。マスコミでも紹介されているように「いろどり」では約200名のお年寄りを組織し、庭や畑や山に植えた木々から葉っぱや枝を採取し、それをきれいにパックして、都会の高級料亭の刺身やてんぷらのツマ用に出荷しているのです。山や畑に出ることでお年寄りは元気になり、年間1千万円を超える収入を上げるお年寄りも出ています。お年寄りを元気にし、コミュニティを明るくする「㈱いろどり」はソーシャル・ビジネス(社会的企業)と位置付けられとともに、まさに福祉産業なのです。「お年寄りの“出番”“居場所”“役割”をつくり、明るい地域社会を築くことが重要です」と横石さんは主張し、学生たちには「自信を持て。自分の切り札を持て。伝える力を磨け」と熱く語ってくれました。受講した学生たちは大きな感銘をうけ、その後、上勝町にインターンシップに出かけた人もいます。
【写真・横石さん】

●島根県海士町高校魅力化プロジェクト・岩本悠さん~町の再生は高校の魅力から●

日本海に浮かぶ離島、島根県隠岐。この離島のなかで、いま注目を浴びているのが海士(あま)町です。岩ガキやナマコなどの海産物、隠岐牛などの農産物に付加価値を付けて特産品化し、都会に売り出しているのです。しかし町の人口は減少し、地元の隠岐島前高校への入学者も減り続けました。「高校が無くなれば町も無くなる」という強い危機感のもと、何とかして入学者を増やそうと、町が立ち上げたのが「高校魅力化プロジェクト」です。その中心になったのが「フィールド・スタディ入門」でお話しいただいた岩本悠さん。東京の大企業をやめて、海士町へIターンした若者です。町営の学習塾を設立したり、“島留学”制度を新設したりと、魅力の高まった島前高校には、いまでは島外や都市からも入学希望者が来るようになりました。現代福祉学部での岩本さんの授業はとてもユニーク。200人を超える受講者なのに、今まで話したことのない2人を組ませ、自分の住んできた町のいいところを列挙しあい、それを発表しあうというものでした。学生たちも、海士町の取組みに驚くとともに、自分の住んできた町の資源や魅力を再認識できたと、授業でえた刺激を再確認していました。
【写真・海士町・岩本さん】

町の再生は高校の魅力から
町の再生は高校の魅力から