お知らせ

人馬のウェルビーイング研究所 体育会馬術部  『JRA馬術フォーラム』へ参加・出演しました

  • 2025年06月17日
  • イベント・行事
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お知らせ

 2025年5月24日(土)・25(日)に、人馬のウェルビーイング研究所(大学院特定課題研究所、以下人馬WB研究所)並びに体育会馬術部(以下馬術部)が、『JRA馬術フォーラム』へ参加・出演しました。東京都世田谷区にあるJRA日本中央競馬会馬事公苑が主催し、馬術関係者や乗馬愛好家に騎乗技術や馬術に関する知識を提供することを目的に開催されました。JRA職員の北原広之選手がフォーラムを統括し、同じくJRA職員の佐渡一毅選手とアイリッシュアラン乗馬学校の林伸伍選手(3名ともに東京2020オリンピック馬場馬術日本代表)が、引退競走馬でのリトレーニングに関するデモンストレーション騎乗を実施しました。
 その中で、フォーラムのメインテーマとして「引退競走馬のリトレーニング/グラウンドワーク」が据えられ、その実演を馬術部が担うこととなりました。『JRA馬術フォーラム』に大学馬術部が出演することは初のことであり、馬術部はその栄誉にあずかりました。本学は2021年より3年間、スポーツ健康学部高見京太教授(人馬のウェルビーイング研究所所長/体育会馬術部部長)による正課授業「課題解決型フィールドワーク『引退競走馬のセカンドキャリア構築による人馬のウェルビーイング』」において、JRA職員の有識者を招き、JRAが開発した「引退競走馬のリトレーニング/グラウンドワーク」の講義を実施いただきました。加えて2023年3月にはJRA馬事公苑宇都宮事業所へ、高見教授と馬術部員がグラウンドワークの事業現場学習として見学訪問を実施しました。その様な中で馬術部人馬はJRA職員の皆様より3年間レクチャーをいただき、部の文化としてグラウンドワーク技術が定着してきました。その取り組みをJRAより評価いただき、今回の出演と相成りました。

 馬術部の出演人馬は、現代福祉学部4年生稲村貴輝選手・法学部3年生金子和津音選手とラジュンジェレ(9歳牝馬)、経済学部4年生大塚渉平選手とヤマニンプレシオサ(8歳牝馬)、経済学部2年生郡山祥多選手とヤマニンペダラーダ(11歳セン馬)、以上の構成となりました。上記馬達を含めて、馬術部で繋養している馬は全て、北海道新冠町の競走馬生産育成牧場である錦岡牧場より寄贈いただいた引退競走馬になります。人馬WB研究所は錦岡牧場と提携を結び、連携の上で引退競走馬のセカンドキャリア構築に関する研究に取り組んでいます。
 フォーラムにおける馬術部グラウンドワーク実演のコンセプトは、JRAリトレーニングマニュアルより馬術部人馬が日々学習実践してる、「馬取扱いの共通理念は、引き馬(=グラウンドワーク)の技術を応用して『人馬の信頼関係を構築すること』と『人が馬のリーダーになること』」に定め、以下の構成で実践しました。

1. 馬術部の人馬構成、グラウンドワークへの取り組み紹介
2. 錦岡牧場より寄贈いただいた引退競走馬のセカンドキャリアを構築する活動紹介
3. 大学から馬術を始めた部員を中心とした人員構成に伴う、グラウンドワークの取り組み事例紹介
4. グラウンドワークのモデルケース人馬の実演
  稲村選手&ラジュンジェレ
  大塚選手&ヤマニンプレシオサ
         ・ステップ1 マインドのリセット(JRAリトレーニングマニュアルより) 
  レベル1≪引き馬での前後方向働きかけ≫発進・停止・後退
         レベル2≪後躯に対する横方向働きかけ≫プレッシャーon、off
  レベル3≪正面からの前後方向働きかけ≫プレッシャーで後退を促す、プレッシャーの解除を利用した前進

  ・ステップ2 人馬の信頼関係の強化(JRAリトレーニングマニュアルより)
   ≪フリーランジング(調馬索を使用しない円運動)≫
5. グラウンドワークのチャレンジ人馬の実演
  金子選手&ラジュンジェレ
  郡山選手&ヤマニンペダラーダ

 フォーラム全体の進行は北原選手が務められ、24日の馬術部グラウンドワーク解説を武内慶太馬術部アドバイザーが、25日は柏村晋史馬術部監督(人馬のウェルビーイング研究所大学院特任研究員)が担当しました。25日には北海道新冠町より、錦岡牧場の育成スタッフである村山大河氏が生産育成馬への激励の為に馬事公苑へ来場され、北原選手からのオファーにより、グラウンドワーク実演の際に特別解説としてご登壇いただくこととなりました。引退競走馬に関する馬術フォーラムへ、競走馬の生産育成牧場・JRA・セカンドキャリア先の大学馬術部の面々が集うこととなり、非常に有意義で実りある機会となりました。
 フォーラムは天候にも恵まれ両日共に200名程度の観衆が集まり、大変盛況となりました。実演した馬術部人馬にとっては日頃のリトレーニングにおける成果発揮の貴重な機会となり、信頼関係の下で選手が馬のリーダーとなってスムーズに実演できたこと、大観衆の中で人馬の意思疎通が難しい瞬間があったこと、全てが大切な学びとなりました。グラウンドワークの重要性と有用性を全員で実感でき、馬術部として一層力点を置いて取り組んでいくためのターニングポイントとなりました。
 今後も、人馬WB研究所並びに馬術部として、学内外のパートナーの皆様と共に『人馬のウェルビーイング』の輪を広げ、スポーツ・レクリエーションと研究・教育を融合させ、人馬双方の健康で幸福な暮らしの実現を目指して参ります。

 

  • 200名程の観客が集い、JRA馬術フォーラムが開催されました

  • 北原選手進行の下、武内馬術部アドバイザーの解説で馬術部人馬がグラウンドワークを実演

  • 北原選手がオリンピックライダーの視点で観客の皆様へレクチャー

  • 金子選手&ラジュンジェレのグランドワーク実演 (大型ビジョンにも馬術部人馬を素敵に掲出いただきました)

  • 実演中に稲村選手がラジュンジェレの動作理解を褒め称えている様子

  • グラウンドワーク実演後に観客の皆様へ人馬よりご挨拶 (左から稲村選手&ラジュンジェレ、郡山選手&ヤマニンペダラーダ、大塚選手&ヤマニンプレシオサ)