刊行物

叢書「沖縄を知る」

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当研究所の所員・研究員による研究成果を一般学術書として広く公表し,社会還元を図るために、沖縄文化研究所が監修する「叢書・沖縄を知る」の出版に対して助成しています。

沖縄文化研究所監修 叢書「沖縄を知る」

加藤久子著『ナナムイの神々を抱いて-宮古・池間と佐良浜の祭祀-』 ボーダーインク 2023年

叢書加藤久子.png宮古島市にある池間島と伊良部島の佐良浜では、年間に数多くの祭祀が行われる。
佐良浜はもともと池間の分村として誕生し 、祭祀を共有し 、宮古島の西原と併せて「池間民族」とも称される。
池間のユークイ(1985年) 、動物供儀(1988年) 、佐良浜のカーニガイ、ムズビューイウサギ(1993年)の祭祀を取材し、その写真と共に祭祀の様子を紹介。
糸満の漁業に携わる女性や浦添市小湾の字誌に関わり、多くの女性を取材研究してきた著者が現代の祭祀の役割とつながりを考える 。

 

 

 

 

島村幸一・小此木敏明・屋良健一郎著『訳注『佐銘川大ぬし由来記』『周藺両姓記事』『思出草』『浮縄雅文集』『雨夜物語』『永峰和文』琉球文学』 勉誠出版 2022年

文化の結節点たる琉球においては、琉球語のみならず漢語・和語による諸種の文学作品が華ひらいた。                          叢書.png
それらは、琉球という場のもつ広がりを示す貴重な歴史資料でもある。
18世紀前半期は、琉球王府による歴史資料の編纂事業が集中し、文芸が盛んな時期であった。
氏族の歴史叙述が本格的に始まり、正史や地誌の編纂も行われた。家譜と正史、地誌の叙述により、物語としての歴史が作られていく。
また、それと並行して、御取合(交際・交流)の文化としての和文学も展開した。
本書では、そのような時代に成立した6編の作品を取り上げ、校訂本文に注釈・現代語訳を付し、解説を加える。
琉球をどのように叙述し、どう認識させようとしているのか。琉球の歴史や地誌をどのような枠組みで描こうとしているのか。
琉球の歴史伝承叙述の意味づけを考える上で重要な作品を読み解く。

島村幸一編『琉球船漂着の「聞書」世界-『大島筆記』翻刻と研究-』 勉誠出版 2020年

アジアのなかの琉球を知るための貴重資料琉球漂着者.jpg
宝歴十二年(1762)旧暦四月、薩摩へ向かう一艘の琉球船が暴風雨に遭遇し、土佐へ漂着した。
土佐藩の儒者戸部良熈が、乗船していた琉球人潮平親雲上から聞き書きをとり、琉球側からの提出資料とともにまとめたもの、それが『大島筆記』である。
優れた教養を有した二人の邂逅により纏められた本書は、琉球王府が編纂した資料では窺えない、当時の琉球人が語った貴重な情報に満ち溢れている。
漂着の次第はもとより、琉球の地誌全般、当地における文芸や言語、風俗、さらには、中国や日本など琉球を取りまく地域との交流・交叉の諸相を伝え、江戸期の琉球
認識などを知るためにも貴重な資料である。
諸本のうち最も内容の備わった最善本を初めて全編翻刻、校異を付し、さらに琉球船の土佐への漂着に関する貴重資料『琉球船漂恙記』『韓川筆話(抄)』『琉球人話』
を収録。
研究篇として、文献学・文学・文化史・外交史・空手史・言語学等に関する充実の論考六篇を収載した決定版。

 

 

屋嘉宗彦著『沖縄自立の経済学』 七つ森書館 2016年

沖縄自立の経済学.jpg沖縄の日本からの経済的自立は可能か。また、その時間的距離範囲をどう考えるか。本書は、この完全な経済的自立の可能性の検討までを射程に置くものとする。
沖縄経済の完全な自立化がなまなかなことではなく、長期的展望・目標として設定されるべきものであること。上からの政策だけでなく、そこに向かって住民が
意識的に努力しなければならないものであることを提言する。

 

 

 

 

 

中俣均著 『渡名喜島』 古今書院 2014年

渡名喜島.jpg第1章 渡名喜島へ(渡名喜島を知る;沖縄の「地割制度」;渡名喜島へ;のんびりとした島で)
第2章 渡名喜島の地割制度
    (渡名喜島の地割制度;地割組の画定;昭和16年の地割組の組成分析;地割組と渡名喜集落の移動;地割制度の起源説について;地割遺構その後)
第3章 重要伝統的建造物群保存地区への選定
    (景観への注目;「重伝建」指定へのあゆみ;「重伝建」指定地区における集落景観保全活動の現状;「島田懇」と渡名島の文化景観保存事業;
     景観保存・修復事業をめぐる外的状況)
第4章 変わりゆく渡名喜島

 

 

 

間宮厚司著『沖縄古語の深層-おもろ語の探求-<増補版>』 森話社 2014年

沖縄古語の深層 増補版.jpg「グスク」「テダ」「オモロ」など、沖縄を象徴する言葉の語源をさぐり、『おもろさうし』の言語の特徴を、大和古語との比較から平易に説き明かす。
「ウリズン」などの語源論を新たに追加した増補版。

 

 

 

 

 

 

梅木哲人著 『新琉球国の歴史』 法政大学出版局 2013年

新琉球国の歴史.jpg東アジア世界のなかの琉球を再考する。本州とは異なる独自の国家形成と対外関係を持つ琉球国を、主に中国との関係に重点を置きながら論じる。

 

 

 

 

 

 

加藤久子著 『海の狩人沖縄漁民―糸満ウミンチュの歴史と生活誌―』 現代書館 2012年

海の狩人沖縄漁民.jpg小さな舟で大洋を駆けめぐるウミンチュ。勇壮な海洋民族は大型漁法を開発する。沖縄漁業の成り立ちと女たちの独自な経済活動を、丁寧な
フィールドワークで明らかにした貴重な成果。

 

 

 

 

 

 

久万田晋著 『沖縄の民俗芸能論―神祭り、臼太鼓からエイサーまで―』 ボーダーインク 2011年

沖縄の民俗芸能論.jpg沖縄の村々で育まれ、祭りの場で演じられる多彩な民俗芸能のルーツや芸術的要素を探る本格的概説書。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仲程昌徳著 『沖縄文学の諸相―戦後文学・方言詩・戯曲・琉歌・短歌―』 ボーダーインク 2010年

沖縄文学の諸相.jpg沖縄の文学作品は、いかに「琉球語」を取り込み、どう生かそうとしたかの長い歴史がある。時代の歴史が深く刻み込まれた沖縄文学の諸相を、戦後文学の出発、
方言の展開、戯曲、短歌の分野から沖縄近代表現の軌跡をたどる。

 

 

 

 

 

 

間宮厚司著 『沖縄古語の深層―おもろ語の探求―』 森話社 2008年

沖縄古語の深層.jpg「グスク」「ニライ・カナイ(ミルヤ・カナヤ)」など、沖縄を象徴する言葉はどこからきたのか。沖縄最古の歌謡集『おもろさうし』の言語を、姉妹語である
大和古語と比較しながらその語源を探り、特有の文法体系を解き明かす。

 

 

 

 

 

 

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