法政大学は、2022年9月にカーボンニュートラル宣言をし、大学としてカーボンニュートラルの取り組みを推進しています。
その中で、夏休みの期間を通じてカーボンニュートラルを集中的に学ぶ「カーボンニュートラル夏季短期学習プログラム」を今年も実施しました。
今回は、北海道大学・関西大学および本学から学部生と大学院生をあわせて30名(法政大学からは8名)が参加し、「カーボンニュートラルの実現に向けて~エネルギーと地域の特性~」のテーマの下、オンライン学習や北海道札幌市、下川町でのフィールドワークを行いました。
8/28には、法政大学市ヶ谷キャンパスと北海道大学、関西大学をオンラインでつなぎ、事前学習を行いました。
参加者には、事前学習に先立ってオンデマンド教材の受講や国土交通省資料を用いた事前課題が課されており、事前学習当日はまず法政大学生命科学部の渡邊雄二郎教授とともに、事前課題の振り返りを行いました。
その後は、地域ごとのエネルギー戦略・カーボンニュートラルの取り組み紹介として、関東地域からは東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社様、関西地域からは関西電力株式会社様にそれぞれご登壇いただき、各企業・地域の取り組みをお話しいただきました。
また、それまでの講義を受け、最後は学生が各グループにわかれてディスカッションを行い、グループ内で各々の考えを共有しました。
9/4からは、北海道大学・関西大学・本学の計30名が北海道に一同に会し、2泊3日の行程での現地フィールドワークを実施しました。
1日目は、北海道ガス株式会社様・北海道熱供給公社様ご協力のもと、まずは北海道ガス株式会社様の脱炭素に向けた取り組みに関する講義を受けたうえで、本社発電所および中央エネルギーセンターを見学しました。
また、その後は北海道大学総合博物館に移動し、博物館見学の後、札幌市環境局様より札幌市の脱炭素先行都市としての取り組みについて講義いただきました。
札幌市におけるエネルギー戦略について、事前学習での関東圏・関西圏との事例とも比較しながら、実際に施設見学を通じて目で見て感じることもできた大変貴重な1日でした。
北海道ガス株式会社本社発電所での視察見学
札幌市の脱炭素先行都市としての取り組み講義
9/5からは、札幌市から下川町へ移動し、田村泰司下川町長にご挨拶いただいた後、SDGs未来都市・ゼロカーボンシティとしての下川町の取り組みについて講義を受け、さらにグループワークで各々の考えを深めました。その後は下川町内を見学し、役場熱供給システムについて実際の設備を見ながら学んだり、下川町のランドマークの一つでもある桜ヶ丘公園も視察し、下川町を実際に体感することができるプログラムでした。
下川町でのグループワーク・発表の様子
下川町役場周辺熱供給システムでの視察見学
9/6は、引き続き下川町でのフィールドワークを行い、まずは下川町森林組合北町工場を訪問し、木炭・小径木加工事業についてご説明を受けながら施設を見学しました。またその後は「フプの森」を訪問し、同団体が取り組んでいる、トドマツを原料としたエッセンシャルオイル・芳香蒸留水の製造業についてご説明を受けました。さらには、木質原料製造施設にて、実際に燃料用チップが生産される工程を見学することができました。その後は、「一の橋バイオビレッジ」を見学し、下川町が取り組む先進的な地域モデルを学びました。3日目は、様々な見学を通じて、下川町の産業や森林バイオマスの取り組み、地域づくり、といった下川町の様々な取り組みを学ぶことができた一日でした。
下川町森林組合北町工場での視察見学
「フプの森」での視察見学
9/17には、法政大学市ヶ谷キャンパスと北海道大学・関西大学とをオンラインでつなぎ、事後学習に取り組みました。
事後学習では、これまでの事前学習や現地FWで一緒に取り組んできたグループで再集合し、国・自治体、エネルギー供給業界、エネルギー消費企業、そしてエネルギーを消費する私たち、という4つの観点から、カーボンニュートラルの実現に向けて必要な転換「トランジション」について、グループごとに検討し、発表しました。
事前学習から現地FWにかけて、学んだ内容を振り返り、かつ学びを深める良い契機となりました。
カーボンニュートラルについて更に知るようになりました。多くの方から、色んな話を聞けてとても有意義でした。また、他大学の学生との交流も深まり、多様でバリエーションが多い発想に感心しました。
エネルギー・カーボンニュートラルの分野について詳しくありませんでしたが、北海道ガス株式会社様、関西電力様、下川町の皆様からのご説明を受けて、少しずつ理解することができました。今回のプログラムを通して、自分の普段の生活の中でカーボンニュートラルに貢献できることを探したいと考えました。
北海道は自然が豊かで広く住み良い地域であると再確認できたことに大満足でした。また、自身も来年からエネルギー企業に就職する為カーボンニュートラルについて学ぼうと参加しましたが、熱供給や第一次産業の利活用など新しい視点を持つことが出来ためになりました。そして、固定概念がなく好奇心旺盛な後輩たちを見て、変革人材として来年から頑張らねばと後押しされた気分になり、プログラムに参加できたことを心より有難く思います。
法政大学では、今後も様々なパートナーと連携しながら、カーボンニュートラル実現に向けての取り組みを推進してまいります。