2020年2月19日(水)から29日(土)にかけて、国立台湾大学において、特別展示『社会科学図書館に集う日本堀川一族の著作』が開催されました。2017年10月に、国際学会の際に堀川教授が国立台湾大学を訪問したことを契機に、堀川教授とそのご家族4世代にわたる著作が同大学内の社会科学系図書館(正式名は「辜振甫先生紀念図書館」)に収蔵されることになりました。この展示はそれを記念して開催されたものです。
堀川教授の祖父君、父君は、ともにジャーナリストとしてご活躍されました。祖父君は1927年のジュネーブ海軍軍縮会議を密着取材して報道し 、後に単著を認めています。また、父君は高名な社会学者・故富永健一氏らと共著で『これがアメリカだ』 を著しています。堀川教授ご本人と祖父君、父君のほか、建築デザイン分野にて活躍する甥御様を加えた、堀川家4世代の著作が集い、日台の学際交流の一端として展示されました。
「生きるものは自らの道を見いだす。 では書籍は自分の居場所を見つけられるであろうか。
2017年10月下旬、(日本) 法政大学社会学部の堀川三郎教授が社会科学図書館を訪ねたとき、 彼は案内役を担った職員に対して,本図書館に彼の祖父・ 堀川淳一郎の著作『工場経営の見方』(1925年出版) が所蔵されていると言及した。
日本に戻った後,堀川教授は本館宛に感謝の手紙を送り、 本図書館の機能と構造を上手に説明した職員の仕事を称賛した 。さらにその後、堀川教授は自分のご尊父・堀川淳弘の著作『 これがアメリカだ』(1967年出版)及び甥・堀川淳一郎著作『 Parametric Design with Grasshopper 建築/ プロダクトのためのGrasshopperクックブック』( 2017年出版)を本館に贈与し、 本人の著書も2018年2月に出版される予定であることを伝えた。
2019年5月、堀川教授が自分の著作『 町並み保存運動の論理と帰結:小樽運河問題の社会学的分析』 が日本都市計画学会「石川奨励賞」を受賞した喜びを、 本館職員に手紙で分かち合った。本館も同年8月, 業者からこの著作を購入,12月に配架完了し、 2020年1月に堀川教授に堀川一族の著作が国立台湾大学社会科 学図書館に揃ったことを知らせた。
一つの家系四世代の著作が一つの図書館に所蔵され、 それらの出版年が1925年から2018年まで90年以上、 二つの世紀に渡っている。 この得難い縁は日台の歴史的淵源証であり、 日台学術交流において美談として伝えられている。」
特別展示の全景