イノベーディブなシステムを教育の場に定着させるためには最前線の教職員とともに,情況に応じたフレキシブルな対応が必要となっています.そこで,本シンポジウムではこうしたイノベーティブなシステムを教育の場に展開した事例を取り上げ,その内容をご紹介いただくプログラムといたしました.
基調講演ではITを活用した先端的な取り組みを実施されている早稲田大学の深澤良彰 情報化推進担当理事を迎え,先進的な取り組みとその際に直面した課題などについてご講演いただきます.
基調講演に続くセッションでは本学の各学部において実践されているITを活用したイノベーティブな取り組みに関する様々な知見および成果を報告いたします.
多数の皆様のご参加をお待ちしております.
13:30 – 13:40 | 開会挨拶 八名 和夫 (法政大学 情報メディア教育研究センター所長) |
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13:40 – 14:30 |
基調講演 抄録 国際・国内における大学間の競争は、厳しさを増している。この競争に勝利するために有効な方法の一つは、大学における多種のステークホルダーに対して、より良いソフトウェアシステムを、幅広く提供することである。さらに重要なことは、このようなソフトウェアを多くの利用者に使ってもらうことである。このような視点から、早稲田大学で行ってきている先進的なソフトウェアシステムの構築・導入の状況を概観するとともに、将来にむけてのビジョンのあり方を示したい。 |
14:30 – 15:10 |
法政大学におけるイノベーティブな試み Ⅰ 抄録 経済学部では、2012年度、学部の重点目標に関わる「2-4年次の専門ゼミの募集方法の改善」への施策として、Webによるゼミ応募システムを導入した。経済学部では、ゼミ募集で希望者が特定ゼミに集中して多くの不合格者が出てしまうことなどにより、入ゼミ希望者のうち100名程度がゼミを履修出来ていない。システム導入で、これまでの手作業による応募では不可能だった中途での志望ゼミ変更が可能になり、さらに応募動向の細かい分析も可能になった。今年度は、さらにそこから進みeポートフォリオの導入により、単なるゼミ応募のシステムにとどまらず、学生の自発的な学びを促し、それを評価してゼミ選考を行えるシステムを構築する。 |
15:10 – 15:30 | Break |
15:30 – 17:10 |
法政大学におけるイノベーティブな試み Ⅱ 抄録 フィジカルメッセージに関する指導の方法として、Webビデオを用いたプレゼンテーション技術改善の有効性に注目してきた。それらを実証するため2008年度から授業で行われる発表会をビデオ収録し、それをWebビデオとして時間および場所を問わず視聴できるようにした。本報告ではプレゼンテーション技術の習得におけるビデオ活用の有効性を報告する。 グローバル人材育成を支援するeポートフォリオシステムの構築 宮崎誠 (法政大学 情報メディア教育研究センター 助手) スライド 抄録 グローバル人材開発推進事業採択を受け、本学ではERP(英語強化プログラム)、国際ボランティア・国際インターンシッププログラム、SA(海外留学)プログラムといったさまざまな取り組みを実施している。これら取組みを支援する教育ICT基盤としてオープンソースのeポートフォリオシステムであるMahara (HOPS)を導入し、学生自身の学びの記録や学習コミュニティによるピアラーニング環境をデザインできるだけでなく、人材育成における到達度の測定や学生の学習や経験を通じた自身の成長の自己評価が可能となるよう独自に「ルーブリックプラグイン」を開発している。本報告では、eポートフォリオの活用に向けた取組みを紹介すると共に、eポートフォリオ利用推進のための支援体制について報告する。 電子透かしを利用した紙文書と授業支援システムの連携 常盤祐司 (法政大学 情報メディア教育研究センター 教授) 予稿 スライド 抄録 昨今の大学におけるITを活用した教育環境ではe-Portfolioなどの導入も相まって学生の学習成果を蓄積することが要求されている。しかしながらこれまで行われてきた紙ベースの教育方法ではITを活用した教育との棲み分けあるいはITシステムへの成果物蓄積が課題となっていた。法政大学では複合機を活用して授業で利用する出席票、レポート、テスト用紙に電子透かしを埋め込み授業支援システムと連携した教育システムを開発した。これにより紙ベースの教育方法とITを活用した教育方法が連携し、より多くの教育手段を教員に提供することができるようになった。本講演では電子透かしを用いて開発した教育システムの概要と2013年度前期に実施した実証実験の結果について報告する。 |
17:10 – 17:20 | クロージング |
問合先:情報メディア教育研究センター事務局 Mail: media@ml.hosei.ac.jp