法政大学総長室付教学企画室では、学生生活応援プロジェクトの一環として、岡山県在住の水柿大地氏(本学現代福祉学部卒業生)をお招きし、在学生とともに考える「新しいフィールドワークのカタチとは?」と題した在学生との交流会を開催しました。
【開催日時】
2020年11月4日(水)15:30~17:00
【開催方法】
Zoomを使用したオンライン開催
【参加人数】
4名
【内容】
東京都あきる野市出身の水柿さんは大学在学中、大学を休学して岡山県美作市の地域おこし協力隊に従事し、協力隊任期中に大学に復学。週5日は岡山で協力隊として活動し、週2日は東京で大学生活を送るという二拠点地域居住をしながら無事に大学を卒業。現在も美作市上山で農業や高齢者支援に従事されています。在学中には「21歳男子、過疎の山村に住むことにしました」(岩波ジュニア新書)を出版。現在も全国様々な大学のゲスト講師を務めるなど活躍されています。
はじめに、コロナ禍によりなかなか東京を飛び出して現地に行けない学生のために、水柿さんがモビリティに乗り、岡山県美作市の上山の美しい棚田の風景をバーチャルで見せてくださいました。
水柿さんからは次の内容を講演していただきました。
・地域おこし協力隊任期中にどんなコトをしたのか
・「農業」×「得意分野を活かしたナリワイ」によるライフスタイルの構築
・地域との関連性を意識して多業化すること
・地域への関り方のステップ、地域側の準備
・外部人材(ヨソモノ)が地域に関わる上での心得と、受け入れる地域側の心得
・地域住民とヨソモノが連携するまでの紆余曲折
・上山における学生との関わり、地域に関わってもらううえで意識していること
・新型コロナウィルスによる地域への影響
その後、参加学生からの質問に答えていただきました。
<学生からの主な質問>
・なぜ移住先に岡山県上山を選んだのですか?
・10年後はこうするなど、人生設計はありますか?
・東京目線での岡山県の魅力はどういうとろこだと思いますか?
・東京の人たちが岡山県に興味を持つポイントはありますか?
・コロナの影響を踏まえ、農山村や地方にどのようなポジティブな変化が生まれると予感しますか?
水柿さんからも学生に質問が投げかけられ、このコロナ禍を経て、地域に行きたいけど行けない学生、学生を受け入れたいがそれが叶わない地域、という双方の視点で「新しいフィールドワークのカタチ」を模索することができました。
<参加学生感想>
・水柿さんのお話は2年前にキャンパスでもお聞かせいただきました。本も読ませていただいたので「いちょう庵」のことも知っていましたが、室内や上山の様子を直接見ることができ、貴重な経験ができました。 少人数で深くお話もでき、大変よかったです。
・ゲストスピーカーの方々と繋がれる機会があるのは非常にありがたいです。オンラインならではのことだと思いますが、コロナ終息後も続けていただきたいです。
<水柿大地さんより:講演を終えて>
このコロナ禍、学生たちは、私自身をはじめ、多くの大人たちが過ごしてきた学生生活とは違うカタチでの学び、制限のある中での学びを強いられている状況にあります。今現在の学び方やこれからの進路選択に関して、どのように考えているのか、学生のリアルな声を聞ける機会をいただけたことが、私としては大変ありがたいことでした。
今回お話をさせていただいた内容は、新型コロナウィルスによる影響を受ける前の動き方、学生生活の過ごし方ではありましたが、動く前のきっかけや、農村の現状、社会が抱えている課題への意識をお伝えすることはできたのではないかと思います。参加学生は少数でしたが、その分双方向のコミュニケーションは取りやすく、コロナ禍で再認識した特定・少数の人とのコミュニケーションの重要性を感じられる場にもなりました。
母校である法政大学には、今後とも少しずつでも恩返しができればと思っていますので、また機会があれば協力をさせていただきたいです。この度は貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。