法政大学多摩キャンパスを社会課題解決の拠点にすべく、2023年4月に「ソーシャル・イノベーションセンター(SIC)」を開設しました。2013年度に開設した多摩地域交流センター(HUCC)を発展的に改組し、多摩キャンパスのボランティアセンターも統合することで新設した組織です。
SICのビジョンは、「社会課題を解決するための革新的な仕組をつくり続ける中心的な拠点になること」であり、具体的なミッションとしては、1)ソーシャル・イノベーションマインドを醸成し、実践に結び付けるための人財育成・輩出、2)ソーシャル・イノベーションに関する研究の推進、3)ソーシャル・イノベーションのためのトライセクター連携の推進を行うことを掲げています。
多摩キャンパスは町田市、八王子市、相模原市の市境に立地し、周辺地域にはさまざまな社会課題が存在しています。HUCCの10年間の歴史のなかで、学生たちは周辺地域との交流を深め、近隣住民のみなさまとともに、市街地・ニュータウン地域、および農村・中山間地域におけるさまざまなフィールドで社会課題の解決にチャレンジしてきました。 団地や商店街の活性化、地域コミュニティの再生、災害対策、伝統文化の継承、耕作放棄地の有効活用、サーキュラー・エコノミーの実践等に取り組み、課題解決に向けた成果がみえはじめるとともに、事業化の可能性も広がりつつあります。
SICの最大の特徴は、これらの地域交流を核とした学生主体のプロジェクトにあります。大学によるソーシャル・イノベーションの取り組みはファンドを活用した起業支援や教員主導のプロジェクトが中心となるケースが多いなかで、SICでは学生が主体となり、近隣住民のみなさまと協働しながら社会課題の解決に取り組んできました。今後もこれらの果実を大切に引き継ぐとともに、周辺地域との交流をより一層深めながら、企業や行政とも連携を図りつつ、社会課題を起点としたソーシャル・イノベーションを目指していきます。
なお、当センターは本学教職員で構成される「ソーシャル・イノベーションセンター運営委員会(センター長、副センター長含む)」によって運営され、日常業務はコーディネーター、本学職員、および学生スタッフが担うユニークな運営形態をとっています。当センターの取り組みに関心のある方は、どなたでもお気軽にお問い合わせ、お立ち寄りください。近隣住民、企業、行政のみなさまには、変わらぬご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
2025年4月
ソーシャル・イノベーションセンター長
野田 岳仁(現代福祉学部准教授)