お知らせ

<開催報告>陸前高田市SDGsワークショップ便り(その3)

  • 2021年04月01日
お知らせ

sdg_icon_wheel_rgb.png陸前高田市とのSDGsワークショップの最終報告会を開催しました

法政大学と岩手県陸前高田市は「SDGs連携協定」に基づき、2020年11月より「SDGsワークショップ」を進めてきました。
本ワークショップは、法政大学の学生チームと陸前高田市の4つの事業者が一緒になって、SDGsの課題解決に向けた提案を考えるもので、全てオンラインで実施されました。

11月にキックオフミーティングを行い、その後は一か月に1回、各チームと事業者が分科会を開催し、話し合いを重ねてきました。2020年12月には各チームが進捗を共有する中間報告会を行い、本最終報告会に至りました。

最終報告会冒頭では陸前高田市戸羽太市長、法政大学田中優子総長から学生へ激励のビデオメッセージをいただきました。

  • 【陸前高田市 戸羽 太 市長】

  • 【法政大学 田中優子 総長】

いよいよ学生のプレゼンテーションです。
各チーム、以下のテーマでプレゼンテーションをしました。

◆村上製材所×チームモッキー:「みんなで創る山!」
 (里山復活のため、まずは「みんなが行きたくなる山」を考えました。)

◆(有)橋勝商店×チームはしかつ:「陸前高田市のSDGsがつながる拠点に!」
 (お総菜屋さんがSDGsの拠点になる、そのSDGsの取り組みプランを考えました。)

◆あすなろホーム×チームあすなろ:「ノーマライゼーションという言葉がいらないまちづくり」
 (障がいをもった方が生き生きと人と関りを持つことができる、その場づくりについて考えました。)

◆伊東文具店×チームがんばっぺし:「伊東文具店からはじまるSDGs」
 (本屋さんから始まるSDGsについて、本好き・文具好きがSDGsプランを考えました。)

プレゼンテーションでは、現状分析、事業者の方々と検討を重ねたプラン、貢献・達成するSDGsゴールなどを発表しました。
学生が主体的に行った現状分析、学生の視点で捉えた課題、学生ならではのアイディア、事業者同士・チーム同士での連携など、内容の濃いプレゼンテーションとなり、各チームとも多くの拍手をいただくことができました。

学生プレゼンテーション後には、参加事業者様からコメントをいただきました。

<参加した事業者様からのコメント>

■村上製材所:村上英将様
学生さんとのワークショップは非常に刺激になり、また学びにもなりました。4か月という短い期間でプランをまとめ上げてくれたことに感謝します。これからも現状を報告しながら繋がりを大事にしていきたいと思います。

■有限会社 橋勝商店:橋詰真司様
短い期間でしたが学生さんが非常に頑張ってくれて素晴らしいプランが出来上がったと感じています。「食」という身近でかつ深いテーマでありながら、普段なかなか形にすることができないことを学生が一生懸命勉強してくれたし、我々もとても勉強になりました。小さいアクションから一緒に進めていきたいと思います。
今回のワークショップを通じ、仕事をちょっと離れてSDGsについて真剣に考える時間をつくることができたこと、そして学生のみなさんのアイディアによって、自分たちがこれまで考えてきたことを整理することができました。そして実際に「できる」という可能性を見つけることができました。皆さんが考えたことは陸前高田市の発信の種になります。実現していきたいと思います。

■社会福祉法人 燦々会 あすなろホーム:千葉昭郎様
今回のワークショップにより「SDGsを通じて繋がるといいことがある」、と感じました。学生さんが考えてくれたプランにはできることとできないことがありますが、ぜひひとつずつ進めていきたいと思います。まずはInstagramをやってみたいと思います。皆さんぜひ陸前高田市に来てください。ありがとうございました。

■株式会社 山十 伊東文具店:伊東亜希子様
最初このワークショップを始める前は、書店でできることはSDGsの関連本のコーナーを作ることしか思い浮かびませんでした。ですが、ワークショップを通じて、「私たちができることはこんなにあるのだ」、ということを知ることができました。すこしずつ形にし、実現に向けて動き出したいと思います。ワークショップはオンラインだけでしたが学生さんから提案があるたびにワクワクしましたし、すごく楽しかったです。ぜひ陸前高田市にもみなさんで遊びに来てください。

また、今回のワークショップにアドバイザーとして協力してくださった(株)日経BPの高津様、本学と協同してワークショップを運営いただいた陸前高田市政策推進室の佐山様よりワークショップ全体の感想、学生が発表したプランについてコメントをいただきました。

  • 【日経BP 高津尚悟 氏】

  • 【陸前高田市役所 佐山広太郎 氏】

報告会の最後には、法政大学廣瀬克哉副学長より、本学と陸前高田市が重ねてきた取り組みの経緯についての説明、そしてワークショップ全体について講評をいただきました。

【法政大学 廣瀬克哉 副学長】

最後に全体の記念写真を撮影しました。

今回の様子はYouTubeでライブ配信も行い、北海道から沖縄まで多くの方とこの成果を共有することができました。また、2021年3月16日付の「東海新報」(陸前高田市や大船渡市などを対象にした地域新聞)にも本報告会の記事が掲載されました。

さらに、2021年3月16日~3月21日にかけて陸前高田市の「アバッセたかた」パブリックスペースにおいて開催された「陸前高田市SDGs推進プラットフォーム」の取り組みなどのパネル展示に学生たちも参加させていただきました。
最終報告会で発表したプランをA1サイズ×3枚のポスターで表現することに学生は苦労をしていましたが、「自分たちが考えたプランを陸前高田市の方にみていただこう!」と意欲を高め、ポスター作成に取り組むことができました。

【陸前高田市アバッセたかたでのパネル展示の様子】 写真提供:陸前高田市役所政策推進室

【2021年3月16日~21日にかけて陸前高田市で開催されたイベントのポスター】 ※陸前高田市に許可をいただいて掲載しています。

<最終報告会に参加した学生より>

◆チームモッキー
 最終報告会を終えて、各チームの目標や取り組みが明らかになり、自分たちのチームの足りない部分が改めて分かったとともに、チーム間の繋がりなどからさらなる可能性を感じました。チームみんなで考え、作成した山のイラストを最終報告会で発表できたことに達成感を感じることもできました。また、4カ月ほどのワークショップはあっという間に終わってしまいましたが、その中で陸前高田市の方々の優しさや温かさを感じることができました。コロナが終息したらぜひ陸前高田市に赴きたいと思います。

(社会学部1年 高橋悠真)

◆チームはしかつ
 他のグループの発想力に富んだプランや事業者の方の今回のワークショップに対する思いなどが聞けてすごく学びの多い報告会でした。私たちは今とても多くの問題を抱えており、その深刻さや切迫感から焦ってしまったり、悲観的になりすぎてしまったりすることがあると思います。しかし、こうして色々な人と協力して、自分の得意なことを活かしながらみんなで解決していけば良いのだと感じました。これからも、持続可能な社会の姿を模索しながら、行動していきたいと思います。

(法学部1年 森 響子)

◆チームあすなろ
 SDGsを推進していくには、事業者を超えた連帯が必要であることを改めて認識しました。チーム同士で議論をしていたものが最終的にどのような形でプランに組み込まれたのかが気になっていたのですが、どのチームも事業者として自立しながら他事業者との連携を取り入れられていたのが印象的でした。これは、「事業者で連携することが陸前高田市にとって、そしてSDGsにとってどのようなメリットがあるのか」を議論できた成果ではないかと感じています。

(法学部1年 中越百合子)

 これまでの活動の集大成を飾ることが出来た安堵感と、もうこれで活動が終了になってしまうという寂しさとが混在し、複雑な心境です。陸前高田市の事業者さんの生の声を聞き、「よそ者」の視点ではなく、市民になったつもりで事業者さんや地域が抱えている課題について一緒に考える機会を与えてもらえたことはとても貴重な体験でした。また、チームで夜遅くまでオンラインを利用して議論を重ね、学部や学年を越えた交流が出来たことは、コロナ禍だからこそ出来たことではないかと思います。今後も長年続いた陸前高田市と法政大学の交流を未来へ繋いでもらいたいと思います。

(大学院経営学研究科修士課程1年 永井紀子)

 

◆チームがんばっぺし
 SDGsのことで何か行動してみたい、オンライン開催なら参加できそう、と考え、このプログラムに参加しようと決意しました。第一回目の事業者さんとのZOOMでは緊張してしまいました。そのため、なかなか発言することが出来ずに終了し、企画を考えることが出来るのかどうかと不安になりました。しかしその後、一緒にプログラムを行う方々と頻繁に連絡を取るようになり、少しですが企画に参加することが出来ました。完成したポスターは事業者さんが店舗に掲示、配布して下さっているということを聞きました。実際に形にすることが出来たという喜びを感じています。とてもやりがいがあり、濃い4か月となりました。ありがとうございました。

(生命科学部1年 竹部智香)

<最後に>

学部や学年を超えて編成したチームの活動に、学生たちは苦労や葛藤を抱えたこともありましたが、乗り越えることができました。チームそれぞれだけで考えるのではなく、他のチームの工夫点を共有したり、連携し合ったり、ワークショップメンバー全体で活動することができたからです。チーム同士でゴール17「パートナーシップで目標を達成しよう」を体感できたことは大きな成果だと言えます。

【参加学生にサティフィケートを発行しました】

今回の取り組みでは、「人と人が繋がる」ということを大事にしました。コロナにより実際に陸前高田市にお邪魔することが叶わない、という状況でしたが、「人と人」が繋がり、温かい交流の場を持つことで「行きたい、会いたい」という絆を育むことができたのではないかと感じています。今回の取り組みはすべてがオンラインで行われましたが、コロナ収束後には学生が現地でアクションを起こすことを期待しています。

法政大学はSDGsの貢献や達成に向け、今後も陸前高田市と連携を進めていきます。

 

◆陸前高田市×法政大学SDGsワークショップ 最終報告会(2021年3月12日開催)
 動画URL https://www.youtube.com/watch?v=Xx7XPOHCPVQ&t=46s

◆ワークショップ便り その1 
 https://www.hosei.ac.jp/sdgs/info/article-20201224160742/

◆ワークショップ便り その2
 https://www.hosei.ac.jp/sdgs/info/article-20210113111750/