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【ゼミ合宿報告(2)湯澤ゼミ】ゼミ夏季合宿報告

  • 2023年09月29日
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湯澤ゼミ(概要)

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ディスカッションの様子

GIS湯澤武教授が教鞭をとる国際関係論ゼミ(Seminar in International Relations)は、9月初めに千葉県南房総市にて2泊3日の合宿を行いました。以下レポートです。

湯澤ゼミの夏合宿の主な目的は、各ゼミ生が年度末に提出する研究論文(4年生:英字8,000語、3年生:英字4,000語)のベースとなる研究計画書を精査することおよびゼミ生間の親睦を深めることにあります。合宿時の演習の具体的な内容は、主に計画書の各項目、すなわち1)研究の背景、目的、問い、2)先行研究、3)仮説、4)データ収集・分析手法について、それぞれ論理性や明確性、妥当性などについて集中的に議論し、各ゼミ生の研究力の向上を図ることにあります。初日の演習では、4年生の計画書について突っ込んだ質問・コメントが飛び交いました。3年生のお手本となる計画書を報告してくれた4年生ですが、内容的にはまだまだ修正が必要です。報告ごとに各自最低1回はコメントするという少人数制ゼミならではのルールのもと、3年生も臆することなく、積極的に議論に参加しました。

2日目の演習は、いよいよ3年生の出番です。3年生は、指定された社会科学の研究方法に関する文献を熟読したうえで、計画書の作成に取り組みましたが、当然ながらこの段階で計画書をきちんと書ける学生はいません。3年生の研究は、教員および4年生からのコメントを通して、「研究」とは何かについて理解することから始まります。2日間にわたる演習の後は、打ち上げ会です。毎年なぜか酒豪が揃うゼミであることから、いつも学期末の打ち上げ会は大いに盛り上がりますが、合宿の打ち上げ会は一味違います。旅先ということもあり、互いに普段とは異なる意外な一面を知ることができます。

最終日は、帰京途中にレクレーションとして、南房屈指の景勝地である鋸山を訪れました。 猛暑のなか、山頂で美しい景色を愛でながら涼もうとロープウエイに乗り込むも、着いてみれば、お目当ての名所を巡るためには、さらに往復1時間半の行程で山道を歩かなければならないことが判明。しかしそこで怯むゼミ生たちではなく、愕然とする教員を尻目に、当然でしょといわんばかりに歩き出す始末。教員も老体に鞭を打って、若者たちについていきましたが、サウナにでも入ったかのごとく全身汗だくになり、これじゃレクレーションではなく単なる苦行だよとぼやきつつ下山(翌日激しい筋肉痛)。その後現地解散となりましたが、元気なゼミ生たちは、その後夕方まで海岸で遊び、帰ったとのことです。

今回の合宿では、中央アジアにおける多国間制度構築の展望、ルワンダにおける権威主義体制の台頭と経済開発、資源開発競争とナバルノ・カラバコル紛争の因果関係、東南アジア諸国連合(ASEAN)における環境協力の展望、中国の産業政策の内外的要因、アフリカ連合(AU)における反クーデター規範の動態など多様な研究テーマについて議論しましたが、毎年ゼミ合宿を行うたびに、学部生のレベルでよくぞ大学院生並みのテーマを見つけてこれるなと、国際政治に関するゼミ生の洞察力には驚くばかりです。教員にとって、ゼミ合宿は、春学期のゼミで様々な課題をこなしてきたゼミ生の成長を実感できる嬉しい機会でもあります。今回諸事情によって合宿に参加できなかったゼミ生諸君は残念でしたが、秋学期に元気な姿を見せてほしいと思います。

  • ゼミの学生と湯澤教授

  • 南房総 鋸山にて