8月30日(土)、31日(日)の二日間、JR東日本八王子支社の防災・減災啓発イベントに、ソーシャル・イノベーションセンターの学生スタッフとボランティアスタッフが参加しました。
このイベントは、JR東日本八王子支社が主催する、産官学が連携した防災・減災意識を高めることを目的としたイベントです。例年、杏林大学救急救命クラブ(KELC)や東京都消防庁八王子消防署が「救急救命」をテーマに参加しており、SICは今年から追加された「防災減災」をテーマに初参加となりました。
当日は、八王子駅の多目的スペース「つながルーム」を会場に、神戸市消防局職員が開発したカードゲーム型の防災訓練教材「ダイレクトロード【初めての町】」を使用したワークショップを実施しました。「観光中に災害に見舞われた場合、どう行動すべきか?」について、架空の町の地図や情報カードを駆使してシミュレーションできるゲームです。
駅構内での開催ということもあり、両日ともに当初の想定よりも多くの方々にお立ちよりいただき、二日間で50名以上の方が参加してくださいました。
参加者はご夫婦、親子、防災について学んでいた大学生など多様で、東日本大震災を間近で体験された方などからお話しをお聞きする機会もあり、学生にとっても有意義な時間となりました。
ご協力いただきました皆様、誠にありがとうございました。
参加学生の感想
- 今回は八王子駅の目の前での出展となり、多くの人が通る場所であった。内容があまり回転効率の良い内容でなかったので、見送る人も多く、そこが次回の改善点であると感じた。JRの方々とはこれが初めてのイベントであり、これからも継続的に読んでもらえるような関係性を構築できればと考えている。
- 今回のイベントではダイレクトロードという防災カードゲームに参加しました。参加者の方の防災意識や津波から逃れるための思考を垣間見ることができました。最初は私も正解を知らないプレイヤーとして参加させていただきましたが、役に立たない地元住民の証言や町の掲示板に書かれていること、ゲーム上の津波から逃れようとしている自分の視覚などの情報を駆使して唯一の生存ルートを見つけ出す作業はとても奥深く面白いものだと思います。親しんだ土地で災害が起こってしまった状況でも、色々な情報を掛け合わせ最適解を導くということはとても難しいというのは承知の上ですが、このゲームのように知らない土地で災害が起こった際、まだ情報があれば戦えるという点は、情報が力であることをゲームを通して再認識させられました。また、災害に関する楽観的な経験はあてにならず、常に最悪の事態を考え最善の行動をすることが大切だと感じました。
- ボランティアスタッフの活動に学スタとして参加させていただいたことで、活動の一部を知ることができたことが非常に良かったです。また、ダイレクトロードでは、想定の倍以上のお客様に来ていただけたことで、コミュニケーションを沢山取ることができ、非常によい経験でした。防災についての意識や、お客様と話して感じたこと、活動するときの注意点など沢山のことを学ぶことができました。今後、個人としても学スタとしてもこの経験を活かせるようにしていきたいです。貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。
- JRの駅員の皆様のご協力もあり、2日間で多くの方にお立ち寄りいただきました。ダイレクトロード「初めての町」では、旅行先で災害が発生した際の行動を学ぶことができ、防災をより身近に感じていただけたのではないかと思います。一方で、難易度の高い内容であったため、初日はルール説明の段階で戸惑う参加者も見受けられました。説明の内容や進行の方法を工夫したことで、2日目は円滑に分かりやすく進行できたと感じています。この経験を活かして、今後のイベントでは企画の運営方法や参加者への伝え方をより意識し、楽しみながら学べる防災イベントの実施を目指していきたいと思います。
- 今回のイベントは駅での開催ということもあり、これまでの活動とはまた違った新鮮な気持ちで取り組むことができました。実施した「ダイレクト・ロード」については参加者の方からご好評をいただき、認知バイアスや経験の逆作用といった災害時の障壁や避難行動について改めて考えるきっかけになったのではないかと思います。一方で、午前中は参加者が少なく、思うように進まない場面もあったため、今後は場所や内容についてさらに工夫を重ねていきたいと感じました。
- 二日間運営として参加させていただきましたが、とても有意義な時間になりました。実際にイベントに参加してくださった方の中に東日本大震災を経験された方がいらっしゃって、テレビでは聞くことのできないリアルなお話を聞くことができました!次の機会があれば是非また参加させていただきたいです!
- 震災にあった時、どのような行動をとるべきか。過去の事例が元となるロードマップで震災の疑似体験をしました。参加者と一緒に考え、答えの道を探し出していきます。海側は避ける、低い建物は避けるなど、震災に関する共通認識もある中、参加者同士で認識の違いがある課題もあり、難しいと感じる方が多い印象でした。今回のイベントを通じて、普段からの心構えや備えの大切さを改めて実感しました。参加者一人ひとりが考えを共有し合うことで、新たな気づきを得られる非常に有意義な時間となりました。