お知らせ

【実施報告】異文化理解プログラム(ベトナム)を実施しました

  • 2025年05月08日
  • イベント・行事
お知らせ

本学では2015年度から、ベトナムの高校生・大学生を対象に、法政大学日本語スピーチコンテスト(ベトナム)を実施しています。
今回は、10回目のコンテストに合わせて、コンテストの現地での運営やベトナムの日本語学習者との交流、現地企業訪問等を内容とする、本学学部生向けの異文化理解プログラム(正課外)を実施しました。
定員を超える応募が集まり、志望理由等を元に選抜を行った結果、6名の学生とともに、プログラムをスタートしました。
なお、今回が初めての実施となる本プログラムは、トライアル的要素を含むプログラムとして、参加学生の声も反映しながら、「共に創るプログラム」として設計・運営しました。
また、海外プログラムでありながら、「日本語」で参加できる海外プログラムとして、本格的な海外経験の前段階としてレベルアップを目指す学生も参加できるプログラムとして計画されました。

実施概要

■ 期間

   2024年12月9日(月)~2025年3月29日(土)
   ※うち現地フィールドワーク3月25日(火)~3月29日(土)

■ 現地フィールドワーク場所

  ベトナム ハノイ

■ 参加学生数

  6名(1年生2名、2年生3名、3年生1名)

実施内容

オリエンテーション(12/9)

法政大学市ヶ谷キャンパスの対面会場とオンライン参加者、ベトナム現地を繋ぎ、ハイフレックス開催で、オリエンテーションを行いました。
前半では、ベトナム文化とベトナム人のメンタリティや国民性について、日本語スピーチコンテスト(以下日本語SC)の共催大学でもあるハノイ国家大学外国語大学(以下ULIS)で講師を務めるダン先生に講演いただきました。
後半では、本学日本語教育センター教授の村田晶子先生より、本プログラムに参加するにあたっての心構えや異文化交流をする際のポイント、日本語の指導方法等を学び、理解を深めました。

  • 九段北校舎で行われたオリエンテーションの様子

ベトナム人学生とのオンライン交流(1/14・2/10)

1月14日、2月10日の全2回にわたり、ULISの学生との交流会を行いました。
各回15名程のULISの学生が参加し、「日本とベトナムの文化の違い」や「学生生活の楽しみ方」をテーマに、1グループ3~4名でグループに分かれ、交流を行いました。
日本語での交流のため、本学側参加者にとっては言葉の壁をほとんど感じることなく、海外の学生と積極的に話すことができる機会となり、ベトナム側学生にとっても、日本語学習者として、日本語母語話者と交流できる機会となりました。
また、本交流会に参加したULISの学生のうち6名は、現地フィールドワークでの自由探索の際にサポートをしてくれることになりました(後述)。

  • 1回目の交流会での集合写真

  • 2回目の交流会での集合写真

日本語SC決勝審査進出者との合同スピーチ練習(3/4)

本プログラムと並行して開催された日本語SC決勝審査進出者19名の中から、希望のあった6名のベトナム側大学生・高校生に対し、本プログラム参加学生が、日本語話者として、スピーチを聞いた感想を共有したり、身振り手振り・抑揚の付け方などのアドバイスをしたりするなどして、1時間にわたって合同スピーチ練習を行いました(練習はペアになった学生と進出者でマンツーマン)。
また本会の実施後も、日本語SC本番で直接会えることを楽しみにしながら、それぞれのペア学生と調整した個々のスケジュールにてスピーチ練習を繰り返し行い、絆を深めました。

  • 合同スピーチ練習参加者の集合写真

現地フィールドワーク(3/25~3/29)

ベトナムのハノイにて4泊5日の行程での現地フィールドワークを実施しました。

1日目(3/25)

ノイバイ空港(ハノイ)にて現地集合をし、ホテルへ向かいました。
夕食は参加者の懇親を兼ねて、全員でベトナム料理を囲み、5日間のプログラムをともにする仲間と交流を深めました。

  • ベトナム名物カエルのから揚げと参加者懇親会の様子

2日目(3/26)

2日目となる3月26日は、ULIS、本学の卒業生が在籍されているORGANOベトナム社様、在ベトナム日本国大使館様を訪問しました。
午前中は、ULISの現地学生が日常的に学ぶ教室を訪れ「日本語翻訳」の授業に参加し、同じ机を囲みながら「ベトナムの文化・社会・国・ベトナム人」というテーマでの日本語のプレゼンテーションを聴講しました。現地の視点から語られる内容に触れたことで、ベトナムに対する理解が一層深まるとともに、海外における日本語教育の現場を体感する貴重な機会となりました。
授業後は、現地学生の案内の元、図書館や体育館をはじめとする学内施設を見学しました。昼食は、現地学生御用達の学外の食堂へ案内していただき、ベトナムでの学生生活を体験しました。
午後は、水処理設備を扱うORGANOベトナム社様を訪問しました。企業紹介に加えて、ベトナムでの駐在経験や日系企業における海外展開の現場について、卒業生の方にご講話をいただいたことで、将来の選択肢としてグローバルキャリアを考えるきっかけとなりました。
その後、在ベトナム日本国大使館様を訪問し、大使館の取り組みについての説明や、そこで働く皆様のキャリア、国際的な仕事の実際について詳しくお話しいただきました。普段なかなか伺うことのできない、大使館という現場で求められる資質や姿勢についても理解を深める場となりました。
夕食は、ハノイで活躍されている本学卒業生の皆様との懇親会を開催しました。多様な分野でグローバルに活躍する先輩方との交流を通して、リアルな「海外で働く」ことの魅力や課題について聞くことができ、大きな刺激を受けました。

  • 現地学生に混ざって「日本語翻訳」の授業に参加

  • 現地学生(ULIS)との集合写真

  • 現地学生おすすめの食堂で一緒に食事

  • 水処理設備を扱うORGANOベトナム社様での講話

  • 在ベトナム日本国大使館様での講演

  • 積極的に質問をする参加学生(在ベトナム日本国大使館様)

3日目(3/27)

プログラム3日目となるこの日は、事前に行ったオンライン交流会で出会った6名のULISの学生と共に、現地探索を行いました。
午前中は、参加者自身が設定したテーマに基づくフィールドワークを実施しました。事前に「訪れてみたい場所」や「現地で知りたいこと」などを共有し合い、関心に応じて3つのグループに分かれてハノイ市内を巡りました。
昼食時には、現地の学生が考案した手作りのゲームを取り入れた交流が行われ、リラックスした雰囲気の中で自然なコミュニケーションが生まれました。
午後には3グループが合流し、市街地を訪れるなど、街の雰囲気を感じながら学生同士でさらに交流を深めました。道中や食事の場では、日本との文化や価値観の違いについて話題が広がり、互いの生活観や考え方に触れることで、お互いの距離がぐっと縮まったようです。
(当日の詳しい様子は、ページ下部「事後レポート」にて掲載しています)

4日目(3/28)

プログラム4日目は、JETRO(日本貿易振興機構)ハノイ事務所様、本学の卒業生が在籍されている国際交流基金ベトナム日本文化交流センター様、同じく卒業生が在籍されているIMS INTERNATIONAL MEDICAL SUPPORT VIETNAM(以下略称:IIMS-VNM)様の3か所を訪問しました。
午前中に訪問したJETRO様では、ベトナム経済の概況や、日系企業が直面する課題についての講演いただきました。ベトナムへ進出企業が直面する課題や、それに対してどのようなサポートが行われているかについて、実際の取り組みを交えて具体的にご説明いただきました。
続いて訪問した国際交流基金日本文化交流センター様では、日本映画を通じたオンライン文化事業の紹介や、文化交流活動について、本学の卒業生でもある現地駐在員の方よりお話を伺いました。
また、その後ベトナム人の職員の方々とも交流の時間を設けていただき、文化や価値観の違いを背景にした仕事観や日常生活などについて、数名のグループに分かれ、意見を交わしました。駐在員の皆さんが普段使いされている飲食店での昼食では、打ち解けた雰囲気の中で、仕事への姿勢や現地での生活について伺いました。
午後は、医療・介護分野でベトナムに事業展開している、IIMS-VNM社様を訪問しました。企業概要の紹介をいただいた後、ほとんどの時間を参加者からの質問に充てていただきました。医療・介護サービスを海外で展開するうえでの文化的・制度的な課題に加え、ご自身が現地で大切にされている考え方や、仕事に対する思いについてなど、多岐にわたる質問に対し、丁寧に答えていただきました。

  • JETRO(日本貿易振興機構)ハノイ事務所様での講演の様子

  • 職員の方との記念写真(JETRO(日本貿易振興機構)ハノイ事務所様)

  • ベトナム人職員の方々との交流(国際交流基金日本文化交流センター様)

  • 飲食店での現地駐在員の方との交流の様子(国際交流基金日本文化交流センター様)

  • 医療・介護分野でベトナムに事業展開しているIIMS-VNM社様の訪問

5日目(3/29)

最終日である5日目は、同日にULISで開催した「法政大学日本語スピーチコンテスト」の決勝審査に参加しました。参加者たちにとっては、ともに準備を重ねてサポートしてきたペアの学生が出場するということもあり、応援にも自然と熱が入りました。
午前中は、スピーチコンテストの準備として、受付などの運営補助を体験し、午後は会場の前列にて、コンテストの本番の緊張と興奮が入り混じる参加者の熱いスピーチを目の当たりにしました。日本語学習者である同年代のコンテスト出場者が、自らの体験や思いを日本語で表現する姿に、多くの刺激を受けていたようです。
また、スピーチコンテストの幕間には、本プログラム参加者による発表の時間も設けられました。「日本の四季」をテーマに、会場内の観客に向けて10分程度でプレゼンテーションを実施し、限られた時間の中で、日本の魅力を伝える内容に工夫を凝らして臨んでいました。この様子は、コンテストの公式YouTubeチャンネルでも配信されています。

  • スピーチコンテストの幕間で発表を行う参加学生

  • 参加学生がサポートした、スピーチコンテスト出場者が、最優秀賞(高校生部門)に輝きました

  • スピーチコンテスト会場

参加者の声

  • 現地探索の際、ベトナム人の目線から自身の街を紹介するという事がとても面白かったように感じる。日本人がスケジュールを立てていたら、観光になりがちだがベトナムの学生がスケジュールを組んでくれていた事で、よりベトナムという国を知れ、異文化交流というものを感じられた。
  • 色んな考えを持った方々とお会いすることができた。夢が広がった。ベトナムの学生とたくさん遊んで、ベトナムにもとても愛着が湧いて好きになりました。
  • 海外で働いている方のお話を直接聞くことで、海外で働くことの解像度がより上がった。
  • 海外の学生が日本語を完璧に話しているのを肌で感じて、尊敬したし、自分も英語学習を頑張ろうと思えた。27日の現地探索でとても仲が深まり、スピーチコンテストの時に再会したらもう普通の友達のように接するまでになった。海外の友達は初めてなので特に印象に残ったプログラムになった。
  • 実際に現地に行き、自分の目で世界を見るのは、動画や画像をみたり人から聞いたりするよりも何倍もの知識を、五感を通じて与えるのだと知った。「百聞は一見にしかず」を体感した。
  • オリエンテーションでは、日本の先生とベトナムの先生の両方からお話を聞けたことでより理解しやすかった。普段ならお話を聞けないような団体からお話を聞き、旅行で感じるよりも深く異文化交流ができて嬉しかった。

事後レポート

今回参加した学生は、「参加した目的・学んだこと、挑戦したこと、今後の学生生活・キャリアにどう生かしていくか」を中心に、事後レポートを作成しました。
提出されたレポートの一部をこちらに公開しています。以下よりご確認いただけます。

関連リンク

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法政大学 教学企画室 kyogaku@hosei.ac.jp