お知らせ

2/1『第34回多摩シンポ×地域交流DAY2018』【第1部】学生プロジェクトの活動報告

  • 2019年02月15日
お知らせ

法政大学多摩地域交流センターは2月1日(金)、『第34回多摩シンポジウム×地域交流DAY2018~~実践知を高める地域と学生』を開催しました。田中優子総長による講演「多摩地域の価値と大学~江戸東京研究からの視座」や、初代の多摩地域交流センター長を務めた平塚真樹・総長室長のセンター設立にこめた当時のねらいを聞くことで、改めて、学生と地域が共に今の地域課題に向き合う意義や、大学周辺地域が歴史的に育んできた自立の精神を再確認し、「ここで学び・暮らすこと」を見つめる時間となりました。活動地域や行政、他大学の方々、各地のまちづくり関係者から学生たちまで、200人を超える方々のご参加をいただきました。日頃のサポートと合わせ、お礼を申し上げます。

第1部:「地域交流DAY2018」~学生プロジェクト活動報告

センター登録の学生プロジェクトの活動が本格化してほぼ5年が経過しました。2018年度は14チームが登録プロジェクトとして活動しました。活動の成果も課題も多様化しています。発表で印象的だったポイントをご紹介します。

地域で学生たちの役割が深化

たまぼら館ケ丘プロジェクト(八王子市館ケ丘団地で活動)は、連携する地域のパートナーが当初はシルバーふらっと相談室だけだったのが、自治会、保育園・児童館、地域食堂の「たてキッチンさくら」(2018年9月開業)にまで広がりました。ただ、各施設と学生たちの関わりが1対1のつながりとなっていて、住民さんも、自分が利用したことのない施設については「あそこは何をやっているのかわからない」といった声があると語り、学生がそれぞれとの関わりを深めて、各施設を横につなげていくことを今後の目標に掲げました。

@団地(八王子市のグリーンヒル寺田)も活動が4年を超え、その間に、団地内にコミュニティスペースができ、住民カフェが始まって定着するなど、地域の状況が変化してきます。ただ、高齢化やスーパー撤退などの根本状況は変わらないため、住民さん自ら、地域を元気にする活動の担い手になっていくことが目標です。学生主催のイベントに参加者として来る→学生たちの協力者になる→自立して住民だけで活動、と段階を上っていくように後押しすることを意識してイベントなどの活動を展開したと報告しました。

TeamTamaActionProject(ちむたま)も活動の曲がり角に来ています。東北大震災で被災した宮城県石巻市の小渕浜地区を支援してきましたが、仮設住宅が閉鎖され住民は復興住宅に移転しました。訪問や傾聴を続けていますが、「もう来なくてもいいよ」という声も聞こえる一方、顔なじみになり訪問を喜んでくださる方々もいる現実をどう考えていくかか課題です。大学周辺に防災の重要性を伝える活動も始め、11月は相原・中村町会と災害図上訓練(DIG)を実施しました。地域の方からは高齢化が進むなか、災害に先手を打つため、大学生の活躍に期待が表明されました。

「開かれた場」をいかにつくるか

活動のなかで日常的にぶつかる課題として、誰もが安心して参加できるような「開かれた場」をいかにつくるかも、複数チームから課題として挙がりました。

こすもすだれでも食堂は、地域の方、学生などいろんな立場のメンバーで運営していますが、互いが存在そのものを認め合ういい雰囲気があることが、利用者を迎える場の雰囲気づくりにも反映されると話しました。

ふなでは、カフェのコーヒーの腕を磨く以外に、バルーンアートなどの技も磨き、定期的に活動する場所(相原スターキッズ)以外の場所でのイベントにも出向き、初めての場所でもみんなが楽しめる場づくりに取り組んでいます。

たまぼら佐野川チームは、相模原市佐野川でのお茶・ひまわり・麦などの農作業に子どもたちを迎え入れました。教わる立場から教える立場になり、人と接する要素が増えた今年、「学生も地域も楽しく活動できたことが大きな成果」と胸を張りました。

さんかくは多摩市立諏訪小学校で活動するなか、「子どもに怪我がないように」運営に心を配り、わくわくほうせい!(経済学部 山﨑ゼミ)も化学系のゼミの強みを活かして子どもへの科学実験の内容を工夫したと報告しました。たまぼらゆくのきチームは、大人でもない、子どもでもない「あいまいな存在」である大学生だからこそこどもが心を開いてくれ、できることがある、一人ひとりの個性を大事に向き合った、と語りました。

地域の方々との連携、つながり、交流を改めて点検

たまぼらやまなみチーム(相模原市牧野で活動)は地域の方々との交流について、「量から質へ」と深化を図りたいと語りました。

城山で活動するつながりプロジェクトも、先輩から代替わりし、現在のメンバーとしてはこれから新たに地域の方々とつながりを結び直すところだと局面をつかみ、関係を再構築して、今後の活動を考えていきたい、と話しました。

同じく城山で活動するCommunityFieldは、野菜づくりで収穫できた野菜が、地元の城山での交流に活かせるのはもちろんだが、団地でも歓迎される価値があると気付いたと発表しました。交流のためにもよりよい野菜を作りたい、学生同士での交流も増やしたいと語りました。

チーム間の横の連携に厚み

地域交流センター学生スタッフ(HUCC学生スタッフ)が、年間を通して、チーム横断で情報交換する「連携ミーティング」を呼びかけたり、チーム横断で企画・開催する「たままち日和」をリードしてくれました。日頃の活動においても複数チームの連携が増え、団地のイベントに野菜やお茶をつくるチームが参加したりといったチーム間コラボが数多く報告されました。

地域側からのパートナーコメント

学生たちの発表に対して、地域側で連携してくださるパートナーの方々からコメントもいただきました。

たてキッチンさくらの苗村さん

月・水・金のお弁当販売日に、店まで買いに来れない方に宅配しているが、学生が配達を手伝ってくれて助かっている、今後もよろしく!看板もありがとう!

グリーンヒル寺田 中西さん

カフェ部のカフェは77回に到達した。人数では苦労しているが、引き継いで継続してくれていることが地域の住民の間のつながりづくりに大きく役立っている。

町田市災害ボランティアの会代表(相原・中村町会) 長田さん

高齢者は人生の経験があるから、ことが起こった後の対応はある程度うまくできる。だが、防災は、事が起こるまえにやること。これからのことを考えるのは若い人の発想を生かしてほしい。DIGの会での学生たちとの出会い以降、住民が変わった。「また来てもらいたい!」と言われている。

相模原市環境経済局 津久井地域環境課 北村さん

水辺環境保護ということで、藤野や城山など各地でホタル生息地再生の活動していただいている。たまぼらやまなみチームはじめ、いろんなチームの活動を聞いた。他の地域でもぜひ活動していただきたい。

城山・小松自治会長 大参さん

継続は力。メンバーが1人でも2人でも続けてほしい。地域はとかく「来てくれ、してくれ」と学生からTAKEすることを考えるが、そのためには、先に地域側が学生へGIVEしなくてはならないと考えている。学生に何が与えられるか、地域として学生たちをどう役立てるか、目線を下げて考えたい。

団地/居場所づくり

①たまぼら 館ケ丘プロジェクト  八王子市館ケ丘団地
②カフェ部  八王子市グリーンヒル寺田
③@団地  八王子市グリーンヒル寺田
④こすもす だれでも食堂  八王子市片倉
⑤ふなで  町田市相原など        

復興支援・防災/子ども系

⑥Team Tama Action Project  宮城県石巻市、町田市など
⑦たまぼら ゆくのきプロジェクト   町田市立ゆくのき学園
⑧さんかく  多摩市立諏訪小学校
⑨わくわくほうせい!(経済学部 山﨑ゼミ)  多摩キャンパス、福生市、国立市など

里山系/チーム間連携

⑩たまぼら 佐野川プロジェクト  相模原市緑区佐野川
⑪たまぼら やまなみプロジェクト   相模原市緑区牧野
⑫Community Field  相模原市緑区城山
⑬つながりプロジェクト  相模原市緑区城山
⑭多摩地域交流センター(HUCC)学生スタッフ

  • たまぼら館ケ丘プロジェクト

  • カフェ部

  • @団地

  • こすもす だれでも食堂(代読)

  • ふなで

  • 地域の連携相手の方々からもコメントをいただきました(写真は、たてキッチンさくらの苗村さん)

  • Team Tama Action Project(ちむたま)

  • たまぼら ゆくのきプロジェクト

  • さんかく

  • わくわくほうせい!

  • たまぼら佐野川プロジェクト

  • たまぼら やまなみプロジェクト

  • Community Field

  • つながりプロジェクト

  • 多摩地域交流センター 学生スタッフ