SICでは学生も地域も共に学び、“語り合う場”としてSICカフェを実施しています。
2024年度春学期は計5回のSICカフェを開催いたしました。各回の様子についてこの記事でご紹介します。
2024年度の第1回目のカフェは今年度から立ち上がった新たなプロジェクト「若葉台プロジェクト」のキックオフを兼ねて、若葉台住宅の紹介と交流を行うカフェとなりました。当日は、下記の方々からそれぞれお話しを伺いました。
・若葉台住宅を考える会「若葉台住宅の現状と課題」
・若葉台自治会「グリーンスローモビリティについて」
・今井 裕久氏(法政大学デザイン工学部非常勤講師)「法政大学ゼミでの若葉台活動」
法政大学からほど近い城山エリアにある若葉台住宅は、黒川紀章氏がデザインし、郊外の高級住宅地として緑化率の高さ(50%)が特徴です。しかし、現状の課題として高齢化による移動(モビリティ)の問題や、商店街の衰退による買い物難など様々な課題に直面しています。この日は関係者として、この住宅を設計された井上 正良氏も参加されており、想定よりも早いスピードで進む人口減少、少子高齢化等の中、若葉台がどう暮らしを守っていくのか見守っていきたいとの想いを語ってくださいました。
カフェのあとは、地域の方と学生が対話し、アンケート調査を新しいプロジェクトでも行いたい、新たな取り組みであるグリーンスローモビリティに学生も乗って地域の方と交流したい等、意欲的な意見交換がなされました。
SICカフェの第2回目は、八王子市水循環部の職員の方々をゲストにお招きし、八王子市の河川の特徴や自治体として取り組む水辺を活かしたまちづくりをテーマに開催しました。
赤尾 隆範氏(八王子市水循環部水環境整備課 課長補佐兼主査)、町田 真一氏(同課 主任)、佐藤 佑紀氏(同課 主任)、安西 広太氏(同課 主任)より、八王子市を流れる河川の特徴や水循環計画を始めとした河川に関わる政策などをご紹介いただきました。行政の視点で、八王子市の水環境がいかに改善されてきたか、それをこれからも維持していくためには何が必要か、など様々なお話を聞くことができました。
また、水辺を活用した市民活動を支援する制度「水辺の水護り(みまもり)制度」についても紹介いただき、今後学生との連携を視野に入れたプロジェクトを実施していきたいとの提案がありました。八王子市の自然環境を維持していくために、自分たちにできることを考えるよいきっかけとなりました。
SICカフェ第3回目の開催は、相模原市の津久井地区を活動拠点としている昆虫写真家・安川源通氏をゲストにお招きしました。安川氏が開催する教室にSIC学生プロジェクト団体「藤野やまなみプロジェクト」に参加している学生が参加したことがきっかけで、昨年度に引き続いてのカフェの開催となりました。
今回は、「昆虫写真から社会を「読む」」をテーマに、人間の行為が昆虫など他の生物に与える影響や生物多様性の大切さなど、1枚の写真からいかに撮影者の意図や情報を読み取ることができるのかをお話しいただきました。対話形式の講演であったため、参加した学生との間でも様々な意見が交わされ有意義な時間となりました。
SICカフェの第4回目は、元多摩地域交流センターの地域連携コーディネーターをされていた星野善晴氏(法政大学デザイン工学部建築学科教務助手)と藤本貴子氏(法政大学デザイン工学部建築学科教務助手)をゲストにお招きし、デザインとイノベーションをテーマに開催しました。
まずは、星野氏より多摩キャンパスやSICの事例から、デザインとは「仕組み」を設計することであり、その仕組みの中でいかに新しい価値を生み出していくのかという意味で「イノベーション」を行う人々が重要な役割を果たしているのだというお話をしていただきました。また、藤本氏からは大高正人の建築を事例として、設計者がいかなる意図をもって建築物を設計しているのか、またその「デザイン」が活かされるためにはその空間を「使用する」人々の行為が重要になるとのお話しをいただきました。
当日は、学生が20名以上参加しており、「これまで自分たちが取り組んできた活動がデザインだったことに気づいた」「今後取り組もうと考えている居場所づくりに生かしたい」などの感想が聞かれ、盛会となりました。
6月にはSICカフェの番外編としてお昼休みの時間を活用した「学生による活動紹介」の会を実施しました。自主的に学外活動に取り組む学生が自らの活動内容や活動への思いを紹介することで、新たな出会いやコラボレーションが生まれることを期待した企画です。
当日は、それぞれの場所で子ども食堂などの居場所づくり活動に取り組む学生が集まり、情報交換や活動における悩み事の相談など活発な交流が行われました。
SICカフェでは、ゲストからの話題提供を受けての語り合いだけではなく、この参加をきっかけとした人脈づくりや場づくりから、更なる活動へのチャレンジに繋ぐ場に発展させていきたいと考えています。秋学期以降も、SICを会場に学生や近隣の皆さんと語り合う場を設けていく予定です。ぜひご期待ください!
ソーシャル・イノベーションセンター
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